皆様お久しぶりです。
この時期はどうしても閑散としてしまいます。
色々と忙しさもあり更新をサボっておりました。
大変失礼しました。
サイト本体の方も年内には更新したいと思います。
今回ばかりはやらないわけにはいきません。
ここ1年ほうっておいてしまっていますから。
さて、振り返ってみると
肝心のATPファイナルの最後すら記事にしていませんでした。
当サイトの看板選手の極めて重要な優勝だったわけですから
これはもう叱責もののサボりっぷりといえます。
本当に申し訳ありません。
さて、今更試合とか優勝そのものについてコメントするのもあれなんで
今回のフェデラーのATPファイナル優勝でふと思ったことを書いてみます。

フェデラーは今回で最多の6回目の優勝を果たしました。
2002年からずっと出場していますので10年連続の出場です。
そのうち6回優勝ですからまあなんとも見事なものです。
惜しむらくは2008年のRR敗退でしょうか。
ATPファイナルの実績というのは他の大会以上に特別な強さを感じさせるものです。
歴代選手では、フェデラーの他に、レンドル、ベッカー、サンプラス、ナスターゼを加えて
5強と言っていいのではないでしょうか。
5虎将といってもよろしい。蜀の5虎将に例えられましょうか。
フェデラーが趙雲、レンドルが関羽、ベッカーが張飛、サンプラスが馬超、ナスターゼが黄忠。
すいません、ちょっと微妙。しっくり来ないですね。これは失敗です。
ロシアの5人組かな?フェデラーがリムスキー・コルサコフ、レンドルがバラキレフ、
ベッカーがボロディン、サンプラスがムソルグスキー、ナスターゼがキュイ。
もっと微妙ですね。
ボルドーの5大シャトー?
フェデラーがラフィット・ロトシルト、レンドルがシャトー・マルゴー・・・
いや、なしなし、この企画はよくないですね。
あ、5大陸?サンプラスが北アメリカ・・・って他がかぶりすぎ。
いやいや、こんなことがしたかったんじゃないんです。
話を元に戻しますと、これら歴史的な選手たちと比べまして
フェデラーについては一人勝ち感が半端ないなと思ったんです。
良い方に取ればそれこそ本当に一人勝ち、圧勝状態です。
しかし悪い方に取れば、ライバルに不足していると言いますか
他の選手に不満が感じられるということになるでしょう。

例えばフェデラーに匹敵する最強選手であるレンドルは
そのファイナルでの対戦相手を見てみますと、
ボルグ、コナーズ、ビラス、マッケンロー、ビランデル、ベッカー、
エドバーグ、アガシ、サンプラス、クーリエ、ムスターなど
これでもかとNo.1経験者やGS複数獲得者が連なっています。
前の世代から後の世代まで、幅広い活躍であったことを印象付けます。
一方のフェデラーですが、ヒューイット、フェレーロ、アガシ、サフィン、ロディック、モヤ、
そしてジョコビッチにナダルと一応No.1経験者やGS複数獲得者はかなりの人数います。
しかし、どうもレンドルの相手に比べると大物感に劣るといいますか、ライバルというイメージは薄いですよね。
もちろんかつてはヒューイットとアガシはフェデラーの壁でしたし、存在としてはナダルがいるのですが
ことATPファイナルに関しては最初の大会でヒューイットに敗れた以外は
フェデラーがただひたすら勝ってる感が強く、何かこう、これだという選手が見当たりません。
肝心のナダルもフェデラーの壁であるのはGSに関してであり
ファイナルについてはむしろフェデラーのほうがナダルの壁になっています。
改めて、2000年代は全ての面においてフェデラーの時代だったんだなと感じ入りました。

ベッカーはレンドルとサンプラスの中間の世代にあたり、これまた対戦相手が豊富です。
レンドル、コナーズ、マッケンロー、ビランデル、エドバーグ、
サンプラス、アガシ、クーリエ、ムスター、ブルゲラ、カフェルニコフなどなど。
ベッカー自身が最強時代を築いた選手ではないこともありますので相手メンバーの大物感は強いです。
むしろ、ベッカーが他の選手たちにとって脅威の存在であったことでしょう。
レンドルとサンプラスには大会での対戦成績は負け越していますが
それでもいくつか勝利を上げていますし、アガシ、エドバーグ、クーリエなどにとっては
厄介どころではない相手であったといえます。
ベッカーであれば、彼自身がレンドルやサンプラスに取って代わる
最強選手になるべきだったのではないかという意見もありえますが、
少なくともフェデラー時代にはこのベッカーのような選手が欠けていたのではないかと感じます。
タイプ的にはロディックやサフィンが、最近であればジョコビッチがそれに当たりそうですが
実際にはATPファイナルにおいてベッカーほどの実績もフェデラーに対する勝利もありません。

サンプラスを見ましょうか。
対戦相手はレンドル、エドバーグ、ベッカー、クーリエ、アガシ、ブルゲラ、
カフェルニコフ、ラフター、モヤ、クエルテン、サフィン、ヒューイット等。
90年代後半はNo.1が乱立していましたので相手が多くなるのは当然ですし、
比べてみればサンプラスの実績が抜きんでていますので
フェデラーと同じように一人勝ち感が強いのもうなずけるかと思えそうですが、
それでも何と言ってもベッカーとアガシの存在がそうはさせていません。
また、No.1経験者でもGS複数獲得者でも無いものの
シュティッヒ、イバニセビッチ、チャンなどといった
本命と伏兵の中間のような存在が異彩を放っていました。
良い意味でサンプラスは苦戦を勝ち続けた選手といえるのではないでしょうか。
優勝と早期敗退を向後に繰り返すイメージの強いサンプラスですが
ATPファイナルについては11回の出場のうちRR敗退は最初の1回だけでした。
やはり改めてこちらも凄い選手だったんですね。

最後にナスターゼですが、当時はファイナルが今ほどの権威を持っていなかったことと
まだ全てのトップ選手が出ていたわけではなく、ナスターゼ本人も出場回数は少ないことから
他の4人よりは少し実績が下に見られるかもしれません。しかししかし、
出場5回のうち優勝4回準優勝1回は素晴らしく決して色褪せるものではありません。
対戦相手も、スミス、コデス、ニューカム、アッシュ、コナーズ、ビラス、ボルグなど
当時のトップ選手たちが揃いもそろっており、しかもその殆どに勝利しています。
さて、過去を振り返るのが当サイトのメインの取り組みではありますが、
当然未来にも目を向けたいものです。

来年以降、フェデラーにもまだまだやってほしいという思いもありますが、
年の最後で失速したジョコビッチにも期待をしたいところです。
ジョコビッチであれば優勝経験もありますし来年もチャンスに入ると思います。
ナダルはインドア適正の面でATPファイナルでの活躍は難しいかもしれません。
あとはマレーとそしてデル・ポトロですか。
特にデル・ポトロであれば本来ベッカー級の活躍もできるはずです。
サフィンになるかベッカーになるか。ロディックになるかサンプラスになるか。
はたまたニューフェイスは出るのか。
もう随分言ってますが、いい加減でてこないと暗黒時代になりますよ。
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- 2011/12/20(火) 17:06:31|
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さあ、決勝です。忙しい忙しい。
フェデラーvsツォンガとなりました。
ここまでプレーを見てきた中で一番決勝にふさわしい組み合わせかもしれません。
両者はRRで対戦していますがフルセットの好勝負でした。
フェデラーが好調のままだったらフェデラー遊離、
少しでも調子が狂うとあるいは・・・という感じでしょうか。
ツォンガがこれまでにない爆発を見せるという可能性もないではないですが
これまでの戦い方からはフェデラーの調子次第と思えます。
さて、大会は1970年から開催されています。
RR制度でなかった時期もありますがほとんどはRR制度です。
これまでにRRで対戦をして決勝で再戦した
という例はいくつかありますので列挙してみます。
《RRで敗退したほうが優勝した例》
★2005年 ナルバンディアンvsフェデラー
2000年 クエルテンvsアガシ
1999年 サンプラスvsアガシ
★1996年 サンプラスvsベッカー
1994年 サンプラスvsベッカー
1990年 アガシvsエドバーグ
★1989年 エドバーグvsベッカー
1976年 オランテスvsフィバック
《RRで勝ったほうが優勝した例》
2008年 ジョコビッチvsダビデンコ
2004年 フェデラーvsヒューイット
2003年 フェデラーvsアガシ
2001年 ヒューイットvsグロージャン
★1981年 レンドルvsゲルライティス
1978年 マッケンローvsアッシュ
個人的に特に印象に残っているものには★をつけました。
やはりRRで負けたほうが優勝するという例のほうが印象が強いです。
唯一、両方勝った試合としてレンドルvsゲルライティスが印象に残っていますが
これは、RR、決勝ともゲルライティスにマッチポイントを握られながらも
レンドルが大逆転を収めたという他の例とは違う壮絶な展開があったからです。
また、80年代後半から90年代にかけてエドバーグ、ベッカー、アガシ、サンプラスが
勝ち負けを繰り返す激しい闘いを繰り広げています。いずれ劣らぬ名勝負でしたが
中でもサンプラスが最終的に優勝した方でのみ3例入り、
逆にベッカーが最終的に優勝された方でのみ3例入っているのは
いかにもこの両者らしい記録です。
さてこのようにRRで負けたほうが優勝することのほうが多い点は興味深いところです。
その意味ではフェデラーに不利なデータのようにも感じます。
事実2005年にはフェデラー自身が逆転優勝を献じています。
しかし同時に、両方勝った例にフェデラーが2回入っていることも見逃してはいけません。
フェデラーというのは過去の例に当てはまらない選手ですから
3度目の達成をしてしまうかもしれません。
一体どうなるでしょうか。
いずれにしろ、また同じ事を言いますが、決勝からも目が離せません。
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- 2011/11/27(日) 17:14:39|
- 2011年10月~12月
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この大会は1日ごとに目まぐるしく動くので忙しいですね。
いよいよベスト4が出揃いました。
・フェデラーvsフェレール
・ツォンガvsベルディフ
実力派揃いではありますが、
大会前にこの4人の進出を予想できた人は何人いたでしょうか。
トップ選手たちのコンディションが良くなかったこともわかっていました。
しかしトップ3が綺麗に陥落するとは。
色々と思わせる所があります。
過去の対戦もろもろで言いますとフェデラーが有利です。
過去は参考程度にすぎないということももう一度言っておきます。
しかしそれを承知で敢えて述べていきますと、
まずグループリーグ3戦全勝はフェデラーただ一人でした。
そして準決勝で当たるフェレールはこれまで11度の対戦でフェデラーに一度も勝っていません。
ツォンガとベルディフについてはそれぞれフェデラーからのウィンブルドンでの勝利があって
それのイメージが強いかとは思いますが、その2人は別の山で潰しあってくれるのです。
勝利の女神はどこまでフェデラーが好きなんでしょうか。
もっともそんな勝って当たりまえの試合を予告もなく落としてきたのが
ここ数年のフェデラーであることも付け加えておく必要があるでしょう。
どうなるかはまだわかりません。
例えばツォンガにしてもグループリーグでは負けたとは家フェデラーに善戦しました。
グループリーグで負けて決勝トーナメントで勝つというのは
過去の当大会でも数多くの例があります。
結局は試合を見ないことには始まらないですね。
もはやお決まりの文句となってしまいましたが
準決勝も目が離せません。
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- 2011/11/26(土) 18:11:53|
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両グループとも2戦目まで終了しています。
グループA
2-0 フェレール
1-1 ベルディフ
1-1 ジョコビッチ
0-2 マレー&ティプサレビッチ
グループB
2-0 フェデラー
1-1 ツォンガ
1-1 ナダル
0-2 フィッシュ
グループAは波乱と言うか混乱のグループになっています。
マレーが棄権したことでティプサレビッチが代理出場をしています。
ジョコビッチもフェレールにストレート負けを喫しました。
あの夏までのジョコビッチは今年中には戻って来なかったということになるのでしょうか。
ショットもフットワークもイマイチで、
フェレールのいきいきとした動きとの差が歴然でした。
しかしまだあと1戦、多くて3戦あります。残りの試合を見届けたいと思います。
さて、まだ2戦目ということで大会の最後を占うには早いです。
前の試合の調子が次の試合で全く変わるということもあるので
大会前の分析と違って、今時点であれこれと予想をするのは廊下鳶というか、
主体性のない意見になりうるものを多分にはらんでいるため説得力にかけます。
過去の対戦成績なども参考にしか過ぎないというのはこれまでの各選手の実績からも明らかです。
事実私も常々そのように述べてきています。
とはいえ、とはいえです。
どうしても一人の名前がここへ来てぐっと大きな存在感を放っていませんか?
1試合ごとに優勝候補をコロコロ変えるのは素人じみていると言うか
それ以前の問題ですらあります。それはわかってます。
フェレールだって2連勝で絶好調です。それもわかっています。
でもですね、なんというか、こう、嬉しい、と言っていいんでしょうか。
いえ、言ってしまいましょうね、ここは。
強いフェデラー久しぶりに観た~!なに?なに?優勝しちゃうの?優勝しちゃうのかしら?フェデラー?
あえて優勝の可能性とか触れてこなかったんだけどそれがよかった?
だってマレーいないしジョコビッチ調子悪いし、
なによりナダルはやっつけちゃったし・・・
--- 非冷静判断ここまで ---
正直驚きました。
ナダルが本当に良くなかったというのもあります。
あんな平凡な選手だったかとすら思いました。
いや、実際はあのフェデラーの神プレーがあったればこそそう見えてしまったのでしょう。
確かに良くはなかったですが、良い悪い以前に何も出来なかった部分もあります。
正直に告白しますとナダルにもっと頑張って欲しかったです。
試合中幾度となくナダルを応援する場面がありました。
両者の対戦は、これまでにグランドスラムの決勝などを散々見てきて
どの試合も楽しみながら、しかし冷静に見ることができる自分でしたが
こうも気持ちが偏ったのは初めてのことです。
全仏でナダルがフェデラーに完勝した時もこんな気分にはなりませんでした。
今回の試合はそれほど差があったということです。
しかしそんな気分も試合の経過と共に変わっていき
最後は完全にフェデラーのプレーに魅せられてました。
ナダルには悪いですが、フェデラーがテニスを披露する、
ただそれだけの場所になっていたと思います。
願わくば、決勝トーナメントでナダルがリベンジをかけた
再戦を果たすという場面を見たいところですが
今時点ではただ返り討ちにあってしまうというだけかもしれません。
ナダルには次の試合で是非とも調子を回復させて欲しいと思います。
まあツォンガも良いですから厳しい試合になることは間違いなさそうです。
ただフェデラーも、ツォンガ戦の2セット目で急に調子を崩したように
このプレーをずっと維持できるとは思えないのも事実です。
今後どうなっていくのでしょうか。
短い試合の中にドラマが詰まっています。さすがATPファイナル。
そして、どんな展開になっても記事の最後のしめの言葉は同じですね、
3戦目も見逃せない!結局そういうことになります。
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- 2011/11/24(木) 14:14:07|
- 2011年10月~12月
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毎年のことですがこの大会はスケジュールが慌ただしく消化されていきます。
奇数ランク側の初戦が行われました。
フェレール「6-4 7-5」マレー
ジョコビッチ「3-6 6-3 7-6」ベルディフ
今大会はどうなるかわからないという予想通りの熱い展開となっています。
地元&インドア適正&アジアシリーズ好調という3連コンボを持つマレーですが
初戦終わっての唯一の上位ランクダウンとなってしまいました。
まさかの、とまでは言えないですね。フェレール良かったです。
しかしそれ以上にマレー悪かったです。
ラリー自体はとても面白かったんですけどね。
フェレールが攻める展開でもマレーが攻める展開でも
守ってる側が必死に追いついて、なかなかポイントが決まりません。
逆襲の一撃あり、剛を煮やしたネットダッシュあり、ドロップショットありと
多彩で魅せるショットのオンパレードでした。
しかしそれ以上にマレーのサーブはひどいものでした。
マレーをインドアでの絶対的存在たらしめているのはそのサーブがあってこそなのですが
それが入らなければこのような結果も致し方ありません。
ストロークでもマレーはフェレールに負けないものを持っています。
特に逆襲のショットはフェレールに優っていると思うのですがそこでもミスが目立ってました。
ある程度ギャンブル的にショットを打ってくるフェレールに比べて
マレーのミスは試合の流れに直結します。
この大会ではセットを取れずに敗退するのは痛いです。
しかし、それぞれのセットのスコアを見ると完敗という感じでもありません。
ショットが入らなくてもここまで出来るというのは、
ある意味マレーの底力を示しているのかもしれません。
もしも今後改善してきたとしたら面白いと思います。
この敗退でジョコビッチと当たるのは3戦目ということになりました。
決勝進出をかけた大一番で両者の対決が見られるかもしれません。
まあそれよりも前にマレーは次のベルディフ戦で調子を取り戻さなくてはいけないですね。
ベルディフには先日のパリでも敗れており得意な相手ではないですがどうなるでしょうか。
順番が逆かもしれないですが、勝ったフェレールは良い試合をしたと思います。
しかしプレーが変わらないですねこの人は。
あんなに走りまわってフルショットを打って、体の方は大丈夫なんでしょうか。
正直、スタイル的にも年齢的にも体格的にも
インドアでのマレー、ジョコビッチ、ベルディフの3連戦はきついと思います。
体といえば真っ先にナダルの心配をしてしまいますが
フェレールも結構負担のかかるプレーしてます。
もっともフォームはナダルほど無茶なものではありませんし、
ネットを取るタイミングなども上手いので、何か負担をかけない秘訣があるのかもしれません。
現在29歳ですが25歳ピークに当てはまらない数少ない選手の一人だと思います。
もう一つの試合ですが、ジョコビッチは大変苦戦しました。
ベルディフはグラスコートに強いのでインドアも強いのかと思っていましたが
意外にもコート適正は一番良くないんですね。
ただ、ここまで来るとそんなことは関係ありません。
インドアキングであるマレーが敗れている時点で過去のデータはただの参考です。
この試合は激しい打ち合いとなりましたが、同時にミスも目立ちました。
両者共マレーよりはミスがあっていいスタイルの選手ではありますが
それでもこうも多いと多少なりとも大丈夫かなと感じてしまいます。
ウィナーも豪快なので印象として帳消しになる部分もあるのですが
きわどくないミスは連発して欲しくないと感じてしまいました。
特にジョコビッチは今年の良い時を知っているだけに印象が強くなるのは仕方ありません。
一方ベルディフは挑む側という意味で、ある程度のミス前提はありだったのかもしれません。
ジョコビッチの流れの時にも変に消極的にならずにプレーを持続させていたのは良かったと思います。
どちらかのミスが少なければもっと早く試合は終わったのでしょうが
結果的にファイナルセットタイブレークという大試合になりました。
何だかんだで観ている方としては初戦からどの試合も飛ばしてくれていて楽しさ満点です。
初戦が終わった段階での印象ですが、
GroupAはGroupBに比べてプレーが大味です。
豪快さのAと緻密さのBといったところでしょうか。
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- 2011/11/22(火) 11:46:20|
- 2011年10月~12月
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いよいよ、私個人もっとも好きな大会であるATPファイナルが開幕しました。
グループの組み合わせは抽選で決まるのですが、
今回は綺麗に偶数ランクと奇数ランクとで分かれる形となりました。
トップ4のコンディションを考えてみても
今回に関しては優勝候補をずばり一人上げるのが難しい状態です。
誰にでもチャンスがあるのでどの試合も見逃せません。
大会はそれぞれのグループで3戦ずつ、更に準決勝と決勝があります。
1日ずつ消化して行って8日必要になりますので、
通常大会のような月曜スタートではなく1日早い日曜スタートとなっています。
初日は偶数ランク側であるグループBの初戦が行われました。
フェデラー「6-2 2-6 6-4」ツォンガ
ナダル「6-2 3-6 7-6」フィッシュ
フェデラーとナダルが勝利しました。
順当に上位が勝った形ではありますが、内容は濃かったです。
どちらもフルセットにもつれ込む熱戦でした。
まずフェデラーですが、いかにも近年のフェデラーという試合展開でした。
第1セットでは全くツォンガを寄せ付けませんでした。
解説も2004年から2006年の頃のフェデラーのようだとコメントしてました。
「いやいや、しかしですね、この調子をが第2セットも維持できるかどうかが
2006年のフェデラーと今のフェデラーの違いです。
このまま第2セットも押し切れればフェデラーを大会優勝候補にあげていいと思います。」
などと頭の中で解説返しをしながら観てたんですが
まあそのとおりというか2006年にはなかった第2セットでの急な調子の崩れを見せ出しました。
この辺が昔とは違う今のフェデラーです。
第2セット、打って変わって何も出来ずにツォンガに取られてしまいました。
ツォンガの調子が上がったという見方もできるし事実そうだったと思うのですが、
ツォンガはかなり相手選手の調子に左右される選手です。
やはりフェデラーの調子が試合展開を決定づけたのだといえます。
この辺の急な歯車の狂いは、力の落ちだした頃からしばしば見せ始めたフェデラーの特徴です。
しかし、第2セットの不調を第3セットまで引きずらないのはさすがです。
第3セットは互角の打ち合いも見られましたがやはりフェデラー優勢だったと思います。
全体的な試合の印象としては左右に打ち分けるラリーの応酬や
ネットをおりまぜた展開など迫力満点でかなり楽しめるものでした。
フェデラーの調子も悪くないし、ツォンガもまだまだあると思います。
続くナダルとフィッシュの試合ですが、これまた大接戦でした。
第1セットはナダルが簡単に取り、第2セットはフィッシュが取るという具合で、
展開はフェデラーvsツォンガに似ていました。
しかし第3セットの先の読めない展開は更なる熱さを感じさせました。
メンバー的にもフィッシュは8番目の選手という感じで軽く見られていた感があります。
グループ分けでも3+1の+1の部分であるかのようにコメントされていたようでした。
しかしそのポテンシャルは高いし、何よりどの選手とも違うプレースタイルが
今大会のような短期決戦では有利に働くとも考えられます。
むしろジョコビッチやマレーよりもフェデラー、ナダルの方が
フィッシュとしてはあっと驚く展開を見せることができるように思うので、
その意味で面白いグループに入ることが出来たわけです。
フィッシュは、ナダルの届かないところにボールを運んでネットダッシュ、
というような試合運びに終始するかと思っていたのですが、なんのなんの、
ベースラインから互角に打ち合ってしかもエースも奪ってと驚きの積極プレーでした。
ナダル自身は久々の大会で調子が完全ではないと感じさせましたが
そもそも得意でないコートなのでそれもあってかショットにかなり気を使っているように感じました。
印象の一つはアングルショットの多用です。
前々から当ブログでも指摘していますが、ラリーにおけるナダルの弱点は球が浅くなることです。
これがなくなったときのナダルは手が付けられないのですが
インドアでそのような展開になることは殆どありません。
しかしこの浅いショットというのは角度をつけたときには一転して強力な武器になります。
つまりナダルは、癖であるショットの浅さを敢えて克服するのではなく
それを逆手に取った作戦を採用してきたのだと考えられます。
アングルショットは相手の体勢を崩しますから対ネットプレーヤーには有効です。
フィッシュ対策ともいえますがおそらくは大会を通じた戦い方になるのではないかと思います。
同じグループのフェデラーもツォンガも積極的にネットを狙ってきますし
何よりラリーを有利に運ぶためにはナダルのショットとして効果的だと思うからです。
しかし、フィッシュもナダルに打ち負けませんでした。
長いラリーでナダルからポイントを取るシーンがありましたし、
アングルショットに対するカウンターというのは中々難しいんですが結構決めていました。
かなり調子が良かったのでしょう。
ナダルとしてはアングル主体の展開が完璧に功を奏したとは言えなかったと思います。
しかし最初の相手がフィッシュでよかったとも言えます。
ナダルのこのショットを一番巧く返せのはフィッシュだと思うからです。
(大会に出ていない選手ならばナルバンディアンでしょうか。
もちろんフェデラーもうまいですがバック側はそうではないので)
プレー方針は修正せずにこのままフェデラーやツォンガと戦って欲しいと思いました。
さて、ATPファイナルでは勝った者同士、負けた者同士が対戦します。
つまり、明後日はナダルとフェデラーが対戦するんです。
歴史を作ってきた両者はこれが26回目の対戦になりますが
準決勝と決勝以外で当たるというのは、実に初顔合わせの2004年マイアミ以来ということになります。
もう歴史ですね。この2人は対戦するだけで歴史です。試合の方を楽しみましょう。
もちろんツォンガとフィッシュも楽しみです。両者ともに調子がいいですから。
今大会はロンドンで行われています。
上海で行われていた時と比べて決定的な問題があります。
眠い!
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- 2011/11/21(月) 11:32:51|
- 2011年10月~12月
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パリインドアはベスト8が出揃いました。
・ジョコビッチvsツォンガ
・フェレールvsアイズナー
・フェデラーvsモナコ
・マレーvsベルディフ
ここ数ヶ月の混沌とした状態から見れば
比較的順当の勝ち上がりがなされたと言えます。
ベルディフ、ツォンガ及びフィッシュがATPファイナルへの切符を手にしました。
フィッシュは3回戦でモナコに敗れましたがティプサレビッチも敗れたので
ポイントで上回る結果となっています。
準々決勝の顔ぶれを見ますと一部でファイナルの前哨戦のような趣になっています。
注目はジョコビッチvsツォンガです。最高に強い数カ月前のジョコビッチであれば、
ツォンガは打倒ジョコビッチ急先鋒と思っていたので純粋に楽しみな試合、
ということで片付けられたところなのですが今は少し状況が違います。
仮にジョコビッチがここで敗れてしまうと、
今年前半の勢いからの急落のイメージもつきかねません。
ベスト8は立派ですが今年のジョコビッチとすれば早期敗退のイメージです。
少々心配であると共にドロー運の悪さも感じられます。
もっとも強敵ツォンガに勝てば勢いが付くとも言い換えられます。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2011/11/11(金) 17:57:45|
- 2011年10月~12月
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さて、いよいよ今シーズン最後のトーナメント大会
パリマスターズ1000が開幕しました。
大会はドロー48なので上位16シードは1回戦を免除されています。
ここ2大会で活躍を見せていた錦織はバーゼル決勝の日程もあって
SE(特別枠)によるエントリーとなりましたが
残念ながら予選上がりのスタンコフスキーに敗れてしまいました。
つぶさに大会を追っているテニスファンならば
ここ2大会の錦織の活躍を更にまだ続けることはなかなか難しいということはわかるので
まあ疲れもあったか、というような、見方もできると思います。
しかし、せっかくの活躍で一般のニュースにも取り上げられた直後ですからタイミングが良く有りません。
「錦織敗退!」という普段なら箸にも棒にもかからないニュースが流れることになってしまいました。
なんだ、あの活躍はまぐれだったのか、という一般の方々の印象を下げないためにも
せめて初戦は突破しておきたかったところです。
因みに私がチラリと見たスポーツニュースサイトでは
「ウクライナの選手に1回戦で敗れた」という相手選手の名前すら出されない
いかにもテニスに興味ないんだなという取り上げ方がされておりました。
まがりなりにもスポーツを扱っているサイトなのにねえ。
錦織の敗退よりもこういったテニスを取り巻く現状のほうが残念です。
さて、今大会は最終トーナメントということでロンドンファイナルへの出場選手が決まります。
現在5人がエントリー済みですので残りは3人です。ポイント順に上げていくと以下のようになります。
かっこ内は現在のポイントです。
・ベルディフ(3030)
・ツォンガ(3025)
・フィッシュ(2875)
・アルマグロ(2370)
・ティプサレビッチ(2305)
・シモン(2155)
・モンフィス(1925)
以上が可能性の残されている選手です。
自力で出場権を獲得できるのはティプサレビッチまでです。
シモンとモンフィスは優勝しても他の選手の結果次第では出場権が得られません。
ベルディフ、ツォンガは準々決勝進出で確定、フィッシュも準々決勝まで行けば
アルマグロかティプサレビッチが優勝しない限り出場が決定します。
どんな事が起こるかわからないのがテニスの世界ですが
アルマグロは小さな大会で勝ちを重ねる安定型ですし、
ティプサレビッチは強敵に対抗できるものの、単発であることが多く、
トーナメント内で連続撃破していくタイプではありません。
どちらものマスターズ1000で優勝を狙うとなるとかなり厳しいのは事実で
ベルディフ、ツォンガ、フィッシュの3人で決定というのが
オッズ的にかなり高いのではないでしょうか。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2011/11/09(水) 10:09:45|
- 2011年10月~12月
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なんと、なんとなんとなんとなんとなんと!

錦織がジョコビッチに勝ちました。
スコアは「2-6 7-6 6-0」でした。
今年圧倒的な強さでランキングNo.1をひた走るあのジョコビッチです。
同名の別人ではありません。
ジョコビッチは今年3敗しかしていませんでした。
これは1984年のマッケンローや2005年のフェデラーにも匹敵する
歴史上最高クラスの年間成績でした。もちろん勝率は90%を超えていました。
更に3敗のうち2つは怪我による途中棄権でしたから最期までやった試合ということでいえば、
今年のジョコビッチは全仏でのフェデラーにしか敗れてなかったのです。
錦織は2つ目の土をつけたことになります。
また、錦織は第2セットでジョコビッチからタイブレークを取りました。
現役ではフェデラーと並ぶタイブレークキングのジョコビッチですのでこれも地味に凄いことです。
錦織といえばどうしても松岡との比較が出てきますが、
松岡の最高の勝利といえば恐らく1992年クイーンズのエドバーグ戦になるでしょう。
そして奇しくこの試合は今回のものと少々展開が似ていました。
松岡の勝利は「1-6 7-6 10-8」というものでした。
第1セットは全く刃が立たず、何もできないうちに取られました。今回の錦織の試合も同様です。
そして第2セットは必死に食らいついてなんとかタイブレークにまでもつれました。
ここで取られて終わりだろうなという大方の予想を裏切ってタイブレークを取りました。
ここも両試合で共通しています。違うのは第3セットで、松岡は大熱戦となりましたが
錦織の場合はベーグルという予想を大きく裏切るスコアでした。
第1セットの錦織は全く歯がたたないというか、むしろ何もせずにただ取られた感じでした。
ジョコビッチが特別強いということもありませんでした。
このセットを見た段階ではもう駄目だろうという雰囲気でしたが、それでも松岡の例もあるぞと思っていました。
そして第2セットタイブレークになったときには本気で松岡vsエドバーグの再現を意識しました。
第3セットで大きく違う展開になったわけですが、日本人選手の大勝利ということでは松岡以来、
いやそれ以上の記録が打ち立てられたといえるのではないでしょうか。
これまで歴史上で日本人選手がNo.1からの勝利したことがあるでしょうか?

松岡は1992年にエドバーグに勝っていますが、
1ヶ月前にクーリエが1位の座を奪っており、当時エドバーグは2位でした。

また古くは佐藤次郎が1933年にフレッド・ペリーに勝っていますが、
当時の1位はクロフォードでペリーは2位でした。ペリーが不動の1位になるのは翌34年のことです。

神和住は1974年にスタン・スミスに2連勝しています。
スミスはランキング制度以前に1位評価をもらっている選手なので
神和住はNo.1から勝利していると言われることがあるのですが、74年当時のスミスはランキング7位でした。
こうしてみると、恐らくですが、今回の錦織の勝利は日本人として初のNo.1からの勝利なのではないでしょうか。
しかもただの勝利ではありません。今年のジョコビッチは最強度で言えば歴史上トップクラスですし、
前述のとおりタイブレークキングからタイブレークを取っているわけですし、しかも第3セットはベーグルでした。
少し前の記事でジョコビッチやナダルのベーグルについて取り上げていますが
比べてみるとジョコビッチはベーグルが少なかった選手です。
いや~凄い!おめでとうございます。
さて、ここまでは錦織寄りの視点で書いた記事です。

ここからはジョコビッチ寄りの視点で試合を振り返ってみましょう。
どんな理由であっても勝利は勝利、敗戦は敗戦です。
ですので錦織の勝利の価値がいささかも減じることはないわけですが
正直に言ってジョコビッチは不調でした。
サーブもストロークもあの特有のシャープさがなかったし、フットワークも普通でした。
第1セットを見た限りでは次のフェデラー戦を想定して力をセーブしてるのかなと疑ったくらいです。
もっともジョコビッチは怪我による長期離脱の直後ですし、これまでの勝ち上がりも苦戦の連続でしたから
単純にあの夏場までの手の付けられないコンディションではなかったということなのでしょう。
そんな不調のジョコビッチに何も出来ずに第1セットを取られた錦織もある意味まだまだなのかもしれません。
さして速くないジョコビッチのサーブをほとんと返せない錦織にもどかしさを感じもしました。
本来のジョコビッチであれば楽々とサーブでポイントを重ねていたでしょう。
その後もジョコビッチは試合中何度もトレーナーを呼んでいました。調子は本当に良くなかったのでしょう。
最終的に棄権はしませんでしたので確かに今年2度目の最後まで試合をしての敗戦ということにはなるのですが
言い換えれば今年3度目のベストコンディションではないが故の敗戦とも表現できるかと思います。
ジョコビッチ自身は今大会を調整のためと捉えていたようなので敗戦のショックはさほど無いかもしれません。
今年は年間成績がかかってますし、まだ更に大きなパリとロンドンで大会が残っていますから
ここでギアをもう一つ上げて欲しいところです。
さて、もしもですが、現在試合中のフェデラーvsバブリンかでフェデラーが勝ちますと
決勝で錦織vsフェデラーが実現することになります。
これが実現すれば錦織はトップ4全員との試合を経験することになります。
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- 2011/11/06(日) 02:08:27|
- 2011年10月~12月
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今週はスイスとスペインでマスターズ500の大会が行われています。
どちらも比較的大きな大会です。
来週のパリインドアに向けた前哨戦としての側面は勿論、
この大会でポイントを稼ぎに来る選手も多くいることでしょう。
どちらも規模は同じですが、スイス側に強烈な選手が集まった感があります。
ジョコビッチ、マレー、フェデラー、ベルディフという上位シードの顔ぶれです。
ジョコビッチとフェデラーにとっては久々の大会です。
ジョコビッチの初戦はフルセットにもつれる試合でした。
またフェデラーはストレート勝利でしたが第1セットはタイブレーク突入するなど
両者ともブランク明けの様子見の状態であるのかもしれません。
この大会では錦織がまたやってくれました。初戦で第4シードのベルディフを下したのです。
上海でのツォンガ戦に続くトップ10からの勝利です。
ATPファイナル進出の残り切符は3ですが、ベルディフはその先頭に立っていました。
まさかの足踏みです。ベルディフは年末に弱いんですかね。
ウィンブルドン準優勝を果たし絶頂と思われた去年でさえ
この時期急にブレーキが掛かった記憶があります。
錦織の山は第5シードのフィッシュもリタイアしています。
また第8シードのトロイツキもバグダティスに敗れていますので
トップハーフはジョコビッチのみしかシード選手が残ってないことになりました。
好調マレーがアジアラウンドの勢いを持続しているでしょうか。
順当に行けば準決勝でフェデラーと対戦することになります。
スペインのバレンシアで行われている大会は、
スイスに比べると超ビッグネームには欠けていますが
それでもかなり白熱したドローになっています。
上位8シードは、フェレール、ツォンガ、モンフィス、アルマグロ、シモン、デルポトロ、
ドルゴポロフ、フェリシアーノ・ロペスと既に出場が決定しているフェレールを除く7人全員が
ATPファイナルの切符をかけて争うことになります。
この辺りの選手達は、アジアラウンドでは皆が皆足踏みをしてしまいましたので
ここでポイントを稼がなくてはなりません。今大会と来週のパリ、大会はあと2つだけです。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2011/11/02(水) 15:17:22|
- 2011年10月~12月
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