1年の締めくくりとなるATPファイナル決勝は、
その大会名にふさわしくナダルvsフェデラーという
テニス史上最高の頂上決戦となりました。
試合の方は「6-3 3-6 6-1」でフェデラーが勝利しました。
フェデラーの動きには躍動感がありました。
チャンスで迷わず深い球を打っていく攻撃センスは流石ですね。
乗っているときのフェデラーの特徴といえます。
左右だけでなく前後も含めたポジショニングがとても良かったと思います。
今回フェデラーは回転のかかった深い球を多く使いました。
クレーでトップスピンを多用する選手がよく使うショットですが
意外なことに今回のナダルには効果的だったと思います。
(もっとも、試合は日本時間で午前3時~4時ですから、もう途中うつらうつらで、
試合の一部をちゃんと観ていません。本日改めてきちんと観たいと思います)
振り返ってみれば今大会はフェデラーの大会だったことになります。
準決勝まで全てストレート勝利で
決勝もセットは取られましたがほぼ快勝といえる内容でした。
そして今回でATPファイナルの優勝は5回目となりました。
遂にレンドル、サンプラスに並び史上最高になったのです。
一体フェデラーという人はどこまで歴史に名を残せば満足するのでしょうか。
これで両者の対戦成績はナダルの14勝8敗となりました。
ハードコートに限定すればフェデラーの4勝3敗ですが
インドアのみの成績だとフェデラーの3勝0敗です。
3勝はいずれもATPファイナルということになります。
一方で、大会を盛り上げたことについてはナダルも負けていません。
特に準決勝のマレー戦は驚きの試合でした。
この試合はナダルが勝ったというより
マレーが勝たなかった試合と言えるのではないでしょうか。
試合は全体を通じてマレーが優位に進めていました。
通常はナダルが優勢になるはずの長いラリーでも
マレーは持ち前の粘りと切り返しでポイントを取っていました。
サーブも良くネットも良いので、
ナダルは追い詰められていつもよりもミスを連発していました。
どう見てもマレーの勝ちパターンだったのですが
終わってみれば何故かナダルが勝っていました。
唯一試合を分けるポイントとして上げられるのは
タイブレークでマレーのサーブが入らなかったことでしょう。
しかしそれ以外にはマレーの敗因が思い浮かびません。
ナダルの脅威の精神力が勝利を引き寄せたのでしょうか。
マレーがあの試合をやって勝てなかったのなら、もう仕方ないと思うか、
あるいはとんでもないことと思うか、感じ方は人によって違うと思います。
それほど評価の難しい、そして信じられないほどの凄い試合でした。
今大会はロディック、マレー、フェデラーがそれぞれ違うナダル対策を見せました。
ナダルも苦手と思われたインドアへの適正をよく見せて頑張ったと思います。
この辺も含めて見所の多く詰まった大会だったと言えます。
ナダルはフェデラーのように全てが完璧な選手ではありません。
突出した武器を最大限に活かして天下をとった選手です。
こういった選手の場合は色々と派手な対策が練られるのでそれがまた楽しいです。
例えば、フェデラー対策となると、まあないではないのでしょうが
漠然と「良いプレーをする」というしかありません。
しかしナダルの場合はあれだこれだとみんなが一生懸命対策を考えます。
またナダルもそれに合わせて対応を研究していくので、
各選手のナダル対策がナダル自身のレベルアップに繋がったと見ていいと思います。
今大会のトップ2の戦いを見ると
まだまだ来年も頂上決戦を演出して欲しいとそう思いました。
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- 2010/11/29(月) 11:43:25|
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ラウンドロビンが終了し
ベスト4はナダルvsマレー、フェデラーvsジョコビッチとなりました。
どうなることかと思われたRR最終戦ですが
試合の方はいずれも危なげもなく、結構あっさりと決まりました。
特に注目だったのはジョコビッチvsロディックですが、
ジョコビッチの快勝ぶりを見ると、
目の不調はナダル戦だけだったと言っていいのでしょうか。
こうなると準決勝は俄然注目されます。
ジョコビッチはナダル戦の鬱憤をフェデラーにぶつけてくるかもしれません。
今回マレーは第5シードですが、
今大会後にソデルリングを抜くことが決定していますので
今回のベスト4は年度末上位4人による顔合わせということになります。
過去に何度かこういうことはありましたが
いわゆる名実ともに4強によるベスト4といえば
80年代前半の大会を思い出します。
特に1983年-1984年の2年間です。
この当時、上位4人はマッケンロー、レンドル、コナーズ、ビランデルでした。
ランキングだけではなくいわゆる4強時代を築いていた時代でした。
グランドスラムも83年全仏を除き全てこの4人が取っていました。
大会はどちらの年も4人がベスト4に残り、2年とも全く同じ組み合わせで
まず準決勝でマッケンローがビランデルを、レンドルがコナーズを下し
そして決勝でマッケンローがレンドルを下して2連覇を果たしました。
上位陣の安置感が際立つ時代だったと思います。
さて、話を現在に戻しますが、
80年代前半に劣らぬ歴史上屈指の4強時代といえるのですから
今回のような安定したベスト4の組み合わせというのを多く見たいわけです。
しかし意外にもこの4人によるベスト4というのは多くありません。
その意味でも今大会のベスト4は、現在のテニスを
充分に楽しむために用意された貴重な組み合わせと言えるのではないでしょうか。
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- 2010/11/27(土) 08:47:20|
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さて、熾烈な争いが予想されているグループAですが
第2戦が行われ、少し状況が動きました。
ナダルがジョコビッチに「7-5 6-2」で勝利、
ベルディフがロディックに「7-6 6-3」で勝利しました。
かなり有力なのではないかと思われていたロディックが2連敗です。
まさかの!とまでは言えないところが今大会のレベルの高さではありますが
それでも意外な苦境に立たされたことになります。
ベルディフは今年後半は不調でしかもインドア勝率が高くないですから
予想外の健闘だったと言えるでしょう。しかもストレートでの勝利でした。
ベルディフはグラスコート勝率は高いですし長身の割には低めも巧くこなします。
ネットにも出ていきますから決してインドアで勝てない選手ではないんですね。
今までのインドアの結果は確かに良くないですが、
実際には誰とでも戦える選手であることは間違いなさそうです。
これで消化試合ではなくなったナダル戦も俄然面白くなってきました。
グループAのもう一つの試合は
大会ラウンドロビン最高の頂上決戦ともいえるナダルvsジョコビッチでした。
この2人の打ち合いは観ててとても楽しいです。
今回はナダルが思ったほど後ろに下がらずに打ってました。
去年のこの大会でも両者は戦ってますがその時のナダルは随分後ろでした。
これはロディック戦でも感じたことだったのですが、スタイルを変えたのか、
あるいはナダルのコンディションがいいということかもしれません。
第1セットは競りました。両者の対戦ではよくあることです。
ここでジョコビッチが取り切れれば試合全体が荒れてくるのですが、
大事なところで見事にナダルにやられてしまいました。
そして第1セットを取れなかったジョコビッチが
第2セットで集中を切らすのもまたよくあることです。
こうなるともうナダルペースとなります。
ジョコビッチはこれまでナダルにストレート以外で勝ったことがありません。
つまり第1セットを取れなければすなわち負けなのです。
正にいつもの両者の対戦がそのまま形になった試合でした。
2戦目までが終わり、両グループとも全員にベスト4の可能性が残されています。
中では上位2シードがそれぞれ連勝しています。さすがです。
しかし開幕前は2人が2連勝するという保証はありませんでした。
蓋を開けてみれば両者が好調だったということになるわけです。
ラウンドロビンの最終戦はどの試合も注目ですが
やはり一番はカード的にもジョコビッチvsロディックとなるのでしょう。
4試合のうちこの試合のチケットがいち早くSold Outになっています。
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- 2010/11/25(木) 10:38:22|
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さて、ATPファイナルはグループAの初戦と
グループBの2戦目までが終了しています。
全部で6試合です。
本当は1試合ごとにレビューしたいくらいなのですが、
今回はいくつかピックアップすることにします。
まず2試合が消化されているグループBから行きましょう。
ここはフェデラーの組です。
力が落ちたの何のといわれても、
相変わらずどの大会でも優勝候補に挙げられるフェデラーですが
ここまで2連勝、しかもいずれもストレートという好調ぶりを見せています。
特に第2戦はマレーでしたが、難敵相手とは思えぬ快勝でした。
一時フェデラーはマレー戦4連敗を喫し苦手になりかけていた感がありました。
個人的には、フェデラーの不調がマレーの連勝を手助けした結果で、
ナダルのような苦手意識とは違うと思っていたのですが
それでも今年も2連敗中でしたしやはりマレー戦は分が悪いというのはありました。
しかし今回の試合は正に強い時のフェデラーでした。
守備から攻撃への切り替えの早さや、
いざ攻撃に移ったときのショットの鋭さなど唸らせるものがありました。
マレーは初戦のソデルリング戦を見る限りでは
中々良いプレーをしているように思いました。
守備時のショットの選択がうまく、強打で打ち込んでくるソデルリングを交わすには
最適と思えるプレーで勝利を収めていました。
さすがはインドアマスターだ、とフェデラー戦も熱戦を期待したのですが
フェデラーが更に上を行ったことになるでしょう。
またマレー自身もフェデラー戦ではショットの安定性にかけるところがありました。
マレーとソデルリングは4位争いをしています。
ポイント差は僅かなので、今大会の結果が全てといえます。
両者は今のところ1勝1敗で並んでいます。
第3戦はマレーがフェレール、ソデルリングがフェデラーです。
直接対決も制しているしマレーがやや有利かなと思いますがまだまだわかりません。
さて、続いてグループAに行きます。
ナダルの組ですね。
初戦が行われ、ジョコビッチとナダルが勝っています。
今のところ大会ベストマッチはナダルvsロディックでしょう。
スコアは「3-6 7-6 6-4」とかなりの激戦でした。
ロディックが勝ってもおかしくない試合だったと思います。
第2セットはタイブレークでナダルが取りましたが
ゲームカウントでもタイブレークでもロディックがリードする場面があったので
もしここで取れていればと非常に惜しく思わせる展開でした。
やはりストレートで決めきれなかったのが敗因でしょう。
最後は我々のよく知るナダルのあの粘りにやられてしまいました。
しかし、この試合のロディックのプレーは私としてはとても印象的でした。
通常はナダルとの長いラリーを避けるため、できるだけ早く勝負に出たくなります。
しかし今回のロディックは厳しいショットをほとんど使いませんでした。
適度にボールを散らしてはいたものの、コートの中央付近にボールを集め、
まるでナダルのラリーに付き合うかのようなプレーをしていました。
自分から打ち込まない代わりにナダルにも決定打を打たせないようにしていたのでしょう。
確かにそれでも長いラリーになればナダルのほうが多くポイントをとっていましたが
フェデラーやジョコビッチがはまってしまうようなナダル地獄には陥らず
ロディックの方も比較的ポイントを取れていました。
これは新しいナダル攻略法と言えますね。
ただしロディック以外の誰でも真似できるプレーではありません。
持ち前のオールラウンドなプレースタイルがあるからこそ活きたのだと言えます。
また、ロディックは上から叩き込む、いわゆる今風の直線的な強打は持っていません。
これがあると一撃でナダルからポイントが取れるのでどうしても頼ってしまいがちになるのですが
こうしたギャンブル的なショットが選択肢に入ってなかったのも良かったのではないでしょうか。
ただ第3セットのみは「6-4」というスコアではありましたが完全にナダルのセットでした。
ロディックはそれまでよりも少し攻撃的に行って、そして跳ね返されたのです。
象徴的なシーンがあります。ナダルのセカンドサーブで
ロディックがフォアに回りこんでライン際逆クロスに強打を打ったショットです。
結果はリターンエースになりましたが、最初の2セットでは使わなかったショットです。
それまでもフォアに回りこむシーンはありましたが、全てコート中央への強打でした。
第3セットで初めて出したギャンブル的なショットだったのですが
たまたま1ポイントは取れたもののこういうショットが多くなってしまうと、試合はもうナダルのペースです。
最初の評に戻りますが、やはり第2セットで決着させられなかったのがロディックの敗因だったといことになるでしょう。
さて、グループAは次にナダルvsジョコビッチが行われます。
連日決勝レベルの好カードが組まれるのがこの大会の魅力です。
ロディックも負けはしましたがフルセットでありましたし
ベルディフ、ジョコビッチには相性が良いのでまだわかりません。
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- 2010/11/24(水) 12:57:56|
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さて、いよいよ今年最後の通常トーナメントが終了しました。
カンレダーの残りはATPファイナルとデビスカップだけとなります。
何日か前の記事でパリは大会規模の割には地味な印象を受けると書きましたが
今回もそうだったのかもしれません。
結局ATPファイナルの前哨戦としての機能はあまり果たさずに終わった形となりました。
優勝はソデルリング、準優勝はモンフィスでした。
ソデルリングの優勝は力から言えばある程度順当なのですが
まさかフェデラー、ジョコビッチ、マレーと戦わずに済むことになるとは。
ただ、数少ないATPファイナル出場者同士の対戦となったロディック戦も制していますし
ソデルリングとしては気持よくファイナルに挑むことができるのではないかと思います。
ランキングでマレーを抜きましたし、組み合わせも有利になる可能性があります。
マレーが5位に落ちたことで、ファイナルの組み合わせには注目されます。
フェデラー、ジョコビッチ、マレーが同じ組に、なんてこともありうるわけです。
さて、今大会一番元気だったのはフェデラーとマレーを倒したモンフィスではないでしょうか。
モンフィスは2年連続の準優勝となりました。
その前の年はツォンガが優勝してますから、
地元フランス勢の復興という意味では重要な大会となっているのかもしれません。
フランス選手は結構クレーに弱く、全仏での活躍は期待薄です。
その意味で2番目の大会であるここパリでの活躍は重要といえるでしょう。
地元選手の活躍のため、そしてコートメンテナンスの利便性のためということで
全仏をインドアにしてしまうという突飛な案も何年か前にありました。
しかしそれは歴史が許さないでしょう。
一応ですが似たようなケースがあります。
オープン化前のプロトーナメント(フレンチプロ)で
60年代前半までクレーだったのがインドアに変更になりました。
当時は全仏よりもフレンチプロのほうが格上の大会でしたので
実質世界最高のクレー大会がインドアに変更になったわけです。
この大会はコート種別に関係なくローズウォールの大会でした。
レーバーを4年連続で決勝で倒しています。
最初の年がクレーで残りの3年はインドアでした。
インドアになったことでレーバー有利になるのではと考えられましたが
ローズウォールが大会との相性を見せつけての連覇となりました。
因みにローズウォールはその前の3年も優勝していたので
実にフレンチプロ7連覇というとんでもない記録を打ち立てたのです。
内訳はクレー4年、インドア3年でした。
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- 2010/11/16(火) 10:58:40|
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昨日の記事で、ATPファイナルの決定組vs出場を狙う組かになるか!?
というような煽り記事を書きましたが、実際はそうはなりませんでした。
ベスト8の顔ぶれは以下のとおりです。
・フェデラーvsメルツァー
・マレーvsモンフィス
・ロディックvsソデルリング
・ダビデンコvsロドラ
そしてなんともあっさりとATPファイナルの出場者8人も決まってしまいました。
メルツァーに僅かにのぞみが残ってましたが、
ロディックが勝ったことで出場権はなくなりました。
またベルディフとフェレールが揃って試合には負けたのですが
ベルダスコも負けたことで出場権を獲得しています。
その他上位組ではジョコビッチが敗れています。
これによりマレーとの3位争いがまた見えなくなってきました。
最近は両者とも安定感に欠けていますね。
ATPファイナル組にピリっとしない選手が多いのは気がかりです。
こんな調子で本戦のほうは大丈夫かと少々心配にはなります。
ATPファイナルにばかり気を取られてもいけませんね。
本来は今年の最終トーナメントである
パリマスターズの話題で盛り上がらなければならないところです。
ただ、出場権争いに焦点を合わせようと思っていたため、
なんだか肩透かしを食らわされた形になってしまいました。
それでもフェデラーは残っておりますし、
ロディックvsソデルリングという注目の試合もあります。
また、ジョコビッチを下したロドラの金星も賞賛されるべきで
大会には見所が充分に残っています。
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- 2010/11/12(金) 16:40:02|
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2回戦が終わりベスト16が出揃っています。
上位陣はほぼ順当に勝っています。
ATPファイナル出場権争いの中では、
僅かに可能性を残していたユーズニーが背中の怪我で棄権したため脱落しました。
残る椅子は3つで、5人に可能性が残されています。
ポイント順に並べると
ベルディフ、フェレール、ロディック、ベルダスコ、メルツァーとなります。
ベルダスコはベスト4以上、メルツァーは優勝が条件となっています。
次はフェレールvsメルツァーですからここでまず一つ目の潰し合いが行われます。
もう一つの注目試合としてはベルディフvsダビデンコが上げられます。
パリマスターズ成績の良い優勝経験者同士の対戦です。
3回戦が終わったあたりからポイント計算が忙しくなりそうですね。
こうした中で、勝ち上がり方によっては
ベスト8の4試合は全て「出場を決めた組」vs「出場を狙う組」という顔合わせになります。
組み合わせとしては
・フェデラーvsフェレールorメルツァー
・マレーvsベルダスコ
・ソデルリングvsロディック
・ジョコビッチvsベルディフ
です。
これはそのままATPファイナルの前哨戦ということにもなるでしょう。
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- 2010/11/11(木) 10:15:07|
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今年最後の通常トーナメントであるマスターズ1000パリが開幕しています。
数少ないインドアのマスターズ1000です。
昨日の記事からの派生になりますが
私は昔からインドアの試合には魅了されてきました。
レジェンドで言えばマッケンロー、レンドル、ベッカー、サンプラス等が
特に素晴らしい試合を見せてくれています。
グランドスラムにはインドア大会がないので
一般にインドアというのはスルーされがちです。
しかしインドアにはテニスの魅力がふんだんに詰まっています。
それ故、ATPファイナルをグランドスラムと同列に置いていいとすら私は思っています。
さて、今週のパリマスターズはATPファイナルに次ぐ第二のインドア大会なのですが
その大会規模にしては妙に軽んじられてきた歴史があるのは残念なことです。
上位陣は既にファイナル進出を決めていることが多く、
あまり力を注がないというのが理由の一つでしょう。
フェデラーが正にその例で、この大会とは相性がよくありません。
優勝は一度もなく、出場数も際立って少ないです。去年は初戦敗退でした。
また今年はナダルが出場しません。
これまでNo.1選手がパリで優勝を飾ったことは数えるほどしかありません。
大会が今のような大規模になったのは80年代後半ですが、それでもこの大会には歴史があります。
しかし1973年のランキング制度発足後、
その年のランキング1位がパリで優勝したという例は以下の5例のみです。
1973年 ナスターゼ
1990年 エドバーグ
1995年 サンプラス
1997年 サンプラス
1999年 アガシ
サンプラスが例外的に頑張ってくれていますが、
その他では、インドアに強く、素晴らしい試合を見せてくれているはずの
マッケンロー、レンドル、そしてフェデラーに1度も優勝がありません。
また、今年はナダルが不参加ですので、
やはりNo.1が優勝しない大会という法則は今回も発動してしまっていることになります。
この少々残念な感じを、ATPファイナル進出を目指す
ランキング10位前後の選手たちの奮闘で埋めて欲しいものです。
後半にきて不調となり足踏みをしているベルディフですが、
過去の大会の成績を見ると今回出場の選手の中で一番良いです。
これまで12勝4敗で優勝も1回(2005年)あります。
因みにフェデラーは7勝6敗で最高成績はベスト8優勝なし、
ジョコビッチは8勝4敗で去年優勝、マレーは6勝4敗で最高はベスト8です。
ダビデンコが13勝6敗で2006年に優勝してます。これが2位の記録でしょうか。
ロディックは11勝6敗で最高位はベスト4です。
過去の成績は参考値でしかありませんが
こうなるとある程度の混戦を予想しても良いのかもしれません。
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- 2010/11/09(火) 11:06:33|
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パリマスターズの前哨戦として
バーゼルではフェデラー、バレンシアではフェレールが優勝しました。
奇しくも共に母国開催での優勝ということになります。
まずフェレールですが、今回の優勝でATPファイナルへの切符を近くにたぐり寄せました。
ポイント計算上では、次に優勝ポイント1000というパリマスターズが控えてますので
下の方の選手達にもまだまだ可能性はあるということになります。
しかしランキング下位の選手が出場権を手にするには優勝やベスト4が条件になってきます。
あと3つの椅子は、ポイントでリードしているベルディフ、フェレール、ロディックの
3人が有利であることには変わりないと思います。
もちろん最後までどうなるかはわかりませんので要チェックです。
フェデラーは小さな大会ではありますが2大会連続で優勝を果たしました。
今大会はティプサレビッチ、ステパネク、ロディック、ジョコビッチと
大会規模に見合わぬ強敵揃いの中を勝ち進んでいきました。
特に決勝のジョコビッチは去年の決勝の再現でありリベンジともなった試合です。
私は展開の早いインドアの試合がとても好きです。
レベルの高い試合はミスがなく、そして多様な展開になります。
フェデラーvsジョコビッチなどはその典型といえます。
両者の実力は伯仲していますので、毎回試合の行方が楽しみです。
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- 2010/11/08(月) 09:58:05|
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今年最後のマスターズ1000であるパリに向けて前哨戦が行われています。
ATPファイナルへの出場権はソデルリングが5番手として手に入れました。
ほぼ当確と思われていたベルディフは秋口からの絶不調で足踏みを続けています。
仮にギリギリで手にしても夏場までの素晴らしい出来で戦ってくれるかは不安になります。
フェレール、ロディック、ベルダスコ、ユーズニー、メルツァーといった面々が後に続いています。
ポイントは1000の中6人が収まっていますので例年と同じで
パリでの成績が大きくモノを言うことになるでしょう。残りの椅子は3つです。
一方調整といった趣の強い上位陣ですが、中ではフェデラーが元気です。
小さな大会ではありますが先々週の大会で優勝し
サンプラスに並ぶ生涯タイトルを記録しています。
今週は地元スイスの大会ということで、これまで相性は決して良くないのですが
優勝で弾みをつけたいところでしょう。今年の2位は堅そうに思えますがどうでしょうか。
3位争いをしているジョコビッチとマレーですが
ジョコビッチが今大会のタイトルを守らなくてはいけないという
ポイント上苦しい位置にいるときに、マレーは早期敗退をしてしまいました。
ジョコビッチは来週のパリでもタイトルを守らなくてはいけないのですが
これで3位争いは随分と楽になっています。
マレーという選手は妙なところで勝ちきれない印象はあったものの
ここまで早期敗退をする選手だったでしょうか。
もちろん今回は小さな大会ですし、上海での優勝もありますから
全体的に見れば大きな問題ではないかもしれません。
しかし、ファンとしてはラインキング争いのデッドヒートを見たいものです。
今年のランキング争いですが、早々とナダルが1位を決めたというのもありますし
一時のフェデラー、ジョコビッチの激しい2位争いもここへ来て差が出てきました。
もちろん充分激しい争いしているのですが
ここ数年に比べると盛り上がりに欠けているように感じてしまいます。
この雰囲気を打破すべくトップの集まるパリでの熱戦を期待しましょう。
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- 2010/11/05(金) 10:37:20|
- 2010年10月~12月
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