ナダルがNo.1であることを証明したことになるでしょう。
大会序盤は苦戦が続きましたが最後の方は強さを見せつけての優勝でした。
準決勝のマレー戦は「6-4 7-6 6-4」というスコアでしたが
スコア以上にナダルが試合を支配していたように感じました。
決勝のベルディフ戦も同様です。
早いタイミングでナダルを崩すという方法は、はまると有効ですが
ナダルに対応されてしまうともう通用しなくなります。
それを避けたいがために攻撃を焦ってしまったのが
マレーとベルディフの敗因であったように思います。
結局はいつものナダルの勝ちパターンだったということになるでしょう。
マレーもいよいよヘンマン化してきてしまいました。
来年以降の決勝進出はあるのでしょうか。
ナダルに真っ向から打ち合いを挑んでいった姿は好感が持てましたが
長いラリーになるとさすがに差が出ていました。
概ね悪くないプレーをしてますしサーブやネットも高水準ですので
あとはより鋭いアングルショットが欲しいところです。
さて、今年はベルディフが決勝に進出しましたので
久々に新しい選手が決勝に顔を見せたことになります。
2004年以降、フェデラー、ロディック、ナダルの3人で決勝を占めていました。
それ以前の最後の決勝進出者はフィリポーシスですから
なんとも時間の流れを感じさせます。
これで6年連続で全仏とウィンブルドンは
ナダルとフェデラーのどちらかが優勝していることになります。
恐るべき2強時代の形成です。
これに匹敵する時代というのは過去にも殆どありません。
唯一、1960年代にレーバーとローズウォールが
プロ3大トーナメントを5年間、2人で総なめにしたことがあります。
グランドスラムではありませんが、当時はグランドスラムよりも
プロ大会のほうがレベルが高かったので、
やはりとてつもない2強時代の形成だったと言えるでしょう。
ナダルはこれで2年前に続いて2回目の
全仏ウィンブルドン連覇という形になりました。
去年はフェデラーが連覇してますから、
3年連続で連覇が達成されたことになります。
ナダル自身は2度目の達成です。
複数回達成というのは過去にボルグの3回という輝かしい数字があります。
また、ロッド・レーバーも2回やってますので
ナダルは歴史上3人目ということになります。
ナダルはランキングで10,000ポイントを超えました。
この先、来年のクレーコートシーズンに到るまでほとんど失うポイントはありません。
しばらくはナダルNo.1時代が続くでしょう。
クレーマスターズ3つと全仏ウィンブルドンだけで7,000ポイントです。
現在2位のジョコビッチが6,905ポイントですのでどれだけ安泰かが分かります。
少し前までグランドスラム3大会のポイントを大量保持していたフェデラーと同じです。
もちろん来年のこの時期に大量にポイントを失う可能性もあるわけですが
そんな1年先のことよりも今の目標は全米制覇ということになるでしょう。
さて、フェデラーは3位に落ちました。
なんとも新鮮といいますか、見慣れないポジションです。
その他ではソデルリングが5位、ベルディフが8位と
それぞれキャリアハイを記録しています。
この辺は活躍からすれば当然でしょう。
またロディックは9位に落ちてしまいました。
グランドスラムでは去年との比較で急激にランクが変動するという良い例です。
最近名前を聞かないデル・ポトロですが、ポイントは現在4,360で7位に留まっています。
しかし、これは全米の優勝ポイント2,000が大きくものを言っているわけで
そろそろ本格的に復活を果たさないといけません。
全米終了後にがくんとポイントを下げてしまうおそれがあります。
まだ時間的な猶予はあるわけですが、仮に今のまま2,000ポイントを失った場合は
ランキングは15位に落ちることになってしまいます。
さて、最後にもう一度振り返りますが、
今年は全仏とウィンブルドンで展開がよく似ていました。
ベスト8でフェデラーが敗退、それを破った相手が決勝にまで行きナダルに敗れる。
フェデラー時代からナダル時代への移行というイメージの強くなる結果だったと思います。
新聞記事等でも、「ナダル時代の到来」と書かれたりしているようですが
ナダルの本当の正念場がここからだということを再認識しておく必要があるでしょう。
もちろんポイントは安泰です。ランキングは揺るぎません。
しかしナダルはここ1年ハードコートで勝っていない選手です。
現在のテニス界でハードコートの重要度は高いですから、
仮にこのままハードコートでは勝てない状態が続くようだと
その王者としての資質に疑問が呈されてくることになるでしょう。
ナダルが王者であればあるほど、この先フェデラーとの直接比較が待っています。
どんなに対戦成績で勝ち越していても、キャリア比較でフェデラーには及ばないと言われてしまうのです。
強ければ強いほどその選手には理不尽ともいえるほどの過去との比較が振りかかってくるものなのです。
スポンサーサイト
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2010/07/06(火) 13:39:18|
- 2010年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:12
昨日はあまりの衝撃には試合直後に
記事をアップしました。
しかし大会は終わっていません。
フェデラーショックに放心状態になっている場合ではありません。
ここで我々は
大会前の記事を思い返す必要があります。
今回遂に長いウィンブルドンの歴史上初めての
両手打ちバックハンドのみによるベスト4が行われることになりました。
既にベスト8の時点で片手打ちはフェデラー一人だったのですが
まさか今年達成されることになるとは・・・。
ベスト4の顔合わせは以下のとおりです。
・ベルディフvsジョコビッチ(0-2)
・マレーvsナダル(3-7)
ベルディフとジョコビッチはこれまで2度の対戦でいずれもジョコビッチが勝っています。
しかしどちらもハードコートであり、グランドスラムでの対戦はありません。
ベルディフは強打もある選手ですが緩い球も織り交ぜます。
最近のジョコビッチもそうですのでパワーだけでない技術の応酬もみたいものです。
どちらの試合も注目なのですが、より注目度の高いのがマレーvsナダル戦でしょう。
フェデラーなきいま、ナダルはトップシードの意地を見せなくてはなりませんが、
それよりも更に勝たなくてはいけないのがマレーではないでしょうか。
ここがフレッド・ペリーになるかティム・ヘンマンになるかの分かれ道です。
マレーは準々決勝で難敵ツォンガを下しました。
最初の方は手を焼きましたが次第にペースをつかんでいくと
最後は完全に安心感のあるプレーになりました。
前半はツォンガがよかったです。
ツォンガのような選手が活躍すると大会は盛り上がります。
ダイナミックで豪快な面もありその一方で繊細なショットを見せたりします。
しかし今回はマレーが上でした。
マレーは相手のペースを掴んで合わせていくのが上手いです。
自分からペースを作っていくことをあまりしないので、
受身のプレーにも見えますがこれがマレーの試合作りなんだと思います。
上手くいったときはプレーがじ本当に綺麗に決まっていきます。
もちろん上手くいかないことも多くあるのですが。
ただ、マレーはナダルと戦うときはこれが違います。
出だしからジョコビッチかと見紛うほどに積極的に仕掛けていきます。
これまでナダルを苦しめたいくつかの試合は全てそうでした。
次の対戦でもそういった違った面が見られるでしょうか。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2010/07/01(木) 15:39:52|
- 2010年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:5
ベスト8でフェデラーがベルディフに敗れました。
全仏に続いてのベスト8での敗退です。
全仏ならばまだという気持ちもありましたが、
ここウィンブルドンでの敗退は意味が違います。
我々は時代が動いた瞬間を目の当たりにしたのかもしれません。
これまで同じような窮地を幾度も強靭な精神力で凌いできた
フェデラーの姿はそこにはありませんでした。
今大会も初戦で同じような苦労をしていましたが
今のフェデラーにとってベルディフは
挽回するには難しぎる相手だったようです。
第3セット以降のフェデラーは
嘘のように凡庸なプレーを繰り返すただの選手でした。
どのショットにも威力がなく、正確性を欠いており
まだ何か起こるのでは、という可能性を感じさせませんでした。
これでは勝てません。
何か途中から半分諦めてるのかなとさえ思いました。
ナダルに勝てずにもがき苦しんでいた時の
あのフェデラーですら、まだいくらか覇気があったと思います。
時代の終焉と断言するには早過ぎるかもしれません。
まだ復活の余地はあるしそう願っています。
しかし、勢力図が大きく動いたのは間違いないでしょう。
かつてあらゆる最強時代の終焉を見てきましたが
今回はその中でも一番驚きが大きいです。
もちろんこれまでのフェデラーのあまりの強さが突出していたからに他なりませんが。
まだベスト8の試合は残っています。
誰がベスト4に勝ち上がるかわかりませんが、
このフェデラーの敗退でマレーに大きなチャンスが巡ってきたといえるかもしれません
ナダルもジョコビッチもそしてツォンガも強敵ですが
コート適性やこれまでの勝ち上がりをみれば
マレーにとって最大の難関が取り払われたことは明白でしょう。
ベスト8の残り試合も刮目して観たいと思います。
通常は全試合が終わってから記事をアップするのですが
衝撃が大きかったので取り敢えず書きなぐってしまいました。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2010/07/01(木) 00:04:23|
- 2010年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:12
ウィンブルドンは4回戦が行われました。

フェデラーは先週の不安を振り払う快勝で
8年連続での準々決勝進出を決めました。
フェデラーは次にベルディフと対戦します。
ベルディフはこのところ調子が良いですね。
大きな大会でよく名前が出てきます。

ナダルも前2試合が嘘のような快勝でした。
次は、フェレールとのフルセットの接戦を制したソデルリングと対戦します。
全仏決勝の再現となるわけですがなかなか面白い対戦だと思います。
ソデルリングは全仏決勝のイメージが強いですが、
グラスコートでも勝率の高い選手です。
去年まではグラスの方がクレーよりも勝率の高い選手でした。
今年のクレーシーズンでようやくクレーが上回った形となります。

ソデルリングがフルセットの試合をしたことで
ここまで唯一の全試合ストレート勝ちとなっているのがマレーです。
最初にドローを見たときは決して恵まれたポジションとは思わなかったのですが
非常に安定していて着実に勝ち上がっています。
次はツォンガですのでこれまで以上に大変だと思います。
準々決勝で最注目のカードと言っていいかもしれません。
しかし、ここを乗り切れば、
ファン期待のオープン化後初の地元選手の決勝進出、
そしてその上というのがみえてくるかもしれないですね。
おっと、あまり期待をかけるようなことを言ってはいけません。
マレーについては期待の言葉は胸の内に秘めておくのが良いでしょう。

さて、一番の注目カードであったジョコビッチvsヒューイットは
4セットでジョコビッチの勝利でした。順当と言っていいでしょうか。
ヒューイットはここでジョコビッチと当たってしまったのが残念です。
パフォーマンスは悪くなかったと思いますので
今後またもう少しランキングを上げてロディックや
ダビデンコのような存在になってくれればと願います。
さて、ジョコビッチはヒューイットの後にロディックという
非常にタフな連戦を迎えるはずでした。
しかしここで第2週で一番のニュースが舞い込んできます。
去年のファイナリストが敗れたというだけのニュースではありません。

勝ったのは台湾の盧彦勲(Yen-Hsun Lu)。ランキング82位という
ほぼ全てのテニスファンにとってノーマークの選手でした。
ロディックとはファイナルセット「9-7」という壮絶な試合を戦いました。
去年のあの決勝を戦っているロディックをこんなスコアで倒すのだから
それだけで通常の勝利の何倍もの価値があると思います。

アジア選手のウィンブルドンベスト8は1995年の松岡修造以来とのことです。
サッカーW杯でもアジア勢の健闘がありますが、
テニスでもアジア旋風、吹き荒れてます。
4回戦を戦ったに選手の国をサッカーに照らし合わせると
スイスもセルビアもオーストラリアもアメリカもフランスも
イングランドもサッカーのほうでは皆敗退してしまいました。
準々決勝の8人に限っていうと、
残っているのはナダルのスペインとそしてアジアということになります。
日本と台湾は違うではないか、などという声はこの際無視です。
余談はさておきですが、
次がジョコビッチなので更に上というのは大変だと思います。
しかし、もしもウィンブルドン準決勝に進出したとすれば
これはオープン化後ではアジアとしては初の快挙となるわけです。
オープン化後で初と申し上げましたが、
古く1920年には、実は素晴らしい記録があるのです。

この時、日本の清水善造がチャレンジラウンド決勝にまで進出しました。
当時のウィンブルドンはチャレンジラウンド方式を採用していました。
今で言う将棋や囲碁のタイトル戦のようなもので、
ディフェンディングチャンピオンはトーナメントには参加せず、
最後にトーナメントを勝ち上がった選手とタイトルをかけて戦うというものでした。
この最後のタイトル戦はオールカマーズ・ファイナルと呼ばれていました。
清水善造はチャンピオンに挑む選手を決めるトーナメントで決勝に到達したので
今で言うベスト4にあたる快挙を成し遂げたと言っていいでしょう。
今日の記事では清水善造と松岡修造の名前が出ましたが
「造」が付く選手は強いという法則が発動しました。
皆さんもお子さんをテニス選手にしたいとお思いでしたら
ご一考されてはいかがでしょうか。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2010/06/29(火) 12:46:56|
- 2010年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
ウィンブルドンはいよいよ今日から第2週、4回戦に突入します。
第1週ではなんといってもアイズナーvsマウーの
歴史的大試合が全ての話題をさらった感があります。
最終セットのスコアは「70-68」でした。
かつてはタイブレークがありませんでしたので
昔の記録を確認すると「21-19」とか「22-20」なんてのはみかけます。
しかしパワー型テニスが極まった現在の状態で行うのとは
また少し意味が違うのではないでしょうか。
さて、タイブレークについて簡単にその歴史を振り返ってみましょう。
システム自体が考案されたのは1965年のことです。
考案者はジェイムス・ヴァン・アレン(James Van Alen)でした。
ヴァン・アレンは国際テニス殿堂(International Tennis Hall of Fame)を
設立した人物としても知られています。
ウィンブルドンでは1971年から導入されることとなりました。
きっかけとなったのは1969年のパンチョ・ゴンザレスvsチャーリー・パサレルの試合でした。
両者は「22-24 1-6 16-14 6-3 11-9」時間にして5:12という試合を戦いました。
この時ゴンザレスは41歳でした。ホントこの人はテニス史になくてはならない超人です。

時代は正にゴンザレスによってもたらされたサーブ&ボレーの全盛期でした。
ゴンザレス自身は40歳を過ぎていたもののそのサーブ威力は相変わらずで、
ゴンザレスに次ぐ世代のレーバーも更にその後のニューカムも
皆強烈なサーブ&ボレーでサーブをキープしていく展開を得意としていました。
全体としてサーブキープが多く、試合が長引くこともしばしばでした。
時間短縮は当時から一つの課題でもありました。
タイブレークが考案される10年も前に一度時間短縮の試みがなされたことがあります。
ゴンザレス全盛の1955年と1956年のことです。
全米プロトーナメントで卓球と同じ21ポイント先取のスコア形式が試みられました。
この時、決勝はいずれもゴンザレスvsセグラという黄金カードとなりました。
1955年はファイナルセット21-19というスコアにまでなりましたが時間は僅か47分でした。
さすがに時短され過ぎで、このスコア形式はすぐに廃止されました。
その後有効な時間短縮の案はないままでしたが
先述の1969年の試合で遂にタイブレークの必要性が本格的に検討されたのでした。
既に40歳を超えていたパンチョ・ゴンザレスは
タイブレーク自体を戦ったことはほとんど無いことになります。
しかしタイブレークのきっかけを作った重要人物と言っていいでしょう。
ウィンブルドンでは1971年にタイブレークが採用されましたが
今とは少し違っていて、ゲームが8-8となったときにタイブレークが採用されました。
ファイナルセットのみタイブレークなしというルールには変わりありません。
1979年になって、今と同じ6-6でタイブレークというルールに改められています。
タイブレークを考案したヴァン・アレンは1991年7月3日に亡くなりました。
ちょうどウィンブルドン開催中のことでした。
偶然にもこの年のウィンブルドンではタイブレークの存在感を強烈に知らしめる試合が行われました。

準決勝のシュティッヒvsエドバーグ戦です。
スコアは「4-6 7-6 7-6 7-6」でシュティッヒが勝利しましたが
負けたエドバーグはサービスゲームを一つも失いませんでした。
後にヴァン・アレンの訃報を耳にしたエドバーグは、
「彼がいなかったら僕とシュティッヒはまだ試合をしていたかもしれないね」
と語っています。
さて、このような話がクローズアップされるのも
もちろんアイズナーvsマウーが一番の原因なわけですが、
今年はそれだけではありません。
5セットマッチが非常に多い大会となっています。
第1週を終えた時点で少なくともオープン化以降のウィンブルドンでは
これまでで最も5セットマッチの多い大会になっているそうです。
アイズナーを2回戦で破ったデ・バッカーも
1回戦でファイナルセット「16-14」という試合を戦っていましたし、
そのデ・バッカーを3回戦で破ったマチューも
2回戦でユーズニーを相手に5セットマッチを戦っていました。
他にも4回戦まで残っているシード選手では
フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、ツォンガ、フェレール、ベルディフ、
メルツァー、ベネトー、クエリーが5セットマッチを戦っています。
1セットも落としていない選手はマレーとソデルリングだけです。

アイズナーの試合が行われる前に話題をさらっていたのはフェデラーの1回戦での苦戦ですが
その後は次第に調子を取り戻してきているようには見えます。
次は全仏でジョコビッチから大逆転勝利を上げたメルツァーが相手です。
今大会もF・ロペスを破っての勝ち上がりですので手強い相手には違いありません。
ただフェデラーとしては比較的与しやすいドローになっているのではないかと思います。

次にナダルですが、2戦連続5セットマッチはフェデラー以上に大変なのかなという印象を与えます。
元々ナダルはウィンブルドンでは苦戦を続けて勝ち上がってきていましたので
この程度ではフェデラーの1回戦ほどのニュースにはならないでしょう。
しかし、何度も同じことを言ってしまいますが、ナダルというのは不思議な選手です
フェデラーが苦戦する時というのは、どうもフェデラーの調子が上がらないな、
という感じであることがほとんどなんですが、
ナダルの場合は、もうコテンパンやられているような印象を受けるんですね。
見ていて、これ大丈夫なのかいな、と思わせるのです。
さすがに何度もこういう試合を観ているので、
ああ今の時間帯はナダルの逆ゾーンなんだな、とわかるのですが
心臓の悪いナダルファンにとってはハラハラの連続でしょう。
ただ、今回は試合中にトレーナーを何度も呼んで、
しかも複数箇所の治療を受けていたので、怪我の具合は心配です。
ジョコビッチvsヒューイットは4回戦で最も注目のカードでしょう。
前哨戦でフェデラーを倒したヒューイットは調子が良いとみていいと思います。
また元No.1との対戦ということで2年前のサフィン戦が頭をよぎります。
その時、ジョコビッチは2回戦でサフィンに敗れてしまいました。
そしてサフィンはそのままベスト4にまで進出しています。
今大会のジョコビッチはドロー運にやられた感があります。
ヒューイットに勝っても次はロディックがいます。

トップ勢がことごとく苦戦している中でマレーが淡々と勝ち上がっています。
相変わらず優勝候補の一角ではありますが他に話題が行っている時の方が
マレーは良い成績を残す傾向にありますので、今がチャンスかも知れません。
次の相手はクエリーです。ビッグサーバーです。
通常であれば力の差がある格下の相手と見ることもできるのですが
ここ最近の(特に今大会の)ビッグサーバーの復権を見ると
あながち楽観視もしていられないのかもしれません。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2010/06/28(月) 17:20:32|
- 2010年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3
さあ、ウィンブルドンが開幕しました。
今年の注目はなんと言ってもフェデラーがどうなるか、
ということになるのではないでしょうか。
フェデラーは初日のセンターコートに現れました。
いつものあのホワイトジャケットを身につけての登場です。
しかし内容の方はと言えば、もう驚くほどの大苦戦でした。
立ち上がりから2セットダウンを喫し、第4セットでも
サービスをキープされれば負けるというところまで追い詰められました。
最終セットこそ6-0でしたが全体としてはひやひやものだったでしょう。
ただ正直、初戦としてはそこまでまずい内容だとは思いませんでした。
STATSを見てもそう悪くはありません。少しミスが多かったですが。
プレー自体の質が落ちているというよりも
いつものフェデラーならこれで要所を抑えて問題がないだろうという部分で、
なにか上手くいかない雰囲気というものがが漂ってしまっています。
何か全体の流れがフェデラーのものではなくなってきているのでしょうか。
フェデラーはこれまでグランドスラムで
2セットダウンからの逆転勝ちというのを4回やっています。
今回で5回目です。ウィンブルドンでは初めてです。
一応これで全グランドスラムで経験したことになります。
2000年 全米1回戦 ウェッセルス(最終セット相手のリタイア)
2001年 全仏2回戦 サルグシアン
2009年 全豪4回戦 ベルディフ
2009年 全仏4回戦 ハース
傾向としては昔と最近ですね。
この間の全盛時には2セットダウンにもなること自体
ほとんどなかったのですから当然でしょうか。
因みに2001年全仏で戦っているアルメニアのサルグシアンですが
この後のウィンブルドンでは3回戦でサンプラスと対戦して敗れています。
サンプラスはその直後にフェデラーと対戦しますので
フェデラーの名前が世界に知れ渡る直前の話のことでした。
さて、トップハーフのその他の主な選手ですが
第3シードのジョコビッチと第7シードのダビデンコがいずれも
ファイナルセットの接戦で2回戦に進出しました。
特にダビデンコはファイナル9-7という試合でした。
また、ロディックはストレート、ヒューイットは4セットでの勝利でした。
シードダウンはチリッチ、リュビチッチ、バブリンカ、ロブレドの4人です。
バブリンカ、ロブレドはまあクレーの人なんで仕方ないといえば仕方ないでしょうか。
チリッチは数少ない期待の若手なんですけどストレートでの敗というのが少々残念です。
リュビチッチは・・・グランドスラムですから仕方ないんですかねえ。
特にウィンブルドンは苦手です。10回目の出場でしたが6回目の初戦敗退となりました。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2010/06/22(火) 11:34:16|
- 2010年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:15
いつものように全仏後の最初の週は
クイーンズとハレの2大会が行われました。
グラスコートシーズンは短いので
ウィンブルドン前の調整大会は実質今週と来週しかありません。
しかも多くのトップの選手は来週は休みたいでしょうから大会は限られています。
多くの選手にとって全仏後の最初の週は非常に重要になるのです。
2つの大会を比べるとハレの方が賞金が僅かに上ですが
ドロー数はクイーンズの方が上です(56と32)。
ハレはフェデラーが毎年でるので有名になりましたが
元々ウィンブルドン前哨戦といえばクイーンズでしたので
まずはこちらから行きましょうか。
毎度のことながら小さな大会の割には多くの選手が登場しました。
ナダル、ジョコビッチ、マレー、ロディック等々。
しかしそれらの選手がベスト4に残ることはありませんでした。
ナダルは3回戦のイストミン戦でフルセットの激戦を行いました。
勝ちはしましたが途中でトレーナーを呼ぶなど足の状態に不安がありそうだったので
次の試合は大事をとって無理をしないだろうなと思いました。
結果はそのとおりで、F・ロペス戦ではストレートでの敗退となりました。
もちろんロペスのプレーも良かったし、グラスでの対ナダル対策の
最も有効なプレーをしてみせたのではなかったかとも思いました。
そうした一連の試合を踏まえればナダルとしてはぼちぼち
悪くない調整ができたのではないかと思います。
相変わらずケガの不安はつきまとっていますが。
より不安のおおきいのはその他の選手です。
ジョコビッチも最近いまいちですが、
グラスシーズンといえばマレー、ロディックへの期待がおおきいのは当然で
しかも全仏で好成績を収めたわけではありませんでしたから
ここではある程度結果も必要だったでしょう。
不安を抱えたままウィンブルドン本戦に向かうことになります。
クイーンズのベスト4はフィッシュvsロペス、クエリーvsシュトラーでした。
これはこれでマニアを喜ばせる顔ぶれでしたね。
優勝はクエリーでした。今期3勝目で、ナダルの4勝に次ぐ単独2位の記録です。
クエリーの成績は立派ですが、
これは他のトップ勢がそこまで勝ってないということにもなります。
更に元気のある若手の台頭も目立つわけではありません。
数年前と比べると選手の顔ぶれは変わらないのに
抜きん出た選手がいないという、状況だけが変わっているという印象です。
さて、ハレの方に移りましょう。
こちらは決勝こそが一番の話題と言っていいでしょう。
ヒューイットがフェデラーを下し優勝を果たしました。
ヒューイットはフェデラー戦の連敗を実に15で止めたことになります。
長かったですね。2004年の全豪以来、
フェデラーが1位を獲得するとほぼ同時に勝ち続けていました。
直近の対戦は今年の全豪でした。
仮にこのままフェデラー時代が終焉を迎えることになるならば、
ヒューイットに勝ち続けることがフェデラー時代の
継続条件であったのだろうかとすら思えるほどです。
ヒューイットはそれまでの相性の良いクイーンズではなく、
今年初めてハレに出場しました。
フェデラーもこれまでクイーンズではなくハレに出続けてきました。
あるいはここにひとつの見識があるのかもしれません。
クイーンズはドローも大きいし、しかもイギリス国内ということで
簡単に考えれば前哨戦に最も相応しい大会のように思えます。
しかし多くの強い選手がこぞって出場するのも事実です。
ドローが大きい=試合数をこなせるという安易な考えを持っていると
逆に早いラウンドで姿を消してしまうこともありうるわけです。
選手によってはある程度強い選手とも当たりたいという思いもあるでしょうが、
確実に試合数をこなして調子を整えたいという考えを優先するならば
ハレのほうが良いということになるわけです。
これまでのフェデラーや今年のヒューイットが
明確にそう考えたかどうかはわかりませんが
少なくとも今年の両大会のトップシード勢をみれば
その明暗は明らかだと言えます。
もしかしたらヒューイットもこれまでクイーンズではなくハレに出ていたら
恐らく何度もフェデラーと当たったでしょうから
一度くらいは勝っていたかもしれないですね。
今回のようにことさらフェデラー時代の終焉は如何に!
などといった大袈裟な話になっていなかったかもしれません。
さて、ここまで両者の対戦の展開も動いているのですから
サイト本体で工事中のまま放っておいてしまっている
対決!フェデラーvsヒューイットもいい加減アップしなくてはいけないですね。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2010/06/14(月) 10:17:47|
- 2010年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:8
さて、ようやく体の方も復活してまいりました。
今後は記事もぼちぼち書けると思います。
もう遅いニュースではありますが全仏はナダルの優勝で幕を閉じました。
ほぼ語られていることになるのでざっと列挙で済ませます。
・ナダルはランキング1位へ返り咲き
・これによりフェデラーは惜しくもサンプラスの在位記録を抜けず
・全試合ストレートでの優勝はナダル自身二度目
・これはナスターゼ、ボルグ×2に次ぐオープン化後5度目の記録
・ナダルはATPファイナルへの切符を一番乗りで手に入れる
・クレーの主要大会、マスターズ1000、GS完全制覇はもちろん史上初
等々
荒れた大会でしたが結果だけを見れば本命の優勝だったことになります。
決勝で敗退したソデルリングはヒーローになりそこねた感があります。
ディフェンディングチャンピオンを2年連続で撃破するというのは快挙でしたが
いずれも決勝で敗退してしまうことで同時に
大きな引き立て役になってしまったとも言えるでしょう。
私は前回の記事でこのソデルリングの活躍を、
1976年のパナッタ、1989年のチャン、1997年のクエルテンなどになぞらえましたが、
彼らとの決定的な違いはやはり優勝できなかったことに尽きると思います。
もちろん2年連続という意味では彼ら以上のインパクトではあるのですが。
全仏で2度決勝に進出し優勝できなかったコレチャの姿が頭をよぎりました。
ただしコレチャはクレー巧者であり、優勝候補にも上げられる選手でしたので
その意味ではソデルリングとはイメージが違うかもしれません。
むしろ90年-91年に決勝に進出しいずれも準優勝に終わった
アガシの方がイメージに近いでしょうか。
もっともアガシはその後8年かけてリベンジを果たしたわけですが。
ソデルリングの今後はどうでしょうか。
さて、決勝の試合を見て、やはりナダルは脚力なのだなあと思いました。
ソデルリングの準決勝までの試合を見る限り、
その痛打は今年もナダルに通用するかもしれないと感じさせました。
現に第1セットは互角に打ち合っていたように思います。
むしろ打ち勝つ場面も多かったのではないでしょうか。
去年はそれにナダルがあと一歩で追いつけず、
ソデルリングのショットがますます冴えていくのがわかる展開でした。
しかし今年のナダルはそのあと一歩が出ました。
結局、決めきれないソデルリングは詰めの一撃でミスが目立つようになり
最後は完全にナダルの流れになりました。
スコアは「6-4 6-2 6-4」でしたが
最初の6-4と最後の6-4では内容が全然違ったと思います。
さて、ナダルとフェデラーの今後です。
皆さんも予測している通り、しばらくはナダルのNo.1が続くでしょう。
フェデラーにとっては苦しい時期が続きます。
次のウィンブルドンでフェデラーが優勝、ナダルが1回戦敗退であっても
ポイントはナダルの方が伸ばしてしまうのです。
ランキングポイントは現在両者ともに8000pt強ですが
ナダルは今回のクレーマスターズ1000×3と全仏の優勝で
実に5000ptを獲得したことになります。
約1年、このポイントが失われることはありません。
一方フェデラーも今回の全仏はベスト8でしたが、
残る3つのGS(優勝×2と準優勝)で5200ptを保持しています。
両者が如何にクレーの人、そしてGSの人であるかがわかるデータだと思います。
また、いつものように
サイト本体の更新時期に来ましたが、今回は申し訳ありません。
ウィンブルドン後にまとめて更新とさせていただきます。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2010/06/08(火) 18:12:35|
- 2010年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:13
皆様、お久しぶりです。
テニス界のこの大事なときに一切のブログの更新もせずに何事かと
お思いになられたのではないでしょうか。大変申し訳ありませんでした。
私事なのですが家族がバタバタと体調不良でやられて
その看病に手をとられておりまして
ようやく一段落したかと思ったら今度は私がやられてしまいまして
結局ずっと寝込んでいるという大変なる失態を犯しておりました。
まだ完治ではないのですがようやく書き込めるくらいになったという所です。
ここ一週間はそんなわけで試合結果すらわからない状態でした。
で、復帰してみてびっくり。テニス界には激震が走っていたようですね。

フェデラーが星を落とすとすればそれは全仏だろうというのは
ほぼ全員の一致した意見だったとは思います。
今年はクレーシーズンの出だしから調子が良くありませんでした。
しかし、まさか今年で連続ベスト4が途切れることになろうとは。
歴史が動いた瞬間かもしれません。
しかし、しかしです。在り来たりのフォローにはなりますが
一番苦手なGSでベスト8まで勝ち上がっているというのもまた事実です。
オープン化以降、年間全てのGSでベスト4を達成しているのは
他にレーバー、レンドル、ナダルだけですから、
今までがどれだけ超人的だったかということの裏返しでもあります。
まだ過去のありとあらゆるチャンピオンと同程度の選手であることに変わりはないと言えます。
そうであって欲しいというのが正直なところでしょうか。
もちろん楽観ばかりしてられません。気になる点もあります。
今のナダルの強さがクレーに限定されているものであるように、
フェデラーの強さがGSに限定されているものであったという点です。
思えばセンセーショナルなあの2004年も全仏は3回戦敗退でした。
今年も残る2つのGS次第では評価がどうなるかはまだまだわかりません。
しかし、2004年当時と今年の敗戦では全然意味合いが違うのも事実です。
今回の敗戦がフェデラーのGSキャリアの失速を始めた瞬間であるとするならば
それはやはり歴史が動いた瞬間だといえると思うのです。

勝ったソデルリングはまたもとんでもないことをやらかしました。
1976年のパナッタ、1989年のチャン、1997年のクエルテンなどの
全仏史上のビッグサプライズに匹敵する勝利だと思いますが、
ソデルリングはそれをなんと2年連続でそれをやってしまったのです。
ディフェンディングチャンピオンを2年連続で破った例というのはいくらでもあるでしょう。
しかし、なにせナダルとフェデラーですから過去のどのような例を上げても比較になりません。
しかも今回の勝利はまた別の意味も持ちます。
ソデルリングにとってフェデラーにはこれまで一度も勝てなかった相手でした。
ここ数年、フェデラーにはこういう敗退が多いです。
マスターズファイナルでもゴンザレスやダビデンコに勝ち星を献上しました。
それまで10戦以上無敗だった選手に大きな大会で金星を与えてしまうのは、
いかにもらしくないところです。
トップハーフでベスト4に残ったソデルリングとベルディフは、
大型のパワーヒッターのイメージが有りますが、
実はどちらもクレーよりもグラスの方が勝率が高い選手です。
こういう選手が全仏で勝ち上がってくるという点で
もはやこれまでのコート適性という概念を頭から変えていかないといけないのかもしれませんね。

さて、次に気になるのがナダルの今後です。
>2R様
コメント欄での詳細な考察をありがとうございます。
こちらで2R様がお書きになられている通り、ナダルNo.1再浮上の可能性が出てきました。
ポイントの苦しい時期を耐えて耐えて来たナダルについに光明が見えたといった格好です。
仮にここでNo.1になれなくてもナダルにはまだウィンブルドンがあります。
去年、ナダルは不参加でした、すなわち今年は1回戦敗退ですらポイントがプラスになるという
一転してポイント計算上有利な時期に入っていくことになるのです。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2010/06/02(水) 17:15:10|
- 2010年4月~6月
-
| トラックバック:1
-
| コメント:12

1年ぶりのナダルvsフェデラー対決となった今大会決勝は
「6-4 7-6」というスコアでナダルが勝利しました。
ナダルは本日の発表でランキング2位となります。
フェデラーとの差はまだ3000ありますので
次の全仏ですぐに1位奪回を視野に入れるというわけにはいきませんが
ここから去年のポイントの少ない時期に入っていきますので
計算上はどんどん上を狙っていけることになります。
今回の勝利でナダルはクレーマスターズ1000、3シリーズの完全制覇を達成しました。
もちろん史上初の快挙です。
今年は全豪からマドリッドまで、去年貯めたポイントを如何に守るかが課題でした。
一時は4位にまで落ちましたが、正念場の時期を終えて2位でフィニッシュというのは立派です。
ただ、ここ1年を考えればクレー以外では優勝出来ない選手にもなっているのも事実です。
ポイント計算の上では有利な時期に入りますが、同時に正念場を迎えることにもなるでしょう。
ナダルは今回の優勝で、マスターズ1000大会の18タイトル目獲得という新記録を打ち立てました。
アガシの17、フェデラーの16を抑えての記録です。
マスターズシリーズが制度上整備されたのが1991年ですのでそれ以前の記録は含まれません。
しかし、91年以前は同時期開催の大会が豊富で、主力選手は大会出場の選択が可能でした。
今のように大きな大会であればトップ選手の出場が義務付けられるということはなかったので
どの大会も今ほどレベルが高くなかったといえるでしょう。
91年以降記録に限ってもナダルの快挙が十分すぎるほど評価できるのは間違いありません。
また、ナダルはクレー大会28タイトル目の獲得となり、
ナスターゼ、レンドルと並びATP5位タイとなりました。
1位はATPのサイトではビラスの45大会となっています。
しかしこれはいつものように「ATPの記録」ということになります。
ESPNの記事や海外のいくつかのサイト、そして私の独自集計でもビラスのクレータイトルは「46」です。
またナスターゼは「31」となっています。
ビラスの記録については単純にATPの記述間違いとも考えられますが
ナスターゼの場合はそうではないでしょう。
この辺の、毎度おなじみ複雑な正式記録の件はさておき、
改めて思いますが、我々はテニス史上の最高に楽しい時代に居合わせていることになります。
フェデラーがグランドスラムとハード、グラスコートで前人未到の記録を打ち立てれば
ナダルがマスターズシリーズとクレーコートで同じく記録を打ち立てているのです。
史上最強論というのは常にあって永遠に結論の出ないものですが
一つの見解として、史上最強の2人がたった今現役でプレーしている、
というとらえ方も十二分にできるでしょう。
さて、フェデラーの方にも少し触れておきます。
決勝はスコア的にはストレートでの敗退したが内容は素晴らしかったと思います。
フェデラーは一時のナダルに勝てない!と思い込んでいたであろう時期の
迷いのようなものはプレーからは感じられませんでした。
相変わらずナダルのショットはバックハンドを狙ってきますが
どうしようもない、という感じでただ返していた時とは違い、
渾身の強打で応戦したり、スライスでチェンジオブペースを使ったりと
対応も持ち前の多彩さを見せて互角に打ち合っていました。
一時期はスライスが利かないとなったら全く使わなかったりもしましたが
今はナダル相手なのだからそういうもんだ、と吹っ切れた感じで
ナダルに有効なスライスを使おうというわけではなく、
いろんなスライスを使って仕掛け返してやろうといった雰囲気が伝わります。
対ナダル戦術というよりも自分の持ち味を前面に押し出してきたわけですね。
結果としてバックハンドのウィナーが増えたと思います。
この二人の戦いは、ナダルが打ってフェデラーがミスする、ではなくで
やはり両者が縦横無尽にコートを駆けまわるという方が断然面白いです。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2010/05/17(月) 09:46:54|
- 2010年4月~6月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
次のページ