トップハーフはベスト8の試合が行われ、準決勝進出者が決定しました。
・アルカラスvsジョコビッチ
今大会では3回戦に一度あったのですが、
あんな偽の一戦ではなく、本当の事実上の決勝と言えましょう。
チチパスが名選手であることは疑いもないですが、
これまでの対戦で無敗であることそして今の勢いの点でやはりアルカラスでした。
ショットセレクションや動きの幅広さはチチパスも悪くないはずなのですが
全てにおいてアルカラスが少しずつ上回っている雰囲気で、
終わってみれば大差というのも必然だったかもしれません。
ジョコビッチもまたさすがのまとめ方で貫禄の勝ち上がりをみせました。
カチャノフも頑張りまして今大会初めてジョコビッチにセットを失わせるということをやりましたが
試合構成というのか、試合全体の組み立てはジョコビッチの手の打ちというイメージでした。
序盤はカチャノフに気持ちよく打たせておいて動きを見抜いた後半で巧みに攻略していくという、
あの全ての選手の精神を挫く老獪さはもうお決まりといえましょう。
ボトムハーフはこれからベスト8が行われます。
・ルードvsルーネ
・ズベレフvsエチェベリ
上位シードが相次いで敗退したボトムハーフで展開に心配を感じさせたボトムハーフですが
ルードとルーネがしっかりとシードを守ってきました。
両者は年齢差もあって(ルード24、ルーネ20)初対戦からはルードが4連勝しており
昨年の全仏でも同じベスト8で対戦してルードが勝利していましたが
今年に入って前哨戦のローマでルーネが初勝利したのは記憶に新しいところです。
ルードは昨年の準優勝者でもあり実績では上ですが、今の勢いはルーネの方があって
正直ここはどちらとも言えない拮抗した対戦となっています。
トップハーフが事実上の決勝ならば、こちらは事実上の準決勝とでも言えるでしょうか。
そして、今大会の目玉となったのはエチェベリでした。
ここは惜しかったですね。西岡が勝っていればこのポジションは西岡だったわけです。
エチェベリはアルゼンチン出身の23歳で、1年前にランク100位に入ったばかりという選手、
トップツアーの試合数は50戦にも達しておらず、タイトルもまだ0です。
もちろんある程度名前の知られている西岡の方がツアー成績も上でして
これはもう本当に完全にノーマークの無名の選手だったといえます。
エチェベリと対戦するのはズベレフとなります。
今回は第22シードですが、本来の力であれば当然トップ4シードの中にいても良い選手です。
ちょうど1年前のここ全仏で大怪我をして、そこから復活を果たしてのこの舞台ということで
意気込みも大いにあると思います。
未知数のエチェベリとの対戦は一体どうなるのか、注目です。
スポンサーサイト
- 2023/06/07(水) 12:00:00|
- 2023年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:1
早くも4回戦です。
トップハーフはベスト8が出揃っています。
・アルカラスvsチチパス
・ジョコビッチvsカチャノフ
第7シードのルブレフが敗退したものの、代わりに11シードのカチャノフが勝ち上がっていて
その他は上位シードが残っているので、トップハーフはほぼ順当な結果と言えるでしょう。
強敵との連戦ドローとなり注目されていたアルカラスですが
事実上の決勝である3回戦を「6-1 6-4 6-2」の死闘で何とか勝ち上がり
その後もムゼッティを下して、次はいよいよチチパスとの対戦になっています。
もう一人の優勝候補、ジョコビッチもなんだかんだでさすがの安定ぶりで、
失セット0の勝ち上がりを見せています。
セットを失ってない選手は他に、ボトムハーフで1戦少ない状態のディミトロフだけです。
そんな状態のジョコビッチが、3回戦でのヘトヘト対決を更にフルセットで勝ち上がってきた
ランク94位のペルーのバリジャスに苦戦するわけはないですね。
圧勝で準々決勝にコマを進めました。
ボトムハーフの方はこれから4回戦が行われてベスト8が出揃うわけですが
メドベージェフとシナーが敗退したもののルーネ、ルードが残っていますし
ズベレフやディミトロフといった本来の実力者も残っていますので
混戦模様といった感じにはまだなっていません。
ただし、無名やノーマークだった選手も残っているので
その辺の判断は4回戦の結果次第ということになるでしょう。
- 2023/06/05(月) 13:29:53|
- 2023年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:1
上位シードではシナーが敗退しました。
メドベージェフに続く上位シードの敗退ということになります。
どちらも敗退はフルセットで、
長い試合になるとみるみる体力を奪っていく全仏の怖いところが出た形と言えるでしょうか。両者ともに優勝候補の筆頭とまではいかなくても上位に位置していた選手でしたので
早い段階で2人が姿を消したというのはボトムハーフの混戦模様に拍車をかけたと言えるかもしれません。
メドベージェフを下したのは予選上がりの無名のブラジル選手、ザイボチ・ヴィウチ。
2回戦も勝ち上がっていて、次は西岡と対戦します。
ボトムハーフはルーネやルードといった本命がまだ残っていますが
思わぬ選手がこの後も活躍する可能性もあります。
西岡もチャンスがあるかもしれません。
トップハーフでは左利き選手に一人注目してますが
ボトムハーフでは西岡がそれに該当する???
(日本人として西岡クローズアップはやめたほうがいいのであろうか)
前哨戦で優勝したために期待値が高まったとはいえ、
元々クレーを得意としていなかったメドベージェフの敗退はまあ致し方ないとはいえ
シナーの敗退については、残念に感じる人も多いのではないかと思います。
近くアルカラス、シナー時代が来るのではとも期待されていたわけで
シナーの少し伸び悩んでいる現状は何とか打破できないものでしょうか。
- 2023/06/02(金) 15:40:51|
- 2023年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
さあ、いよいよ開幕しました、
四半世紀ぶりのナダルとフェデラーのいない全仏オープン。
といいつつ当ブログの最近の大変失礼しております事態で更新が遅れていまして
ボトムハーフは1回戦、トップハーフは2回戦までが終わっている状態です。
上から見ていきましょうか。
今大会はトップハーフに強豪が集まった印象です。
上位8シードのうち、トップハーフはアルカラス、ジョコビッチ、チチパス、ルブレフ。
ボトムハーフはメドベージェフ、ルード、ルーネ、シナー。
3回戦にコマを進めているアルカラスは最大のピンチを迎えています。
初戦は3セット、2回戦はダニエル太郎を相手に4セットと少しずつ困難が増している中で
次はいよいよ第26シード、強烈なサウスポー、デニス・シャポバロフが相手なのです。
正に「今大会最強の第26シード」といえるでしょう。
そのシャポバロフ、最強の名にふさわしく、初戦が5セット、2回戦が4セットと
次第にその調子を上げてきているのです。これは恐ろしい。
アルカラスも本気の65%以上が出せないようであれば、
全仏初制覇に向けて暗雲が立ち込めるとも言えるのではないでしょうか。
シャポバロフはその気質的にクレーが向いていないと思われますが
ショットパワーとフットワークがあるので、精神が整っているときにはクレーでも良いプレーをします。
前に出る積極性もあるのでハマると誰にとっても嫌な相手になることは間違いないです。
集中を切らしてミスを連発する癖さえ出なければというところです。
その意味では、そうなった状態のシャポバロフはクレーに向いていないというよりも
どのコートにも向いていない選手になりますし、
逆にハマればクレーに向いた選手ともなりうるわけです。
もちろんこの対戦は個人的に最も注目の3回戦と言えます。
両者は意外にも今回が初対決です。
さて、そのすぐ横の山ではノリーとムゼッティが勝ち上がっています。
これもまた面白い注目の対戦となります。
特にノリーは初戦の難敵プノワ・ペールとのフルセットの試合が印象的でした。
ノリーはグラスイメージの強いイギリスの選手ですが実はクレー勝率が最も高い選手です。
対するペールはこのところランクを落としていて今回もワイルドカードの出場でした。
地元という優位性を差し引いても前評判で言えばノリー勝利ということだったのですが
試合の方は正攻法のノリーとペールの癖のあるプレーが面白い様に絡んでフルセットの熱戦となりました。
まだ今大会で多くの試合を観ることはできていないですが、私が見た中では初戦でのベストマッチです。
あとトップハーフで気になるところと言えば、
チチパスが勝ち上がっていて、3回戦でシュワルツマンと当たります。
シュワルツマンは今100位近くにまでランクを落としてしまっていて今回もノーシードではありますが
元々爆発力のある選手で、今大会あるいは恐怖のノーシードとなり得るかという一戦になります。順当にいけばチチパスの完勝でしょうが、チチパスは思わぬポカがある選手ですからわかりません。
因みに最近のフェデラーのインタビューで、対戦した中で印象に残っているサーバーを上げるというのがあって、
イズナーとかカルロビッチとかロディックとか理解できる名前が連なるっているのですが
その中にシュワルツマンの名前があるのがひと際目を引きました。
因みにフェデラーの答えは以下の通り。
フェデラー「ロディック、イズナー、サンプラス、シュワルツマン、カルロビッチ、イバニセビッチ、ラオニッチ、ヴァヴリネック(フェデラーの妻)、リュビチッチだよ。」
トップハーフの下側、第3シードの山に行きましょう。
この中にはジョコビッチがいます。
前哨戦ではベストと言える状態ではなかったですが
さすがにグランドスラムでは次元の違う戦いを見せてくれます。
守備力とか展開力もそうなんですが、ショットの安定感は何なんでしょうか。
際どいところに打っているのに、これはアウトにならないとわかるあのボールの軌道。相変わらず見事です。
ただ年齢もあるので突然の疲れとかが出ないかは気になります。
その意味でも2戦をいずれもストレートで勝ち上がったのは幸先良いスタートと言えるでしょう。
次の相手はダビドビッチ・フォキナ。十分に注意が必要な相手です。
第13シードのホルカチはクレーを得意としていない選手ですが、3回戦にまで勝ち上がっています。
初戦は恐怖のノーシートの一人ゴファンで、これは苦戦しながらフルセットで勝ち上がりました。
この試合は観てないのですが時間があったら探してみたいと思わせる一戦です。
ホルカチは2回戦でもフルセットを戦っていて、3回戦でペルーのバリジャスと対戦します。
バリジャスは2回戦でバウティスタ・アグーをフルセットで下す活躍を見せています。
またバリジャスもホルカチと同様、初戦、2回戦ともにフルセットを戦っているので、
ここは3回戦随一のヘトヘト対決となっています。
ボトムハーフの方はまだ1回戦が終わった状態です。
長くなるので細かい記事はこちらはも2回戦まで行われてからにしましょうか。
まあ敢えて一つ取り上げるのなら、やっぱり上位シード選手の件ですよね。
そう、第4シードのルード!
初戦の対戦相手がスウェーデンのイマーでして、そこはただ普通にフーンと流しそうになったのですが、
ムゼッティの初戦の相手もイマーでして、あれー?と思いましたところ
皆の知ってるイマーはムゼッティの相手の方で、ルードの相手は兄の方だったようでして。
私、イマー兄いるの知りませんでした。勉強不足。
- 2023/06/01(木) 12:00:00|
- 2023年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
ナダルの全仏欠場及び来年での引退の知らせが入ってきており心中穏やかではないですが
そちらの話になると終わらなそうなのでここでは一旦大会の方を取り上げたいと思います。
ドロー96の非常に大きな規模として開催された今大会、
優勝候補の筆頭格であったジョコビッチ、アルカラスのトップ2シードが
早期敗退となったというのありました。
もっとも、この2人の場合は全仏を占う上ではさして参考にならない敗退だったとも言えます。
むしろアルカラスなどマドリードの優勝があっただけに
ここでの早期敗退は全仏への良い準備になるのではないかとさえ思えるほどです。
ジョコビッチも全仏に照準を合わせていると考えられるのでやはり敗退は悲観的ではありません。
ただ、年齢の面もあるので長い全仏でコンディションがこれまでと同様に整うのかというのはあるでしょう。
さて、大会でベスト4に残ったのは、メドベージェフ、チチパス、ルーネ、ルードで
ここはいずれもメンバー的には本命級だったと言えます。
ビッグ4が大会に揃い踏みしなくなって久しいですが、それ以前の混沌とした
誰が勝つかわからないようなクレー勢力図にはなっておらず
ある程度の実力者が勝つ形にはなっていると言えそうです。
その中でも注目はメドベージェフでしょう。最終的には大会も優勝したわけで、
クレーを苦手としている中でマスターズを制してしまったというのは
今後のランキング争いにおいても大きな意味を持つことになるといえます。
今までクレーでのポイントがほぼカウントされなかった中でNo.1を取ったわけですから
これで更に計算ができることになったと言えます。
もっとも、テニス史においては、クレーを苦手とした選手が珍しくクレーで活躍すると、
その後の得意コートで急にペースを落とすなどということもしばしばありましたので
楽観視ばかりはできないでしょうが。
プレー自体はやはりクレー向けではないのですが、
もう能力の高さで買ってしまったという印象です。
ナダルがウィンブルドンを制した時に似ているでしょうか。
クレーを得意とする選手が多い中で勝ち続けることは難しいかもしれませんし
全仏のように試合が長いと苦戦することも考えられますが、その戦いには注目してよいと思います。
準優勝のルーネは、ジョコビッチ、ルードを下しての決勝進出でした。
モンテカルロに次ぐ今年二度目のマスターズ決勝進出で、ランクも自己最高位につけています。
昨年のルードのような活躍と言えるでしょうか。今特に乗っている選手の一人です。
ジョコビッチには2勝1敗と勝ち越していますし、苦手としていたルードにも初勝利を挙げました。
若く将来性は十分で、アルカラスとは同じ年齢であり、誕生日も1週間しか違いません。
僅か1週間の年齢差というのはジョコビッチとマレーの関係に似ています。
さて、ナダル不在でどうなることかと思われた今クレーシーズンですが
上位勢は比較的安定の強さを見せてくれています。
そしてその差は拮抗しており、誰が抜け出すかは読めない部分もありますので
全仏のドロー発表もが楽しみになってきます。
そうそう、今回意外にも振るわなかったのが地元イタリアの選手達でした。
折角前の記事でテニス大国と持ち上げたのにこれは一体どういうことでしょうか。
あ、そうか、フラグか。私そういうの持ってましたね、忘れてました。
というわけで、全仏で活躍してほしくない選手がいれば
大々的にブログで絶賛の記事を書きますので是非リクエスト下さい。
誰からもリクエストがなければ強制的にシャポバロフを絶賛することになります。
- 2023/05/22(月) 12:02:56|
- 2023年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:8
さて、ローマ開幕しています。
今回はナダルは欠場ですがジョコビッチが出てきています。
アルカラスとの初の決勝対決が実現するのか注目です。
実現すればマスターズ史上最大年齢差の決勝となるんではないでしょうか。
はっきりとは調べ切れていませんが、第1、2シードだけでも
マスターズ史上最大年齢差かもしれません。
全仏前の最後の大きな前哨戦であるだけでなく、
大会そのものが大きな意味を持つ規模ですので
各選手がどのように戦ってくるかにも注目が集まります。
ルードのように昨年のクレーシーズンと比べて大きく調子を落としている選手もいれば
フリッツのように本来得意のコートでないにもかかわらず思わぬ善戦を見せている選手もいます。
仮にこうした選手が対決することになった場合、勝利予想はどちらが高いんでしょうか。
こうした読めない展開が多く予想を困難にさせている大会というのもまた面白いですね。
まあ、本命はやはり上位2シードなんでしょうが、
思わぬ選手が活躍する可能性もありそうなので注目したいと思います。
長くイタリアは名選手が生まれていなかったために
ここローマは伝統的に大きな大会であるにもかかわらず地元選手が注目されることはありませんでした。
割と最近までは、イタリアのテニス選手っていうと、
オープン化前の全仏で2回優勝しているピエトランジェリと
76年全仏優勝のパナッタくらいしか名前が出てきませんでした。
あとはセルジオ・タッキーニですかね。タッキーニは選手としては最後まで無名でしたが、
引退後にデザイナーとして立ち上げたファッションブランドの方で有名になった人物です。
ラコステとかスタン・スミスとかチルデンセーターとか、
テニス選手とファッションが結びつく例は他にもありますが
選手としての実績とブランド知名度のギャップはセルジオ・タッキーニが最も大きいかもしれません。
話が飛びましたが、最近になってイタリアの選手は多くがトップに存在しています。
セッピ、フォニーニくらいから選手が出始めまして、
今ではベレッティーニ、シナー、ムゼッティ、ソネゴ、チェッキナート等々
多くのビッグネームが確認でき、今大会も10人が出場しています。
テニス大国に名乗りを上げている地元イタリアに注目してみるもの面白いかもしれません。
- 2023/05/14(日) 18:41:53|
- 2023年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:7
また少し記事アップの時間が空いてしまいました。失礼しました。
今年からマドリード大会は拡大され、ドローが96になりました。
インディアンウェルズやマイアミと同じ規模です。
開催期間も2週間(1.5週間)になります。
クレーマスターズは日程が詰まってましたから、その部分を考慮した面もあるのかもしれません。
今年は他にもローマと上海が同じように拡大されています。
ただ、ドロー96というのはグランドスラムの128と同じドロー規模になりまして
トップシードは初戦が免除されますが、それでもこれまでよりも1試合多く戦うことになり、
1大会における負荷に関してはむしろ増大しているといえます。
インディアンウェルズとマイアミがある意味グランドスラム級のお祭りであるのと同様
マドリードとローマのセットもクレー版のお祭りということになるでしょう。
違いは、グランドスラムが更にそのすぐ後に待っているという点でしょうか。
クレーで戦う上での体力の必要性を考えても、選手にとってこの改革が楽になってるかどうかはわかりません。
マドリードとローマで全力で戦った選手が全仏で息切れするという、いかにもな光景が思い浮かびます。
それをはねのけてこそのチャンピオンだというのもわかりますが、
それを承知で全部勝てというのは目の前のポイントに必死な若い選手には酷な話かもしれません。
そうなると、いよいよマスターズ出場資格が免除されていて、かつコンディション調整の妙も味方する
宇宙人にとってグランドスラムは更に有利になるという図式が見えてくるようにも思えます。
まあようやく他の選手がそんな宇宙人たちと互角に戦えるようになってきているので
(というよりも宇宙人が落ちてきてるという方が正しいのですが)
今クレーシーズンが全体的に混戦模様であることに変わりはないでしょう。
仮にアルカラスがマドリードとローマを連取したとして、
これは凄い、全仏も優勝候補だ、ということにはなりにくい気がします。
もちろん世間的にはそういわれるでしょうが、実際のところ疲労の方が気になりますし、
いざその状態で全仏で早期敗退してしまった時の周りからのがっかり感のようなものが出てしまうのがよろしくないです。
まあクレー大会の全てで勝つ、というのは10~15年前にナダルがやっていたことではあるんですが
アルカラスにそのかつてのナダルの再来を期待するのは、それこそ本当に酷な話だとは思います。
プロテニス界150年の歴史において一人しか出ていない選手と同じパフォーマンスを当たり前と思ってはいけないでしょう。
ただ、こうした懸念がでるのもアルカラスに超人的な要素が十分にあるからであって、
最年少No.1、その圧巻のプレーぶりなど、やはり非現実的強さがにじみ出ているんですね。
それ以外にも注目すべき選手は多くいますし、クレーは得手不得手がはっきり出るコートですが、
その中で意外な活躍をする選手も毎年一定数出たりしますのでその辺りの意外性も楽しみたいところです。
試合の結果に触れる前に話がわき道にそれてしまいました。
大会期間中に書く内容ではなかったですね。これも先週の更新をさぼったつけでした。失礼しました。
一旦今回の記事はここまでで、次の記事で結果や試合レビューをアップしたいと思います。
- 2023/05/02(火) 12:00:00|
- 2023年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
ルブレフ初のマスターズ制覇です。
この選手であればいつかは取ると思われていたので驚きませんが
ある意味、獲得まで時間は随分かかったとも言えます。
同年代にはズベレフとチチパスがいますが、
既に前者には5タイトル、後者には2タイトルあり、しかも両者ATPファイナルズも取っています。
ただ、タイトル総数ではズべレフこそ19と多いですが、チチパスは9であり
ルブレフは今回の優勝で13なので、そこはしっかり張り合えています。
しかし、今回いくつかの試合を観ましたが、もう凄いですね、選手とパワーとスピードは。
クレーだと簡単にポイントが決まらないからとにかく走る走る。
でそれで決めなきゃと打つ方もボールを叩く叩く。
こんな全力プレーの連続では、観ている方はまあ楽しいですが、選手の疲労は相当なものでしょう。
ルブレフの力には疑いもないですが、じゃあルブレフが一番強いから勝ったのかというとそうではなく
トップ集団の中でも一番コンディションが良かったから勝った、という方が正しいのかもしれません。
大事な試合でどうコンディションを良い状態に持っていくのか、
ツアーカレンダーの中だけでなく、大会の中や試合の中でもコントロールしていく必要があって
それができる選手が長くトップに君臨するのでしょう。
私はルブレフの真っ当なスタイルは好きですが、
当ブログでも何度か指摘しているようにプレーが正攻法であり、
とにかく全力であるため、試合中にペースを変える術には欠けていると思います。
そのため調子が狂いだすと脆いというのと格上相手には太刀打ちできないとい面があります。
苦手とする上位の選手が確実に存在しているのがそれを物語っています。
ただ最近は苦手としていたメドベージェフやズベレフにも勝つようになりましたし
ナダルとジョコビッチにも勝利しています。
そして今回大きなタイトルを獲得したことで、もしかしたら一皮むけるかもしれません。
まあ決勝のルーネもそうですが、シナーやアルカラスといった
強烈で更に若い世代がいるのでそれらの常に上に位置するのは至難の業でしょうし、
今大会こそ久々の登場で早期敗退となりましたが、
大きな大会では常に絶対的な存在である宇宙人もいますので
今クレーシーズンは、こうした様々な世代にスポットを当てた
いつもとはまた違った見方で楽しみたいと思います。
- 2023/04/18(火) 18:00:00|
- 2023年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
マイアミ優勝はメドベージェフでした。
メドベージェフは全豪こそ思うような結果ではなかったですが、
その後5大会連続での決勝進出、しかもうち4回が優勝で、
更には今年ジョコビッチに土を付けている唯一の選手でもあり
2023年のハードシーズン、第一四半期では最高の結果を残した選手と言えます。
インディアンウェルズを制してNo.1に復帰したものの、
マイアミでは準決勝で敗退してしまったアルカラスは僅かな期間で1位からも陥落してしまいました。
しかし、2大会連続でのシナーとのベスト4での対戦は実に熱く、今後永くに渡って、
テニス界の名物ライバル対決として語られるものになってくれるのではないか思えました。
アルカラス自身はNo.1を争う選手としてクレーシーズンでは本命となってくれるでしょう。
シナーも、若きNo.1候補とされていましたが、いよいよ一皮むけたでしょうか。
アルカラスとの素晴らしいラリーは見応え十分でした。
攻撃、守備、前後の動き、細かい技とどれをとっても若手とは思えぬ見事なプレーの連続で
こういうラリーならずっと見てられます。やってる方はたまったものではないでしょうが、
5セットマッチ、すなわちグランドスラムの決勝で観てみたいです。
個人的にはルブレフとの対戦は印象的でした。両者ともに真っ当なプレースタイルの選手で、
それ故に衒いがないというか意外性が少ない部分があるような気がしてたのですが
今回はシナーの方にあらゆるショットで驚きのレベルの高さがありました。
もちろんルブレフも見事な選手ですが、今回の対戦ではまるでジョコビッチにやられるかのような感じで、
最後には力が上の方が勝つと決まっているかのような展開になった気がしました。
ただ、決勝でメドベージェフに勝てなかったのは、
そのルブレフ的で真っ当なプレースタイルの特徴がそのまま出た感じで、
メドベージェフの懐の深さにやっぱり飲み込まれてしまった印象です。
これだと同じようにジョコビッチにも勝てないですから、あとは展開力次第だと思います。
因みにシナーのバックハンドは今、ツアー最高クラスじゃないかと思います。
ハードコードでも滑り込むジョコビッチの専売特許と言えるプレースタイルは
最近ではアルカラスやシナーが取り入れていて、特にシナーは良く使いこなしていると思います。
で、完成度の高いバックハンドを見せるので、つまりシナーこそが
歴史上最高完成度のジョコビッチ的プレーの後継者とでもいうべき面が見え隠れしています。
あと、インディアンウェルズとマイアミの2大会で印象的だったのはテイラー・フリッツです。
それぞれアルカラスとシナーに敗れましたが、多くの有力選手を下しましたし、プレーには安定感が感じられました。
どちらかと言えば何でもそつなくこなすタイプの選手という印象が強かったのですが
決めのショットは力強く、アメリカ選手らしいオールコートプレーは堂に入っています。
今年は2月のリオの大会でアルカラスを下して優勝していますし今最も充実している選手の一人と言えるでしょう。
- 2023/04/03(月) 18:02:00|
- 2023年1月~3月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
約2ヶ月も更新できておらずすいませんでした。
中々時間がとれないというか更新に手がかけられない状態が続いているのですが
また少しずつでも復活していきたいと思います。
気分はナダルやティエムみたいなもんですね。
さて、インディアンウェルズはアルカラスが優勝しました。
ここまでの大会の経過とか2月の状況とか触れたいことは色々あるのですが
今はまずはこの決勝でしょう。
アルカラスvsメドベージェフ
まあジョコビッチが出ていない大会となればこの2人なんですね。
No.1経験者かつGS獲得者となればビッグ4以外ではこの2名だけですから当然と言えば当然か。
これ以前で該当する人物を探すとロディックやフェレーロになってしまいます。後者はアルカラスのコーチです。
しかしアルカラスは強かったです。失セットゼロで優勝し、No.1にも返り咲きました。
その素晴らしい粘りはビッグ4に劣らず、勢いのある強打はむしろ上回っているのではないかと思わせます。
ショットセレクションも多く、史上最年少No.1とは思えぬ老獪なプレーを見せますから
純粋にプレーを見るだけでも楽しいし、そして凄いなと思わせます。
ただ、昨年末に怪我をしたようにプレーにおける体への負担は大きいと思います。
ナダルが怪我&体の酷使と長年における活躍を両立させてしまったので、
意外といけるのでは、という錯覚に陥りがちですが、
歴史上稀な選手と他の選手を簡単に比較すべきではないでしょう。
いずれにしてもこれから長期政権を取ってもらいたい選手でもあるので
怪我になくということなくキャリアを積み上げていってほしいと思います。
準優勝のメドベージェフも、一時はランクを下げていましたが、
2月に入ってからの猛チャージにより完全に復活を見せたと言っていいと思います。
今大会の敗退で連勝は途切れてしまいましたが、改めてやはり強いです。
決勝のみ自分のプレーができていない感じがありましたが、勝ち上がりは見事で
やはり今間違いなく最強選手の一人といえるでしょう。
今年は、35歳のジョコビッチが全豪を取り、27歳のメドベージェフが連勝街道を走り
そして19歳のアルカラスがインディアンウェルズを取ってNo.1に返り咲くという
全く違う世代の3人の選手が大きな結果を出す4半期となりました。
ここまで違った世代の選手が覇権を争うのは珍しいです。
単純に考えればそりゃそうですね。35歳のNo.1と19歳のNo.1の
どちらかが存在していた時代ですら歴史上ほぼなかったわけですから。
こうなると次のマイアミもそうですし、クレーシーズンも目が離せなくなります。
- 2023/03/20(月) 18:00:00|
- 2023年1月~3月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3
次のページ