
奇跡の優勝劇で2012年ウィンブルドンが幕を閉じました。
フェデラーとマレー、今回はどちらが勝ってもお祭り騒ぎとなることが約束されていました。
フェデラーは、ランキング1位在位及びウィンブルドン優勝数でサンプラスに並び、
いよいよ持たぬ記録はないという高みにまで上り詰めた完全記録保持者となりました。
強いて言うなら不足は全仏優勝数くらいでしょうか。
正直、2度目の陥落以降、フェデラーの1位返り咲きは予想できませんでした。
期待とか希望はもちろんありましたが、現実味は極めて薄いものでした。
しかし、それを実現させてしまうのがフェデラーです。
現時点で力では明らかに上のジョコビッチとナダルに、
怪我等のコンディション不良があったのも事実でしょう。
それが重なったからこその返り咲き、という言い方もあるのかもしれません。
しかし、より年齢が上のフェデラーがコンディションを整えていて
何よりしっかりと結果を出したという事自体が「勝利」と言えるのです。
試合の方は、第3セットで雨による中断が発生しました。
センターコートに屋根が付いたのはいいですね。
いつ再会するかもわからずに眠さと闘いながらじっと待ってるという
あの大変な夜はもはや過ごさなくて良いのですから。
雨からの再開後、試合には長い長いゲームが訪れました。
はっきりとした数字は覚えてませんが実にデュースは10回にも及んだのではないでしょうか。
デュースは9回発生すると、13+11ポイントで計24ポイント選手はプレーすることになります。
今大会は女子でゴールデンセットが発生したことで話題になりましたが
ゴールデンセットも4ポイント×6ゲームなのでやはり24ポイントです。
つまり両者は1ゲームで1セット分のポイントを戦ったことになるのです。

このゲームはフェデラーが取りました。
マレーのサーブゲームでした。
ここが分かれ目でした。
それまでマレーがフェデラーを圧倒できていたショットは何と言ってもサーブでしたが
このゲームではサーブが入りませんでした。
そしてその後もサーブは入らなくなりました。
フェデラーも開始からエラーが多く、特に緩い球でミスする姿を見て
大丈夫なのかなと少々気になっていたのですが、
このゲーム後はマレーも同じくらいミスを犯すようになり、
フェデラー側のエラーへの不安はなくなっていきました。
トータルのエラー数では最後までフェデラーのほうが多かったと思いますが
重要な場面ではミスをせず、要所で味のあるプレーを見せるようになったフェデラーと
苛立ちを見せて試合に集中しきれないマレーの間には明確な差が生まれました。
私と同じように、このゲームの直後から
流れは完全にフェデラーに傾いたと感じた方も多かったのではないでしょうか。
これがマレーでなくジョコビッチであれば、たとえ不調であったとしても
最後まで気を抜けないという雰囲気がもう少し感じられたと思います。
しかし、後半のマレーは完全に雰囲気に呑まれていて、むしろ気の毒なくらいでした。
周りの声援が異様なプレッシャーとなり、プレーがうまくいかない故に苛立ちが増殖していく様は
観ていてありありと感じさせられました。
明らかに問題のないジャッジに対して執拗にチャレンジを繰り返す姿に
自分のショットで打破していくという気迫よりも、
何かにすがりたいという思いのほうが強く感じられました。
しかし、それほどマレーへの期待も大きかったということなのだと思います。
会場の声援は遥かにマレー側へのものが大きかったですが、
フェデラーへの声援も少なくはありませんでした。
この決勝がマレーにとってのホームであったことは間違いありませんが、
フェデラーにとってのアウェーでもありませんでした。
これはただ、フェデラーという人物だからであって、
恐らくナダルであったなら完全なアウェーになったと思います。

マレーは優勝まであと一歩及びませんでした。
その涙のインタビューを温かい眼差しで見守るフェデラーの姿、
そして大会を通じて決して感情を表に出して来なかったレンドルコーチの
やはりマレーをじっと見つめる姿はなんとも胸を打つものがありました。
4度目のグランドスラム準優勝は正にレンドルと同じです。
マレーはこの後レンドルになり得るでしょうか。
今回はどちらを応援していいかわからない決勝でしたが
まあ、マレーは来年にもチャンスはある、
でもフェデラーは来年のチャンスはより薄い、
ということで今回はフェデラーかなあ、
といった妥協が働いて観戦していたのも事実といえば事実です。
地元ではマレーの優勝が熱望されていたようですが
私としては決勝進出でも充分に大役を果たしたと思います。
そしてもちろんこれでは終わらないはずの選手ですから
一皮むけたマレーの今後の躍進を大いに期待したいと思います。
私が「期待」という言葉をかけた選手はダメになる傾向が強いのは
当ブログをご覧になってくださっている皆さんはご承知の通りかと思います。
だからこれまでもマレーには極力期待しないで来たのですが、
ここは敢えてこの言葉を使わせて頂きます。
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- 2012/07/09(月) 03:35:54|
- 2012年4月~6月
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準決勝はどちらも見応えのある良い試合でした。
深夜の眠気との戦いも、もう慣れたもんです。
ウィスキー片手にTVの前に座るという、
ここ一ヶ月ですっかり定着したお決まりのスタイルがあるのですが
これが後少しとなったのは少々寂しい気がします。
あと、TVって意外とサングラスしてても見られるんですね。
前記事の最後の一言が嘘にならないに頑張って擬似レンドルコーチしてました。
まあ、さすがに途中で外しましたが。
さて、決勝はフェデラーvsマレーとなりました。
両者の過去の対戦成績はマレーの8勝7敗です。
ウィンブルドンでもグラスコートでも初めての対戦となります。
というか、これまでハードコートでしか対戦がありません。
ここまで来るとどちらが勝つかはわからないですね。
良い試合になってくれることを願うばかりです。

準決勝、まずはフェデラーですが、好調でした。
ジョコビッチも悪くなかったと思います。
後半になるにつれてジョコビッチにミスが増えましたが
これはフェデラーの好調さからくる影響で次第にそうなっていったのであり
ジョコビッチ自身が大きく崩れたわけではないと思います。
とはいえ、最初の方では面白いように入っていたギリギリの深いリターンが
後半になるにつれてことごとくアウトになっていました。
去年のジョコビッチであればこれがずっと入っていたのでしょう。
一方でフェデラーは第4セットはほぼ完璧で、凡ミスが全くありませんでした。
フェデラーのプレーで印象的だったのは真っ向から打ち合うだけではなく
スライスなどのかわすショットを多彩に織り交ぜたことです。
これによりジョコビッチに決めの一撃を打たせないという効果をもたらしました。
あのマリッセ戦はフェデラーに良い影響を与えたのだと思います。
こういったプレーでもいけるんだという再認識になったのではないでしょうか。
特にバックハンドのスライスは一時期フェデラーが封印していたショットです。
本来フェデラーのスライスはコントロールも多彩さも抜群で
グラスコートにおいては非常に大きな武器になるべきショットでした。
ただ、ナダルという人物にのみ通用しなかっただけなのです。
マリッセ戦を経験していなかったら、こうしたスライスも多用せず、
もう少しまともに打ち合っていたかもしれません。
ジョコビッチは打てば打つほど調子が上がる選手ですので、
そうなると展開はまた違っていたでしょう。
現にジョコビッチは、長いラリーになれば多くのポイントを取っていました。
まともな打ち合いならジョコビッチが有利だったと思います。
唯一、ジョコビッチのサーブで「0-40」とブレークポイントの大チャンスを迎えた時に
フェデラーがスライスを多用していたのですが、それだけは気になりました。
ジョコビッチはピンチには必ず攻めに転じる選手です。
こういう場面でのみはフェデラーも自分から打っていったほうが良いのではないかと思いました。
現に、この場面では結局ジョコビッチが追いついてゲームを取っています。

ジョコビッチのプレーで気になった点としては、勝負を急ぎすぎている部分があったことです。
じっくりラリーをしていれば優位に立てるのに、強引にネットダッシュをしたり
無理に決めに行ったりと、出だしから圧倒しようとして上手く行ってない感じがしました。
追い込まれたジョコビッチの強さは異様ですから最後まで怖さはあったと思います。
しかし、第4セットなどは、終わってみればチャンスらしいチャンスはありませんでした。
フェデラーが上手く封じたといったところでしょうか。
この一戦はフェデラーの巧さの勝利といえるでしょう。

続いてマレーvsツォンガです。
こちらも4セットの好勝負でしたが、更に熱い打ち合いになりました。
出だしはツォンガのエンジンがかかりきらず、またマレーもすこぶる好調で
マレーのペースでトントン拍子に試合が進ん行きました。
しかし、ツォンガはナダルに似て試合中盤からぐっとギアを上げてくる選手です。
ツォンガが勢いを増してからは俄然面白い打ち合いになりました。
フェデラーvsジョコビッチ戦以上に、ショットに多彩さが盛り込まれていました。
サーブ、強打、走り回る守備、ロブ、ネットダッシュ、ドロップショット、ダイビングボレーなど
実に動きの多い試合で、全てのショットで飽きさせないものでした。
どちらの選手もどのショットも良かったですが、やはり一番はマレーの守備でしょうか。
ツォンガの打ち込みに対して、ギリギリで追いついて
しかもベースライン後方から効果的な球を返すという
正にマレーを4強の位置にまで押し上げたと言って良い見事なプレーです。
ツォンガはフェレールに比べて、打ち込んでくる回数の多い選手ですから
マレーとしては守備力が発揮しやすかったでしょう。
特に試合の最初の方で、
マレーの代名詞(悪い意味で)とも言うべきネットに引っ掛けるミスがなく
小気味良いばかりにカウンターショットを相手コートにポンポンと入れていく姿を見て
マレーとはこんなプレーが出来るのかと驚きさえしました。
そういえば一時期の昇り龍のような絶好調のマレーはこんなプレーをしていました。

試合序盤の不利な状況から、そのままずるずると行かず、
互角に試合を持ち直したツォンガも立派でした。
ただ最後まで、雰囲気というべきか観客に圧倒されたのか、
もう一つのところの詰めに欠く場面があり結局は試合を落とすことになってしまいました。
現在ツォンガはフェレール、デル・ポトロと共に5番手集団を形成しています。
今年の全仏とウィンブルドンでこれらの選手たちは
4強相手にも充分やれるのだということを示してくれたと思います。
面白いことにこの3者は、フェレール(1982年生)、ツォンガ(1985年生)、デル・ポトロ(1988年生)と
3歳ずつの年齢差があって世代がばらけています。
混沌と安定の微妙なバランスの上に成り立っている今の時代を示すようで興味深いです。
本来はここに、更に1991年生まれの4人目の選手というものが入ってきてほしいところなのですが。
さて、いよいよ念願の決勝進出を果たしたマレーですが、遂にここまで来ました。
これまでは、そのもう一つ足りない活躍にヤキモキしていくらか揶揄などしてきたのですが
さすがに今回ばかりはこの結果を賞賛すべきでしょう。
もちろん、まだもう一試合あります。当然ながら周りから優勝を求められてもいるでしょう。
どう捉えるかはマレー次第ですが、プレッシャーからは開放された気持ちで良いのではないでしょうか。
変に次の一戦に気負いは持ち込まないほうが良いと思います。
もうここまで来たら最後、思う存分プレーして欲しいです。
決勝はどちらにも勝って欲しくて困ります。
準決勝までは何だかんだでハラハラして観てましたが、
決勝は私としても少し気軽に楽しんで観戦できる気がします。
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- 2012/07/07(土) 11:20:59|
- 2012年4月~6月
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昨日は男子は小休止でした。
ぐっすり眠れましたでしょうか。
私は、全仏、サッカーユーロ、ウィンブルドンと続く連戦に
女子の試合を観るほどの気力はありませんからとにかく寝ました。
さて、本日はお待ちかねの男子準決勝です。
早速2試合を確認してましょう。
まずはジョコビッチvsフェデラーです。
トップハーフは大会からこの2人が勝ちあがるという予想が多かったと思います。
しかしそれでも例年よりは確実性は低いとされてきたところです。
事実、両者とも快勝だけでここまで来たわけではありません。特にフェデラーですね。
勝ち上がり具合や現在の力関係からジョコビッチ有利の声がやや大きいようです。
グランドスラムならばフェデラーという神通力もここ数年少々影を潜めていますが
初めてのウィンブルドンでの対決ですからどうなることでしょうか。
両者の対戦成績はフェデラーの14勝12敗ですが、
2011年以降はジョコビッチが6勝1敗と大きくリードしています。
グランドスラムでは過去5勝5敗ですが、
こちらもこのところジョコビッチが4勝1敗とリードしています。
今回でグランドスラム11回目の対戦ということになります。
これは歴代の最多対戦数記録です。
これまでレンドルvsマッケンロー及びフェデラーvsナダルが10回だったのですが、
それらを超えてついに単独トップに躍り出ることになります。
因みにジョコビッチvsナダルが8回、ナダルvsマレーも8回です。
グラスコートでは初めての対戦となります。
もちろんウィンブルドンでも初めてです。
これで両者は全グランドスラムで対戦することになります。
全グランドスラムでの対戦ということですと、
フェデラーはキーファー、デル・ポトロに続く3人目、
ジョコビッチとしてはナダルに次ぐ2人目ということになります。
フェデラーとナダルは全米で当たってないのですが、
もしもこれが実現されれば3強対決は全グランドスラムコンプリートということになります。
参考までにマレーはナダルとだけ達成しています。
過去、全グランドスラム対戦で最多人数を達成しているのはサンプラスです。
実に6人と対戦しています。6人の内訳は、
アガシ、クーリエ、チャン、マーティン、フィリポーシス、ティルストロム。
フェデラーは優勝するとNo.1に返り咲きます。
優勝しないまでも決勝に出ることができれば、今後No.1への道筋は開けます。
全米まではフェデラーのほうが失うポイントが少ないためです。
その分、全米までにNo.1を奪還できなかったら、あとは厳しくなります。
ナダルも絡んでこの辺りのランキング争いは今後の気になるポイントです。
もちろん、マレーが優勝することでこの争いは4人になります。
4強時代と言われて長く経ちますが、これまでにない接近を見せることになるでしょう。
さて、そのマレーです。我らがマレー。
準決勝ではツォンガと対戦します。
今大会最大のニュースはナダルの敗退でしたが、
それを除けば、結局ベスト4まで上位シードが勝ち上がったことになります。
荒れた大会だったのか、安定した大会だったのか一見して判断が難しいです。
まあ、ここ数年では荒れたほうだといえるでしょうか。
マレーもツォンガも苦戦なしで勝ち上がっているわけではありません。
両者ともフルセットこそありませんが5戦中3戦が4セットマッチになっています。
メンバーを見てみるとどちらかといえばマレーのほうが強敵が多かったでしょうか。
過去の成績ではマレーが5勝1敗と大きくリードしています。
グラスコートでは2勝0敗、ウィンブルドンでも過去1回の対戦でマレーが勝利、
マレーのほうがグラス適正は高く、しかも上位のシードです。地元の声援もあります。
マレーファンをぬか喜びさせてしまうようなデータが山ほど転がっているわけです。
大方の予想でもマレーが決勝に出るという雰囲気が出ているようですが、
しかししかし、妄信は禁物です。
両者は若いチャレンジャー時代にグラスで1回戦っておりその時はツォンガが勝っています。
更にグランドスラムでは、2008年の全豪でツォンガが勝っています。
この時はマレーが上位シードであるにもかかわらず1回戦でやられてしまいました。
なんという事でしょう1回戦です。まったくダメな男です。
ツォンガはそのまま決勝にまで行っています。
つまり、ツォンガとマレーがグランドスラムで対戦して
ツォンガが勝って最終的に決勝に行くというシチュエーションの場合、
過去1回の対戦で、なんとツォンガが全勝しているのです。
マレー優位の声は一気に消え去りました。
これまで何度も比較として出している2001年のヘンマンも、
準決勝の相手であるイバニセビッチはそれまで負けなしという恵まれた対戦相手でした。
今回のマレーと同じように世間の雰囲気としては決勝進出が約束されたような状態だったのです。
このような状況だからこそマレーは気を引き締めなくてはいけないでしょう。
一方でツォンガが決勝進出を果たした場合、グランドスラムに新しい傾向を示すことができます。
5年前、2007年にジョコビッチが伸びてきて3強時代が形成されることになりましたが、
それ以降、複数のグランドスラムまたがって決勝に進出した選手が果たして何人いるでしょうか。
フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マレー。実にこれだけなんです。
(ソデルリングが全仏で2回決勝に出てますが複数グランドスラムにまたがっているわけではありません)
ここにツォンガが加わるとすれば、グランドスラム決勝という観点からは
4強ではなく3強+2という形になるのではないでしょうか。
現時点では完全にベスト4中の4番手扱いされているツォンガですが
そのポテンシャルを無視するのはテニスファンとしては得策ではないでしょう。
いずれにしろ試合の方は本当に楽しみです。
私も擬似マレーコーチとして、サングラスかけながら観戦したいと思います。
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- 2012/07/06(金) 12:06:49|
- 2012年4月~6月
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あーーー眠い。
眠くないですか皆さん。
ヨーロッパでの試合の場合、長丁場となると日本ではド深夜に突入します。
結局私も最後の最後までは試合を観られませんでした。
ツォンガもマレーも、昨日のボトムハーフは試合が激しすぎです。
一方でトップハーフは簡単に終了しました。
ジョコビッチとフェデラーが勝ち上がっています。
特に怪我が心配されたフェデラーは驚くべき快適な内容でユーズニーを下しました。
今回ばかりはユーズニーにもチャンスがあるのではと思いましたが
よほどフェデラーにとっては相性のいい相手なのでしょうかね。
これで対戦成績はフェデラーの14勝0敗となりましたが
このうちグラスコートが半分近いを6回を占めているのですね。
現在グラスコート大会は少ないですからよっぽどドロー運が強いといえるでしょう。
ATPの記録ではレンドルvsメイヨットの17勝0敗というのが全勝の最多記録となっています。
フェデラーとユーズニーはあと3戦です。果たしてこの記録に並べるでしょうか。
まあ、ユーズニーとしては絶対に並びたくないと思いますが。
ジョコビッチは、多少のもたつきもありましたがこちらも完勝といえる試合内容でした。
もっとも、マイヤーが自分で落としてしまったポイントもあったと思います。
戦い方によってはもう少しジョコビッチを慌てさせることもできたかもしれません。
第1セット「4-4」の場面で、ジョコビッチサーブでの「0-40」という
マイヤーにとっての絶好のチャンスが訪れました。
しかしここから何でもない簡単なミスを犯すなどして
結局マイヤーはゲームをモノにすることが出来ませんでした。
ジョコビッチはピンチを切り抜けることで調子が上向く選手です。
そのような相手にこういったチャンスの逃し方をしてしまうと後はきつくなるばかりです。
さて、ボトムハーフに行きます。
ツォンガvsコールシュライバーもとても楽しみな一戦ではありましたが
やはりマレーvsフェレールの観戦を中心とせざるを得ませんでした。
このところのフェレールの頑張りには頭が下がりっぱなしです。
もう30歳なのですが、ここへきて決して得意でなかったグラスでのプレーを磨いており、
自身最高位であるウィンブルドンベスト8にまでコマを進めました。
仮にこのままフェレールがベスト4、決勝と進んでも賞賛に値するばかりだという思いがあったので
フェレールが見事なショットを決めると、純粋に拍手を送りたくなっていました。
しかししかし、今大会は開幕前からマレーマレーと
ひたすらマレー中心の取り上げ方をしている手前、
多くの場面でどうしてもマレー視点で試合を観戦してたのは事実です。
例えば第2セットですが、とにかくマレーのサーブが入らず、試合の方も随分と込みいっていました。
マレーは2ndサーブでもある程度ポイントが取れていたので、
むしろ1stサーブを諦めて最初から強めの2ndサーブのつもりで打ったほうが
ポイントが取れるのではないかと感じていました。
こんなにサーブが入らないのに何故改善しようとしないのかと首を傾げながら観てました。
その後、このセットのサマリーが出たのですが、
私としては30%位しか入っていないと思っていた1stサーブは意外にも55%でした。
もちろんこれですら良くない数字ではありますが
私のイメージが随分と先行していたのだとビックリしました。
客観的に観ていたらこんなことはなかったと思うのですが、
まったく、マレーというのは見ている方をヤキモキさせるのが本当に上手い選手です。
私ですらこうですから、純正のマレーファンなどはどれほどハラハラさせられたでしょうか。
試合の方は「6-7 7-6 6-4 7-6」と4セットではありましたが内容の凝縮した大試合でした。
負けたフェレールもグラスが苦手とは思えないプレーを披露しました。
しかし、両者とも前のラウンドほどには絶好調ではなかったと思います。
まずはマレーですが、前述のようにサーブの入りが悪くサービスキープで苦労しました。
本来であればサーブだけ決められる力を持っているのですが
そういった場面はほとんどありませんでした。
またストロークのほうでも、フォアの強打をネットにかけるという
図ったように同じタイプのミスを何度も繰り返していました。
ドロップショットも苦し紛れの場面での多用が目立ち、特に効果的だったとはいえません。
フェレールもマレーよりはマシではありましたが、大事な場面で
マレーにお付き合いをするような何でもないミスをしたりして
いまいち試合を支配できず、なんだかんだで混戦になって行きました。
どちらかといえばマレーのほうが本調子から遠い状態でした。
しかしこれだけの接戦だったということで、
本来の力で比べればマレーのほうがグラス適性は高いのだと思います。
しかし、もしも他のコートで昨日の状態だったと仮定したら試合結果は逆だったかもしれません。
サマリーを確認しますと、私が力尽きて観ていない第4セットに関しては
マレーのサーブは復調していて、実に1stサーブ83%を入れていたようです。
ただし調子の悪かった第2セットよりもエースの数が少ないことから
もしかしたらエース狙いではなく、安全なサーブに切り替えたのかもしれません。
だとしたら第4セットに至ってようやく私の思いが届いたということになるでしょうか。
いや、レンドルコーチかな。コーチの念力がマレーのプレーを動かしたのかもしれません。
フェレールは全グランドスラムベスト4進出を逃すことになってしまいました。
4強時代の真っ只中にあってこの記録に挑んでいるのは立派です。
年齢的に時間がそう多くはないのかもしれませんが来年また是非記録に挑んでほしいと思います。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2012/07/05(木) 10:24:01|
- 2012年4月~6月
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4回戦の残り5試合が行われました。
マレーvsチリッチ、フェレールvsデル・ポトロ、ツォンガvsフィッシュ
と、こういった試合が同時に行われるというのは、
雨天順延が頻繁なウィンブルドンならでは贅沢さというものです。
今回の注目はやはりフェレールvsデル・ポトロでしょう。
過去の成績はフェレールの4勝2敗で、
しかも唯一のグラスコートでもフェレールが勝っているということから
戦前からフェレール優位との見方ができた試合でしたが、
正直今の上り調子のデル・ポトロならばわからないぞ、
というのが大方の目線ではなかったでしょうか。
共にグラスでも戦えますが、ベストのコートではありません。
どんな試合展開になるかは注目でしたが、蓋を開けてみれば
ただただ、フェレールの良さが際立った試合でした。
デル・ポトロの武器はなんといっても高い打点からの強打ですが
バウンドが抑えられるグラスコートであったというのに加えて
フェレールのストロークがまた低く低く入っていたことで封じられることになってしまいました。
これはフェレールの戦術というわけではなく
お互いのショットスタイルによる相性の問題ということなのかと思います。
しかしいずれにしろデル・ポトロは得意の一撃を決めることが出来ず、
逆にフェレールの左右の揺さぶりとコントロールの妙に翻弄され、
調子がどんどん狂わされていきました。
そしてなによりあのフェレールの見事なフットワーク!
ギリギリのショットに追いつかれて
しかもそれがきちっと返ってくるという状態が続けば
さすがのデル・ポトロといえどもどうしようもありません。
デル・ポトロはまだグラス向けのプレイヤーではないと思います。
それでも時に見せる強引な一撃は強烈でしたし
足もフェレール程にはもちろん速くはないわけですが、あのプレースタイルならば充分かと思います。
もう少し低い球の処理に磨きがかかれば今後立派にやっていけるのではないでしょうか。
来年はきっと修正してくるでしょうから楽しみです。いや、まだオリンピックがありましたね。
それにしてもフェレールは絶好調でした。
この状態が次の試合も続いてほしいものです。
次はなにせマレーですから。
マレーはチリッチにストレートで勝利しました。
チリッチは前の試合でウィンブルドン計測史上2番めに長い試合を戦っていますから
疲れもあったのだと思います。
で、マレーvsフェレールですが、過去の対戦成績は5勝5敗です。
クレーでは4戦していて全てフェレール、ハードはマレーが5勝1敗、グラスでの対戦はありません。
今年の全仏では、同じように準々決勝で対戦していてフェレールが勝利しています。
マレーにとってはリベンジに当たる試合です。
コート適性的にはマレー優勢でしょうか。
デル・ポトロ戦で有効だったフェレールのプレーは、マレー戦で同じようには通用しにくいです。
まずマレーには守備力があります。左右の揺さぶりには付いて来れます。
また弾道の低い球を苦にしていません。デル・ポトロのようにじれることはないはずです。
ただ、デル・ポトロほど一撃で決めてくるショットを多用しないので
その点ではラリーが長くなってフェレールの対応できるポイントは増えてくるでしょう。
根気が必要な試合になりそうです。
同じようにマレーにとってもフェレールはチリッチよりもはるかに多彩なプレーをしますので
根気は重要になってきます。
根気が関わってこない展開があるとしたら、
それはマレーのサーブや強打が絶好調すぎる時でしょうか。
フェレールの多彩さが発揮される前に短期にポイントを決めてしまうという展開です。
まあこれは一時的には有効であっても、ずっと続くことは稀ーだと思うので
やはりしっかりとラリーをものにしていくことが大事です。
しかし不思議なものですね。
開幕前のドローを見た段階では面白い組み合わせの連続と思った大会でしたが
ここベスト8に来て、マレーvsフェレール戦以外は
上位シードと下位シードという少々地味な組み合わせになっています。
とはいえ、今大会はその地味な選手が大きな仕事をしてきていますので
観ている我々も、油断をしていると大きな瞬間を見逃すことになるかもしれません。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2012/07/04(水) 18:10:35|
- 2012年4月~6月
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ウィンブルドンは2週目に突入し4回戦が行われましたが
雨による中断のため8試合中3試合しか結果が出ていない状態です。
その中で、今回はやはりフェデラーについて取り上げる必要があるでしょう。
相手はベルギーのマリッセ、スコアは「7-6 6-1 4-6 6-3」での勝利でした。
通常であれば相手に恵まれたというか順当な試合で終了ということになるのだと思います。
実際に相手には恵まれていたと思います。しかし、問題も発生しました。
フェデラーは最初のセットでいきなりトレーナーを呼びメディカルタイムアウトを取りました。
腰を痛めていたらしく、その後のプレーは驚くほどパワーに欠けるものになりました。
サーブは100マイル後半(170km/h前後)がほとんどで、
ストロークも特にフォアは腕だけで打つようになりました。
腰のひねりが使えないのだからどうしてもこうなります。
しかし、フェデラーという人は凄いですね。
普通こんな状態ならば絶体絶命のはずなんですが、その後のプレーにはほとほと感心させられました。
パワーが使えないためにコントロール重視に切り替えたのですが、これがまた巧い。
フォアハンドストロークではボールをサイドに散らし、バックはスライスを多用します。
そこにドロップショットとネットプレーを織り交ぜて相手に試合の主導権を握らせません。
このようなプレーができたということはフットワークの方はにさほど悪い影響はなかったのでしょう。
サーブも強打なしでここまでやれるものなのだということを知らされました。
それでも、最初にも述べたように相手には恵まれたと思います。
ここでジョコビッチの名前を出してしまうのはさすがにどうかと思いますが、
せめてもう少しボールを振られてもついていける選手であったならどうなったかはわかりません。
しつこく打ち返されてフェデラーも調子を崩した可能性があります。
最近は緩急を自在に操る選手は少ないですから、
マリッセはフェデラーのこうしたプレーに困惑させられた部分もあるでしょう。
フェデラー自身だって通常はもっと小細工なしにバシッと決めていきます。
しかしさすがにマリッセは自分からミスするシーンが多すぎました。
フェデラーの怪我に乗じるのは紳士的でないという理念でも頭をよぎって
それを逆手に取るようなプレーは選択しないという思いが働いたりしたのでしょうか。
後半、ややプレーに慣れたマリッセが反撃する場面もありましたが
なんだか最後まで調子を狂わされた感じでした。
一言でしめるならフェデラーの技が制した試合ということになるかと思います。
通常やらない緩やかなプレーを選択してここまでのことができるなんて
フェデラーのポテンシャルの高さを再認識した思いです。
ただし、こんなプレーが出来るのに普段フェデラーがこれを選択していないのには理由があります。
やはりパワー主体でなくては今の時代、試合に勝てないということです。
このまま怪我が長引いた状態では勝ち上がっていくのは厳しいのではないでしょうか。
試合後本人は特に問題ないと語っていますのでそれを信じて回復を待ちましょう。
フェデラーの次の相手はユーズニーです。
これまで過去13戦して一度も負けなしというのは一見フェデラーにとって有利でしょう。
しかし、ユーズニーはマリッセよりは遥かにしたたかにプレーできる選手です。
決して安心できる相手ではありません。
ここ数年フェデラーは、何度対戦しても負けなしだった選手に初めて土を付けられるということをよくやっています。
相手が若い選手で実力が伸びてきたがために、ということであればわからなくもないのですが
同世代の選手にもよくやられています。No.1を奪われた2008年位から顕著な傾向です。
相手はF・ゴンザレス、J・ブレーク、M・フィッシュ、カルロビッチ、ソデルリング、ダビデンコ等
他にも、全くの負けなしだったわけではないですがロディック、ヒューイット、ハース等にも負けています。
ナダルが2回戦で敗れる大会ですから、何があるかはわかりません。
テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2012/07/03(火) 10:31:37|
- 2012年4月~6月
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雨による中断も無かったわけではないですが
今年は順調に3回戦を消化して第一週を終えました。
ナダルは敗退、ジョコビッチもフェデラーもマレーも
決して快勝で勝ち上がっているわけではありません。
4強時代到来以降屈指の混戦模様といえるでしょうか。
3人の中ではジョコビッチが一番フィットしているように思います。
試合を追うごとにショットが良くなってきています。
3回戦のステパネク戦は第1セットを取られましたが
これはむしろステパネクを褒めるべきで、現在ではレアなスタイルである
サーブ&ボレーに魅せられた人も多いのではないでしょうか。
試合終盤は完全にジョコビッチのペースでしたが
最後まで試合を捨てないステパネクの気迫にも感心させられました。
混戦模様ということで、第1週はノーシードに話題が発生しました。
しかし、せっかく話題を作った選手たちはいずれもその直後に敗退しています。
グルビス、ファジャ、ロソル等。ここでもう少し勝ち上がってくれれば
大会の方も違った盛り上がりを見せるのでしょうが、やはりこの辺がノーシードなのか、
まだまだテニス界に新しい風が吹き始めているというわけではなさそうです。
日本人選手は3人全員が敗退してしまいました。
うち二人を倒したのがデル・ポトロとなっています。
デル・ポトロは次にフェレールとの対戦となります。
3回戦ではここが一番の目玉となりそうです。
フェレールはロディックを倒しています。
今一番熱い山です。ここはマレーの山ということになります。
マレーの相手となるのがチリッチです。
チリッチはクエリーを相手にファイナルセット「17-15」という長い試合を戦いました。
しかも最初の4セットのうち3セットがタイブレークというものでした。
4回戦はこのマレーの山に比べると他は少し注目度が落ちるかもしれません。
あとは上位シード対決となっているツォンガvsフィッシュくらいでしょうか。
しかし試合前の注目度がそのまま試合後の話題と結びつかないのが今大会の傾向です。
もっとも、第2週は上位シードもギアを変えてくるでしょうから
これまでとは雰囲気が違ってくるという事も考えられます。
やはり優勝候補はジョコビッチ、フェデラーになるでしょうか。
3番手はマレーでしょうがドロー的には結構きついです。
ナダルが敗退してもなおきついというのは単純にドロー運もありますが
マレーへの安心感が前2者に比べて不足しているということの表れでもあります。
次のチリッチも戦いやすい相手ではないでしょうし、
その次のデル・ポトロとフェレールもどちらが来ても強敵です。
強いて言えばタイプ的にフェレールの方が与し易いでしょうか。
ただチリッチ戦後という事を考えればデル・ポトロが来て
タイプの近い選手が続くという状態のほうがいいともいえます。
私、今大会はいちいちマレーに注目していますが、
まあ正直、マレーは優勝しないと思いますよ(いいのか?)。
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- 2012/07/01(日) 11:15:22|
- 2012年4月~6月
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衝撃が走っております。2012年。
サッカーユーロ2012でドイツがイタリアに負けました!
いえいえ、それは大したニュースではありません。
ナダルが敗退しました。
相手はチェコのルーカス・ロソル。25歳。
ランキングは100位。キャリア成績は18勝32敗(勝率36%)タイトル数は0。
皆さん、この選手ご存知でした?
正直、私はあまり選手を幅広く知らないので初めて聞く名前でした。
こういうブログやっててどういうこっちゃとお叱りも受けそうですが、
元々過去選手のデータ専門サイトというところから出発していますので、
その点はご勘弁ください。どうもすいません。
ナダルの2回戦敗退というは2005年以来です。
ATPのサイトによれば第2シードの2回戦敗退というのは
グランドスラムでは2005年全仏のロディック以来、
ウィンブルドンでは2002年のサフィン以来だそうです。
ロディックの相手はアカスーソ、サフィンの相手はロクスでした。
番狂わせではありますが、どちらも無名の選手ではありません。
その意味で今回の敗退はネームバリュー的にも衝撃です。
しかも5セット王であるナダルから5セットでの勝利ですから
ロソルにとってこれは最高の勝利になったのではないでしょうか。
大会は大きく動きます。
ナダルの存在はそれほど大きかったといえます。
特にボトムハーフの勢力図は見方が随分と変わってきます。
何と言ってもマレーにとっては大きな出来事です。
今年もナダルとベスト4で当たる位置いましたが、
目の上のこぶが取りさらわれたことになります。
これって、何かに似ていませんか?
そう、ティム・ヘンマンの2001年ウィンブルドンです。
ヘンマンもそれまでサンプラスという壁に阻まれ続けて
ウィンブルドンでベスト4止まりを繰り返していたのですが、
2001年はそのサンプラスが早めに敗れて最大のチャンスが訪れたのでした。
結果、ヘンマンはこのチャンスをモノにすることができませんでした。
マレーが脱ヘンマンを達成するか否かは今年にかかるのではないかと思います。
理想を言えばナダルを倒しての決勝進出であるべきなのかもしれません。
しかしナダルが敗退した現在、マレーとしてやるべきことはただ一つ、
「勝って決勝に行く」です。
フェデラーも2009年全仏でナダル早期敗退の機を逃さずに優勝しました。
これも理想を言えばナダルを倒しての優勝であるべきだったかもしれませんが
少なくともチャンスを逃さずに優勝したフェデラーを批判する人は誰も居ないでしょう。
逆にですが、ナダルでない選手に敗れて決勝進出を逃した場合、
マレーに対する評価はぐっと下がることになります。
マレーにとってこれは、訪れた大きなチャンスであり、
同時に絶対という期待もより高まったことになります。
ナダルが敗退したことで、この山は混戦模様になっています。
第5シードのツォンガが準決勝でのマレーの相手の一番手になります。
一方でマレーの山は濃いです。
・フェレールvsロディック
・デル・ポトロvs錦織
・チリッチvsクエリーorラオニッチ
・マレーvsバグダティス
まだ3回戦だというのに錚々たる面々です。
大会によってはこれがベスト8の顔ぶれでもおかしくない位ではないでしょうか。
マレーは準決勝を前に足元を救われないかと心配にもなります。
2回戦のカルロビッチも勝ちはしましたが結構良い試合になりました。
マレーにとっては茨のサクセスストーリーが待ち構えています。
これに比べるとトップシードはずっと穏やかです。
シード16人のうち、11人が勝ち上がっています。
シード選手よりもノーシード選手のほうに注目が行きます。
まずは初戦で第6シードベルディフを倒したグルビスですが、
早くも2回戦で敗退してしまいました。
最終セット「9-7」という凄い試合でしたが
ウィンブルドンは相変わらずこういう試合が多いです。
また初戦で第11シードアイズナーを下したファリャですが、
2回戦ではマウーを、これまたフルセットで下しました。
ウィンブルドンでフルセットといえばこの二人!
という二人を連続でフルセットで下したことになります。
因みにファリャはコロンビアの選手でしてスペイン語になりますが
スペイン語は地域によって発音が違いますので
もしかしたらファジャといった表記のほうが
現地読みに近いということになるのかもしれません。
ちょっとスペイン語詳しくないのですいません。
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- 2012/06/29(金) 10:34:45|
- 2012年4月~6月
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さあ、いよいよスタートしました。
ウィンブルドン2012年、1回戦が行われています。
まだ1回戦の全試合が終わったわけではないですが、
いつもの感覚だと終わる前に2回戦もスタートしてしまうので
現時点で出ている結果だけでもさらっておきましょう。
まずはトップシードです。
ジョコビッチはフェレーロが相手でした。
組み合わせとしては注目でしたが結果としてはまあ順当でしょうか、
ジョコビッチがストレートで勝利しました。
ジョコビッチ持ち前のシャープな振り抜きから来る勢いのあるストロークは
かつてはフェレーロのものでもありました。
流れの中で積極的にネットプレーも見せる点や、
フォアからもバックからも攻められるといった点で、
フェレーロはジョコビッチのスタイルの元祖とも言える存在です。
フェレーロ側がどんなプレーを見せるのか注目でしたが、極めて正攻法でした。
自然、真っ向勝負となるわけです。
こうなると9年前のNo.1と現No.1ですから力の差は歴然としていました。
両者、プレースタイルはやはり似ているなと感じました。
ストロークはフラットで打ち込むのが一番の武器ですが
グラスコートの場合は低めの球を如何に処理するかが重要になってきます。
過剰にならない程度にスピンを掛けて、なるべく勢いを殺さないでボールをコントロールする、
とても難しい部分ですが、今はこれがどれほどできるかでグラスのパフォーマンスが変わります。
両者これができるので、一見するとクレー向きのスタイルであるにも関わらずグラスで勝てるのです。
ジョコビッチもまだ完全にフィットしている感じではありませんでしたが
セットが進むに連れて調子が出てきました。
ジョコビッチのほうが切り返しのパターンとボールコントロールで上回っていました。
そしてフットワークでしょうか。これにおける両者の差は明確でした。
同じプレースタイル、同じ戦い方で、ショットとフットワークに差があっては
さすがのフェレーロも勝ち目はありませんでした。まあフェレーロもベテランですから、
もっと意外性のある揺さぶりなどをかけても良かったのではないかとも思うのですが
この奇をてらわないプレーというのも元々のフェレーロの特徴でした。
トップハーフではベルディフが敗れました。相手はグルビスです。
私はかつてこのウィンブルドンでナダルを相手に善戦する姿を見て
グルビスは今後伸びて来るのではないかと思って期待したのですが
その後鳴かず飛ばずでここまで来てしまっていました。
今回もドローを見た時におよ、と思ったのですが、
まあベルディフであれば間違いはないだろうなと思って
前記事では触れるのを飛ばしてしまったのです。
こういう時に限って番狂わせを起こしたりするんですね。困ったものです。
フェデラーは順当にストレートで勝利しました。
今大会、ジョコビッチがベスト4で敗れてフェデラーが優勝すればフェデラーはNo.1に返り咲きます。
フェデラーとジョコビッチはベスト4で当たりますから
自然とフェデラーは優勝すればNo.1になるというわけです。
フェデラーは今大会ドローに恵まれています。しばらくは難敵がいないので変に調子を落とさないことと
2週目に突入して強敵が現れた時にすぐにトップギアに入れられるようにしておくことが大事です。
フェデラーの山ではアイズナーとマウーに注目が集まっていました。
一昨年のあの伝説の試合が今もって記憶に新しい両者は、1回勝てば対決となったのです。
両者は去年も当たっていてその時は意外にもあっさりした決着でしたが
やはり今年も対戦となれば注目度は高まったことでしょう。
しかし、マウーは勝ったものの、アイズナーが敗れてしまいました。
どちらの試合も決着は5セットマッチでした。
アイズナーはエース39本をファイアーして、
最速も139mphと相変わらずのビッグサーブぶりを見せてくたのですが
エース4本のファリャに敗れる形となりました。
ファリャは最速サーブが123mph、
アイズナーは1stサーブの平均速度でそれとほぼ同等のが122mphでした。
明確なサーブ力の差あったわけですが、
現在のウィンブルドンではサーブ力はそのまま勝敗に結びつかないんですね。
ボトムハーフでは、まずマレーがダビデンコを相手にストレート勝利しました。
実際の所、ダビデンコは実績のある選手ですがクレーであればまだしも
グラスでは脅威ではないのでマレーの勝利は順当だったといえるかと思います。
ダビデンコ自身は好きなのでもう少し競ってくれても、という気持ちはありましたが。
マレーとしては次から強敵が続いてくる可能性があります。
まだ結果が出ていませんがカルロビッチが勝てば次の対戦相手となります。
また、この山では、錦織と添田が揃って勝ちました。
どちらもストレートです。良い感じです。
添田は次にデル・ポトロが相手となります。
もう思いっきりぶつかっていって欲しいです。
因みに伊藤は雨天のため試合が順延となっています。
日本人選手が3人も本戦に出てるなんて良い時代になりました。
ドロー表の一番下ではナダルが勝ちました。
ストレートではありましたが、最初のセットでタイブレークにもつれているのは
ナダルらしいといったところでしょうか。
4強の初戦は全員がストレートで勝利したことになります。
コールシュライバーとハースはコールシュライバーが勝ちました。
ハレとは逆の結果ではありましたが、内容は凄まじかったです。
フルセットとなり真ん中の3セットは全てタイブレークでした。
ハースも結果としては初戦敗退になってしまったわけですが、
このグラスシーズンでまだまだ行けるということを示してくれたことになります。
ボトムハーフで一番の注目試合としてツォンガvsヒューイットがありました。
結果はツォンガのストレート勝利でした。
この試合はジョコビッチvsフェレーロの感覚に近いものがありました。
ただ、ヒューイットはフェレーロよりもウィンブルドンでの実績がありますし
もう少しきわどい試合を見せてくれるかなと期待していたのですがダメでした。
さて、今日から2回戦ですが、初戦に比べると組み合わせは少しおとなしいです。
その分3回戦は色々と盛り上がりそうな気配がありますので問題はありませんが。
2回戦注目試合はどれでしょうか。
まだ結果が出てないですが、実現するとすればマレーvsカルロビッチになりますか。
ジョコビッチvsハリソンもあります。
ハリソンはアメリカ期待の若手ということで注目されていますが
正直私としてはまだ凄いと思うところを目にしていないのでなんともいえません。
個人的に一番を上げれば、それはもちろんデル・ポトロvs添田です。
あと、雨天順延中の伊藤も勝てばチリッチとの対戦になります。
ただし、現在2セットダウンのしかも3-5ダウンという状態での中断ですから
少々厳しい状況ではあります。
錦織はセラが相手です。ここはしっかり勝って欲しいところです。
順当に行けばランクも上の錦織が勝つべきなのですが
初戦の印象ではジョコビッチ同様グラスコートへのフィットはまだという気がしました。
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- 2012/06/27(水) 11:12:12|
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私はテニス界の、殊更にウィンブルドンのみを取り上げ過ぎる風潮というのがあまり好きではありません。
これまでも、そうした部分に苦言を呈した記事などを何度か載せたりしてきています。
しかし、やはりこうしていざスタートという段階まで来ると毎年のことながらワクワクしてしまいます。
全仏の熱が冷めきっていない状態だからこそ尚更というのもあるでしょう。
私のテニスの原点はやはりウィンブルドンなのだと思います。
テニス自体の原点だってそうです。
例えば歴史年表の覚え方もこうです。
西南戦争と第1回ウィンブルドンは同じ年、第1回ウィンブルドンは1877年、よって西南戦争は1877年。
OK牧場の決闘と第1回全米は同じ年、第1回全米は1881年、よってOK牧場の決闘は1881年。
キング牧師暗殺、ケネディ暗殺、テニスオープン化は同じ年・・・以下略
まあOK牧場の決闘が歴史年表に載る事件なのかはよくわかりませんが。
本題に戻しましょう。
ウィンブルドン、今年のドローが発表されました。
第1シードはジョコビッチです。
初戦でいきなり元No.1のフェレーロと当たります。早速の注目試合です。
ディフェンディングチャンピオンの初戦ですから
当然センターコートのオープニングゲームになるわけですが、
通常この枠は予選上がりの選手との対戦となったりして
あくまでも前年王者の顔見せみたいな意味合いが強くなるものです。
中には2003年のヒューイットvsカルロビッチのような思わぬ試合もあったりはしますが
今回のように戦前からいきなり注目というのは珍しいと思います。これは大いに楽しみです。
ジョコビッチはその後、ハリソンと盧彦勳の勝者との対戦となります。
ハリソンはアメリカ期待の若手、盧彦勳は前回オリンピックでマレーを下した選手です。
更にその後もステパネク、ジェームス・ブレーク、ベンジャミン・ベッカーなどがいて
なかなか濃いドローが組まれたことになります。
まあ特別問題が無い限りジョコビッチであれば順当に勝ち上がれるでしょうが、
序盤から名のある強敵との対戦が観られるというのも興味深いものです。
ジョコビッチと準々決勝で当たる位置には第6シードのベルディフがいます。
順当にこの二人が対戦することになったらかなり熱い打ち合いが見られるのではないでしょうか。
両者の対戦はジョコビッチの9勝1敗ですが、唯一の敗戦は2010年ウィンブルドンでした。
第3シードのフェデラーはジョコビッチと準決勝であたる場所に入りました。
同じ山のシード選手としてはベルダスコやシモンがいます。
足元を救われかねない相手でしょうが、順当に行けば大丈夫でしょう。
以前は3強の3番目の選手がどちらの山に入るかというのは大きなポイントでしたが
今回はフェデラーとしては準決勝がジョコビッチでもナダルでも
もはや戦いにくさはあまり変わらないと思います。
まずはそこまで行ってそして勝つというシンプルなスタンスで良いでしょう。
フェデラーの山の反対側には第8シードのティプサレビッチが入りました。
初戦はいきなり話題の人、ナルバンディアンが相手です。
その後も、ユーズニー、セッピ、アンドレエフ、マウー、アイズナーなど強敵が揃っています。
因縁のマウーとアイズナーの名が見えますが、両者は1回勝てば対戦することになります。
テニスの神様はやっぱり二人をウィンブルドンで戦わせたいようですね。
ボトムハーフ、第2シードはもちろんナダルです。
一番近いシード、すなわち3回戦で対戦する位置には第27シードのコールシュライバーが入りました。
ご存知のとおり先々週のハレでコールシュライバーはナダルを下しています。
ナダルとしてはリベンジ、コールシュライバーとしては返り討ちにしたいところでしょう。
しかし、その前にコールシュライバーは初戦のハース戦を戦わなければいけないのです。
ハースはそのハレでコールシュライバーを下してそのまま優勝した選手です。
ここも僅か2週間前の因縁が続きます。面白いものです。
ランキング通りに行けば、ハレとは全く逆の結果、コールシュライバーがハースを下し、
ナダルがコールシュライバーを下すということになるのですが果たしてどうなるでしょうか。
ナダルと4回戦で当たる場所には、ドルゴポロフ、フェリシアーノ・ロペスがいます。
ドルゴポロフはグラスでのナダル戦など、とても面白そうなプレーをしそうです。
またフェリシアーノ・ロペスの初戦の相手はニエミネンで、
これはサウスポー同士、フェデラー世代同士の対戦ということになります。
ナダルと準々決勝で当たる位置には第5シードのツォンガがいます。
ツォンガはいきなりレイトン・ヒューイットが相手です。
今年は初戦から注目試合が多くて困ります。
さて、準決勝でナダルと対戦する場所は第4シード、アンディ・マレーです。
今年もまたナダルと準決勝で当たるポジションになりました。
そして反対側には全仏で苦杯をなめた第7シードのダビド・フェレールがいます。
初戦はいきなりのダビデンコとの対戦です。
その後もカルロビッチ、バグダティスやケヴィン・アンダーソン
そしてラオニッチ、クエリー、チリッチなどかなりのメンバーが入っています。
マレーはとしては決して良いドローとはいえません。
ダビド・フェレールのほうも楽なドローではありません。
3回戦のポジションにはロディックがいますし4回戦では第9シードのデル・ポトロが待っています。
このデル・ポトロの山は日本人選手も豊富で、2回戦では添田、
そして3回戦では第19シードの錦織との対戦が組まれることになります。
今年は本当に組み合わせが熱いですね。
初戦から見所満載でまた寝不足の2週間となるのが目に見えています。
皆さん覚悟はいいですか?
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- 2012/06/25(月) 10:52:07|
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