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 レンドル最強説&フェデラー最強説blog

【レンドル最強説】の雑記部分をブログ化しました。右のリンクから本体へも是非どうぞ。

2016年、ドバイ、アカプルコ

2月最終週では3トーナメントが行われています。
錦織の出ているアカプルコも気になるところですが、
選手層的に一番熱いのはドバイでしょう。
時差の関係で他の大会よりも一足先にベスト8まで進んでいます。

2回戦は8人全員がストレートでの勝利を収めています。
好調の選手たちが揃ったとみていいでしょう。
ベスト8の組み合わせは以下の通りです。かっこ内はシードです。

・ジョコビッチ[1]vsF・ロペス[6]
・バウティスタ・アグー[4]vsバグダティス
・ベルディフ[3]vsキリオス
・バブリンカ[2]vsコールシュライバー[8]

マスターズ500としては中々の顔ぶれです。
ノーシードで勝ち上がっているのはバグダティスとキリオスで
それぞれ初戦で第5シードのトロイツキと第7シードのクリザンを下しています。
初戦から今月好調のキリオスとクリザンの対戦が組まれていたんですね。
この勝負はフルセットでキリオスが制しました。
キリオスはベスト8でベルディフと当たりますが、これは全豪のリベンジマッチとなります。

若いキリオスの存在は目立ちますが、
勝ち上がっている8人のうち実に5人は30代の選手です。
このところあまり活躍の目立たなかったバグダティスや
滋味あふれるコールシュライバーの様な選手が勝っているのがいい感じです。
もっとも、ジョコビッチが今年29歳、バウティスタ・アグーが28歳ですから
全体的に年齢層は非常に高くなっています。


さて、アカプルコの方も気になります。
まだ2回戦が始まったばかりであまり大会が進行していませんが、
過去4回優勝しているトップシードのフェレールがドルゴポロフに敗退してしまったようです。
フェレールは去年の2月にマスターズ500大会を2つ制覇していて今月のポイント維持が厳しい状態でしたが
結局ここでも敗退してしまったために、かなりのポイントを落としたことになります。
今大会もトップシードではありましたが、ランキングは第2シードの錦織のほうが上になっています。
フェレールは現在8位で、9位のツォンガとの間にはまだ1000ポイントありますので更に下がることはないでしょう。
一方で7位ベルディフとは僅差なので、3月のマスターズ1000でのポイント挽回は可能です。

フェレールの敗退により大会における錦織の優位性は増したといえます。
ただ、思わぬベテランの奮闘や、若手の頑張りもあって大会によっては読めない展開となることもあります。
ドバイはベテランの活躍が目立ってますが、アカプルコでは若手のエントリーが目立ちます。
ティエム、トミック、ディミトロフ、ハリソン、そしてメンフィスで錦織と決勝を戦った
アメリカ18歳のテイラー・フリッツも勝ち上がっています。
錦織はこれらの挑戦を受ける側の選手になっているわけです。存在感あります。
今の高年齢層時代からすれば、この辺の若手の挑戦は一蹴してほしいものですがどうでしょう。
今年1月の大会ではトミックに敗退していますし、必ずしも順当な勝利が約束されているわけではないですが
コンディションはその時とは確実に違うはずですから今後の展開を見守りたいと思います。


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  1. 2016/02/25(木) 12:08:16|
  2. 2016年1月~3月
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2016年、2月のATPツアー

毎年2月はどうしても軽い感じになってしまいますね。
中間報告的な感じですが2月のトーナメントを簡単に見てみましょう。

調整の雰囲気もあるので上位の選手が必ずしも勝たないのはある意味そう驚きではありません。
何人かのトップ10選手が大会に出て優勝せずに敗退などしています。
2月の大会に出て、無敗のトップ10選手というのは今のところ錦織だけです。

そうした中で印象に残ったのはティエムとキリオスの優勝です。
今の力関係では若手が勝てるのは狭間の季節だけですから
こうしたの中でしっかり勝っていくのは重要です。

ティエムはクレーでナダル、アルマグロに勝っての優勝ですし
キリオスもガスケ、ベルディフ、チリッチに勝っての優勝でしすから
小さなマスターズ250大会だったとはいえ意味のある優勝だったといえるでしょう。
両者とも力はあって前々から期待はされていましたから一皮むけるチャンスが近く訪れるでしょうか。

他に、クリザンも若手に入れていいかもしれません。今の基準では。
もう25歳ですから本来であれば微妙なんですけど。
クリザンが優勝したロッテルダムはマスターズ500です。
ティエム、キリオスよりも大きな大会で優勝したことになります。
またクリザンは月初のソフィアで行われた大会でも準決勝に進出しているので
今のところ2月で最もポイントを稼いでいる選手になっています。

トップ10選手では、先にも述べましたが唯一の月間無敗となっているのが錦織です。
錦織はメンフィスで4連覇を達成しました。
同一大会で4連覇というのは現役では4人しかやっていないということでこれはかなりの好記録です。
因みに錦織以外の3人というのはもはやほとんど「人」じゃないですから
現在ツアーを回っている通常の人間としては錦織が唯一の4連覇記録保持者ということになります。
まあメンフィスはマスターズ250の小さな大会ですけどね。
マスターズ250の上にはマスターズ500があって、その上にマスターズ1000があって、
更にその上にグランドスラムがあって、
錦織以外の3人というのはそのグランドスラムで4連覇(つーかそれ以上)
をやってるわけですからさすがに比較となるとお話にならないレベルなんですが。

さて、2月はまだ1週残っています。最後の週である今週は3大会が行われます。
クレーのサンパウロはマスターズ250ですが、
ドバイとアカプルコはいずれもハードコートのマスターズ500です。
位置付け的には来月のインディアンウェルズ、マイアミを占う大会となりますので
結構上位の選手がエントリーしています。

シードを見てみますと、ドバイはジョコビッチ、バブリンカ、ベルディフ等、
アカプルコはフェレール、錦織、チリッチ等となっています。
それぞれトップシードはいずれも同大会で3連覇を含む過去4度の優勝を飾っています。

ドバイといえばフェデラーが過去7回優勝していて庭と呼ぶべき大会だったわけですが
怪我のために戦列を離れてしまっているのが残念です。

今月活躍を見せているティエムはアカプルコ、
キリオスとクリザンはドバイに出場します。


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  1. 2016/02/23(火) 12:00:06|
  2. 2016年1月~3月
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2016年、全豪優勝はもちろんジョコビッチ

もう、これは全くの予想通り、と言わざるを得ませんね。
完全なる1強時代の到来とすら言えます。

ジョコビッチのグランドスラム優勝は11回、遂にボルグ、レーバーと並びました。
そして決勝進出も19回でレンドルと並んでいます。

全豪優勝6回はオープン化後ではもちろん史上最多、歴代でもエマーソンと並ぶ最多タイです。
同一グランドスラムでの優勝6回というのも、
オープン化後ではボルグ、サンプラス、フェデラー、ナダルしかやっていません。
完全にレジェンド入りですね。

少し前までは全豪はレベルの劣る大会とされていました。
オープン化後にしばらく縮小運営されていた70年代前後であればその評価もあり得たでしょうが、
ドローがを拡大された80年台半ば以降では本来そんなことはないはずだったのです。
しかし、特にアメリカでの評価が顕著で、例えばアガシですら、
全豪優勝がが多いという理由で、生涯グランドスラマーであるにも関わらず、
同じ優勝8回のコナーズや一つ少ないマッケンローよりも
グランドスラム実績は下であるとみなされることもしばしばだったのです。

しかし現在は上位陣には出場義務がありますし、大会規模も充分に大きく
何よりあの観客の盛り上がりも含めれば、全豪が一つ下であるとする考えは有り得ないでしょう。
仮にあったとすれば、それは現実を捉えきれていない古い考え方に過ぎません。
そして今回のこのジョコビッチの戦いぶりは、
まだそうした古い考え方が息をしているとするならば
それに完全にとどめを刺す、圧巻の勝利だったといえます。

今大会のジョコビッチには過去の多くの選手の姿が重なりました。
守備のショットなのか攻撃のショットなのかわからないような態勢から
ズバズバとオンザラインを畳みかけてくる姿は最盛期のコナーズそのものでしたし
どんなに打ち込んでも壁のように打ち返して全くペースを握ることができない
絶望のラリーを展開する様はまさしくボルグでした。
ピンチになっても安定したサーブとショットで瞬く間に形勢を逆転し
ピンチであったことを忘れさせてしまうその存在感は私が憧れてやまなかったレンドルのものですし、
プレースタイルこそ違いますが、勢い付いたサービスゲームでは、サーブか、
サーブ後の1ショットのみで簡単にキープし相手に何もできない感覚を与える姿はサンプラスのそれでした。
そして、もう対戦前から誰も勝てないだろうなと思わせるその絶対王者感満載の雰囲気は
さながら10年前のフェデラーを思わせます。

かつて、ロッド・レーバーがフェデラーに勝つ方法を聞かれた時
「フェデラーの頭を後ろからラケットで殴るしかない」と答えていましたが、
今のジョコビッチも同じで、せいぜい大量のグルテンでも浴びせるしかないんじゃないでしょうか。


ジョコビッチは今大会でグランドスラムの準決勝進出の回数が29回となりました。
28回のレンドルを抜いて歴代で単独3位になっています。
最高はフェデラーの39回で、ここはまだ10回の差がありますが
2位のコナーズは31回ですので、これは既に射程内に入れています。
因みにそれ以下はアガシが26回、サンプラスとナダルが23回、
エドバーグ、マッケンローが19回、ベッカー、マレーが18回、ボルグが17回となっています。

ジョコビッチの準決勝進出29回の内訳は、全豪6回、全仏7回、全英7回、全米9回です。
意外なことに全豪が一番少ないのです。
しかし6回というのは優勝の回数と同じである点には注目です。
そう、全豪のジョコビッチは準決勝と決勝で一度も負けていないということなのです。
これを冷静に数字で見れば早期敗退が意外と多いということではあるのですが、
印象としては絶対的な強さを感じさせるものがあるともいえます。
同一グランドスラムで3回以上優勝を飾っていてしかも準決勝以降では負けなしという例は
他に全仏のナダル、全仏のボルグ、そして全仏のクエルテンがあります。いずれも全仏です。
スペシャリストのイメージの強いクレーでの達成はまだ何となくイメージは分かりますが
ハードコートでの達成というのはその強さの印象をより格別なものにするに充分たるものではないでしょうか。
(因みにジョコビッチのコーチであるボリス・ベッカーも
 全豪の準決勝進出は2回ありそのいずれでも優勝しています。
 ただ2回ではさすがにちょっと印象が弱いですよね)


準々決勝進出のの記録というのもあります。
47回 フェデラー
41回 コナーズ
36回 アガシ
35回 ジョコビッチ
34回 レンドル

今大会でレンドルを抜いたというのは準決勝と同じなのですが、ここではあと一つ上にアガシがいます。
さすがはミスタークウォーターファイナル。
しかし、ジョコビッチはそれにもあと一つと迫っています。

ミスタークウォーターファイナルがアガシなら、ミスターセミファイナルはコナーズ、ミスターファイナルはレンドルでしょう。
ミスターグランドスラムは言わずもがなフェデラーで、ミスターエントリーはサントーロということになるでしょうか。

さて、話を優勝に戻しましょう。
ジョコビッチはこれで去年のウィンブルドンから3大会連続でのグランドスラム制覇となりました。
自身2度目の快挙です。他に2度やっているのはフェデラーしかいません。
(サンプラスとナダルが1回ずつやっています)

もちろんその上には、何といってもレーバーの4大会連続というのがあります。
ジョコビッチは次の全仏でこれを目指すことになります。
去年はバブリンカに不覚ともいえる敗退を喫しましたが、
今年、それに匹敵する危機は果たしてジョコビッチの前に訪れるでしょうか。


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  1. 2016/02/01(月) 11:54:23|
  2. 2016年1月~3月
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2016年、全豪決勝

ジョコビッチvsマレーの決勝になりました。
何だかんだで第1,2シードでしたか。

ラオニッチは惜しかったですね。
サーブの威力はもちろんですが、それだけということはなく
ラリーになってもマレーに一歩も引かないどころか
むしろ圧倒するシーンもしばしばでした。
正直、決勝を見据えた場合、より多くの可能性を感じたのはラオニッチの方です。

あの第3セットまでのラオニッチであれば
ジョコビッチ戦も非常に面白いものになったと思います。
確かにラオニッチは一度もジョコビッチに勝っていないですが
今大会での確変も充分に感じうるプレーぶりでした。

最後は足の状態から完全に調子を失ってしまったのは残念ですが
それも含めてのコンディションも克服しないと勝ち上がれないのが
今のグランドスラムということなのでしょう。

これにてジョコビッチの史上最多、かのロイ・エマーソンに並ぶ
6度目の全豪優勝は決まったようなものです。
相手はイギリス人のなんとかマレーという選手です。
全豪では一度も優勝したことがありません。

これまで、同一グランドスラムで5度優勝している選手が
そのグランドスラムに一度も優勝していない選手に決勝で負けた例は
長い歴史上でたったの2例しかありません。
なんと約140年でたったの2例!!

前記事で書いた4強のうちの2人を撃破するというのが8年で4例でした。
それですら恐ろしく難しいという触れ込みであったのに、今回は桁が違います。
年間グランドスラムですら3例ですから、それよりも少ないのです!!

ね、まず無理でしょう。

因みにその2例というのは
1981年ウィンブルドンのマッケンロー、そして
2008年ウィンブルドンのナダル、です。

今回は、ウィンブルドンじゃない、サウスポーじゃない、
そしてマッケンローでもナダルでもなくマレーである、ということ。
ほら~、どう見ても無理だわ~

恐らく決勝のジョコビッチは半分寝てても優勝するでしょう。


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  1. 2016/01/31(日) 08:29:57|
  2. 2016年1月~3月
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2016年、全豪ベスト4

さあ、いよいよベスト4が出揃いました。

・ジョコビッチvsフェデラー
・マレーvsラオニッチ

ああ、これは実質トップハーフが優勝争いだ、なんて言っちゃ駄目ですよ。
まあそうなんでしょうけども、ボトムハーフにはラオニッチがいるじゃないですか。
今大会台風の目となったのはラオニッチでしたね。
ラオニッチの実力をして台風の目といわれてしまうのも少々気の毒ですが
それほどトップの壁は厚いということです。
最近はベスト4のみならず決勝にもビッグ4以外の選手が出てくるようになっていますし
ラオニッチ自身グランドスラムでベスト4の経験は既にあるわけですが
こうして改めてトップ選手と並ぶと、頑張って勝ち上がってきたんだなあという感じが強まります。
実際、ナダルの早期敗退はありましたが、バブリンカをフルセットで下してますし
ドローに恵まれたというよりも力で勝ち上がってきたと言って問題ないでしょう。

これまでのグランドスラムでも、ここまで到達する選手はいました。
しかしここから更にもう一つ勝つというのがとても難しいのです。
ラオニッチが準々決勝で下したモンフィスなどもそうです。
ベスト4まではこれても、そこからが勝てないんですよね。

ラオニッチはここからビッグ4との連戦が組まれることになります。
一つのグランドスラム大会の中でビッグ4から2勝できた選手というのはほとんどいません。

ちょっと過去のデータを見てみましょう。
4強時代となったのは2008年の途中ですが、それ以降で4強のうち2人に勝った例、
というのを探してみましたところ、4例ありました。
面白いことに、今大会のフェレールvsヒューイット戦のように、各大会で一つずつとなっていました。

2009年全米デル・ポトロ(ナダル、フェデラーに勝利。優勝)
2010年全英ベルディフ(ジョコビッチ、フェデラーに勝利。決勝でナダルに敗退)
2014年全豪バブリンカ(ジョコビッチ、ナダルに勝利。優勝)
2015年全仏バブリンカ(フェデラー、ジョコビッチに勝利。優勝)

しかし約8年で僅か4例です。全くないわけではないですがたったの4例です。
同じ期間で4強以外のグランドスラム優勝というのも4例ですから同じだけ難しいことになります。

ラオニッチはこれからベスト4の壁とビッグ4の壁という大きな2つの壁に直面することになります。

もう一つ面白いデータがあります。
実は、4強から2勝した例、もう一例あるんです。
2008年全豪で準優勝したツォンガが実はマレーとナダルに勝っているのです。
しかしこの時ナダルはともかく、1回戦で当たったマレーはまだ第9シードであり
4強時代の到達には至っていませんでした。そのため上記の例からは外しています。
この年の年内にマレーはランクを伸ばして4強時代といわれるようになりました。

しかし、改めて4強時代っていつなんでしょうね?
マレーが4位に入ってきた2008年の途中が始まりというのは良いと思います。
その後、ずっと4人が上位4位を独占してきたわけではありません。
時にはマレーが大きくランクを落とし、またフェデラーがランクを落としたときもありました。
でも、後から振り返ってみればそれでも4強時代と呼んで差し支えなかったと思います。
しかし今、ナダルが一時の不調というのではなく本格的に落ちてきてしまっています。
もちろんまだわかりませんが、将来から振り返ってみれば、
あるいは今こそが4強時代終焉の時なのかもしれません。

もしもそうならばですよ、4強時代到来の直前に
ここ「全豪」でツォンガによって4強の2撃破が達成されているわけです。

であれば、4強時代終焉の直後に、ここ「全豪」で、
ラオニッチによって達成されるというのも、あながち的外れな見解ではないのではないでしょうか。

そのような視点で見れば、よくあるただの3強+1の図式ではない
新しい可能性を感じさせる準決勝と決勝を味わうことができると思います。

まずは準決勝、ラオニッチのマレー戦の対戦成績は3勝3敗です。


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  1. 2016/01/28(木) 10:16:35|
  2. 2016年1月~3月
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2016年、全豪ベスト8出揃う

・ジョコビッチvs錦織
・フェデラーvsベルディフ
・ラオニッチvsモンフィス
・マレーvsフェレール

バブリンカとナダルのいた山が乱れました。
代わりにそれぞれがラオニッチとモンフィスが入っています。
その他の山は上位シードが勝ち上がりました。
安定の大会、といえるのかどうか。
近年のドが付く安定感が長く続いていた状態からすれば
乱れてきているといってよいのでしょう。
もっとも、上位8人のうち6人がベスト8に残るというのは
20年前なら確実に大安定大会であったということになります。
最近の上位陣の強さのせいで、上位が勝つのは当たり前という感覚に我々もなってしまっています。
そして当然のように上位の中に錦織が入ってきているというのもまた感無量でありましょう。

最強王者ジョコビッチは4回戦、シモンを相手に大苦戦しました。
エラーの数が実に100以上!もう皆の知ってるジョコビッチじゃない。
シモンのようなひらりとかわしてくるような選手にも問題なく打ち勝つのがジョコビッチという印象でしたが、
随分と苦労していました。そもそも調子が上向かなかった感じです。
本気モードになったファイナルセットこそ圧巻でしたので
地力はまあそりゃずっと上だったのは間違いないでしょうが。

ジョコビッチがこの不調を次の試合に持ち越すことは、考えにくいと思います。
残念ですが錦織は気合を入れなおしたジョコビッチと戦わなくてはいけないのです。

バブリンカを下したラオニッチの試合も凄かったです。
時代が違えばラオニッチはそのビッグサーブを活かしたサーブ&ボレーで一世を風靡したことでしょう。
しかし今の時代、バブリンカほどのリターンとパスがあればそれを許すことはありません。
ラオニッチは今の王道のプレースタイルではないのでとても貴重な存在です。
全く違ったタイプの選手が激戦を披露するときは決まって試合が面白くなります。
ジョコビッチvsシモンに比べてエラーの数も少なかったですし、
パワーとスピードの真っ向勝負という感じが好印象で、私がこれまで観た中では今大会のベストマッチでした。
仮にジョコビッチが負けていたらひどい負け方だなあ、ということになりますが、
バブリンカの敗退は残念でこそあれ、まあ仕方なかったかな、という思いが強いです。

あと印象的だったのはやはりフェデラーです。
ナイトセッションで組まれていましたが、前の試合が遅くなったため
試合が始まったのが午後11時という驚きの深夜マッチとなりました。
フェデラーはナイトセッションが好きでないと常々言ってますね。
空気が冷えるとボールの跳ね悪くなるとかなんとか。
当然時間が経てば経つほどより悪くなっていきます。

ナイトセッションは好きではない
しかし深夜に組まれてしまった
どうすればいいか?

で、フェデラーが出した結論がこちら → とっとと終わらせる。

ファイナルセットこそワンブレーク許しましたがもう終始圧巻でした。
短期決戦のマスターズ大会ならまだしも、グランドスラムにおいて
あんなにも圧倒的で危なげがなく躍動感のあるフェデラーって久しぶりに見ました。
あの強かった2006-07年当時も凄かったですが、今よりもストローク主体でしたから
華麗に前に詰める躍動感はむしろ今の方が上かもしれません。

できればもう一回観たい戦い方ですが、今大会はもうないかもしれません。
というのも、相手がどんどん強くなっていくというのもありますが、
あれはナイトセッションだからこその動きだったと思うからです。
確かに冷えればボールは跳ねないかもしれませんが、体への負担は少ないです。
適度な気温がフェデラーを快活に動かしたのではないかと思います。
炎天下であのきびきびした動きはさすがに疲労につながってしまうでしょう。
これからはスケジュール的に昼間の戦いがメインとなっていくはずです。

あと、もちろんフェデラー自身の体の調子が良かったのもあるでしょう。
ただ、こうした好調が何試合も続かないのが今のフェデラーなのでその辺は心配もあります。


--

最後に、蛇足ですがキリオスとディミトロフについて。
個人的に「好きではない選手」という表現をしています。
コメント欄でもいただきましたが、私の「好きではない」という書き方は
意味が少々わかりにくいというのが確かにあろうと思います。
マレーが典型的な例です。というかマレーにしか適用してない言い回しではありますが
私はよくマレーを好きではないと言ってダメ出ししたりしています。

ここははっきりしておいたほうがいいでしょう。

マレーに対する「好きではない」は愛情です。
マレーのことは本当は・・・もう、今日しか言わないですよ、本当今日だけですからね、す、好きです。ひ、比較的

しかしキリオスとディミトロフは違う。本当に好きではないです。
確かにプレーは良いときもあります。いいものを持っています。
でも宝の持ち腐れというか、活かしきれてないあの感じと、
何よりしばしば見せるテニスに集中してない感じがダメですね。
本当、突如気楽に集中を欠きます。

別の場所でこの話をしたときに、では悪童タイプが嫌いなのか、と聞かれたことがあります。
それも違います。マッケンローやイバニセビッチは好きですし、サフィンなんて大好物です。
彼らも同じように集中を欠くんですが、うまく行かないことに苛立って苛立ってうまく行かないんです。
まあマッケンローに関しては苛立って苛立ってうまく行っちゃうんですけど。
結果は伴いませんが、集中を欠いていても苛立ちに乗せて何とかしようともがいている感じがいいですよね。
結局はテニスに対しての真剣度だと思います。

そこへ行くとキリオスなんて笑って観客をあおり出したり、小物感が半端ないです。
ヒューイットの姿勢を少しは見習ってほしいんですけどね。


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  1. 2016/01/26(火) 11:12:18|
  2. 2016年1月~3月
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2016年、全豪1回戦とトップハーフの2回戦

ナダルの敗退は一番のニュースでしょう。
数年前と違ってナダルもよく負けるようになってしまいましたが、
それでも初戦敗退というのはやはり残念です。
相手がベルダスコですからドロー運もあったといえなくもありません。

その他にトップハーフではカルロビッチとペール、
ボトムハーフではフォニーニ、アンダーソンのシードダウンがありました。
シードダウンの数としては少ないと思いますが
それぞれ期待値の大きかった選手が敗退しているといえます。

カルロビッチはもちろんあのサーブですが、
何よりマレーとフェデラー以外に一番最後にジョコビッチに勝った選手でした。
今回のドローでもジョコビッチの近くにいました。
また、ペールはご存知、去年錦織を苦しめた選手でした。
こちらも錦織のそう遠くない場所にいましたので
勝ち上がって対戦ということになれば面白いことになったかもしれませんでした。
また、ボトムハーフのフォニーニは去年ナダルを3度も倒したことで話題になりました。
こうした上位シード勢を苦しめてた選手たちが相次いで敗れたわけですが、
中でも特にアンダーソンは個人的には負けてもらっては困る選手でした。
というのも、私はこのところ周りの人間に対して、マニアックな選手で注目するなら誰、
という回答にケヴィン・アンダーソンと答えていたのでした。
(このブログしてることは周りにはあまり言ってないです。隠してます。普通にテニスが好きな人で通ってます。あしからず)

本当に、言ったことが逆になるこの私の気質はどうにもならないですね。
ブログと関係なくてもフラグを立ててしまうとは思いませんでした。
大会を面白くするにはもうジョコビッチが絶対に優勝するとでも言っておけばいいでしょうか。
もっとも、全盛期のフェデラーとナダルは平気で私のフラグをへし折ってきましたので
ジョコビッチクラスになるとあまり関係ないかもしれませんが。

あと、あの全然全く楽しみではないヒューイットとフェレールの試合8は
きっと全然全くつまらない試合になることでしょう。


さてさて、ここまでは1回戦の話です。
トップハーフは2回戦も終わっていますが、シードダウンは1つもありませんでした。
不気味なくらい皆順当に勝ち上がりましたね。
3回戦は早くもシード同士の対戦になります。
ジョコビッチvsセッピ、フェデラーvsディミトロフ、ベルディフvsキリオスなどが組まれています。

私の好きでないディミトロフとキリオスは勝ちますね、きっと。


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  1. 2016/01/21(木) 10:16:50|
  2. 2016年1月~3月
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2016年、全豪開幕

早いですね、季節が巡るのは。
もう全豪開幕です。

ドローをチェックしようとしてうっかり先週のオークランドを見て
第1シードがジョコビッチでないので目を丸くしてしまいましたが
気を取り直して、ちゃんとした全豪のドローを追って行きましょう。

まずトップクウォーター、ジョコビッチの山です。
ここは一番大きな山と言えるのではないでしょうか。

ジョコビッチの反対側のシードには錦織圭がいます。
そして錦織の初戦の相手はかのコールシュライバー氏、他にはカルロビッチもいますし、
かつてのファイナリスト同士、ツォンガvsバグダティスという懐古趣味的な初戦も組まれています。
その他のシード選手としてはセッピ、シモン、
そして錦織の天敵扱いも板についてきたペールがいます。
技巧派がずらりと揃っている印象です。

錦織にとっては非常にやりにくいドローだと思います。
一方ジョコビッチにとっては、概ね与し易い選手が揃っているのではないでしょうか。


トップハーフの下の山、セカンドクウォーターに行きます。
ここは第3シードフェデラーの山です。
このところのグランドスラムではジョコビッチの決勝の相手がマレーなのかフェデラーなのか、
といった感じになっていますが、今大会に関してはマレーがその権利を得たことになります。

フェデラーの近くにはドルゴポロフやディミトロフ、ティエムなどがいます。
順当に行って欲しいところですが近年のフェデラーには不覚もあります。
これらの選手とのマッチングは少々気になるところです。

フェデラーの反対側には第6シードのベルディフが入っています。
ベルディフは全豪と相性が良く、2年連続ベスト4、5年連続ベスト8進出中です。
2013年まで毎年、グランドスラムでの初戦敗退を喫していた選手なのですが、
ここ2年は打って変わって安定度を売りにしているのが実に面白いです。
第5~第8シード勢の中でも特に期待のできる選手なのではないでしょうか。

他にこの山にはチリッチ、クエリーといったキャリア組、
クリザン、キリオス、コリッチそして日本の西岡といった若手が揃っています。
キリオスは去年の活躍もありますし、地元ということで期待が大きいでしょう。
個人的にはディミトロフと並んで周囲の期待が過剰すぎることから
あまり応援したくないタイプの選手なのですが、それでも魅力的なテニスをします。
まあ、頑張れるなら頑張ればいいのではないでしょうか。


ボトムハーフに行きましょう。
まずは上の半分、第4シードのバブリンカの山ですが、ここには第5シードのナダルも入りました。
第3シードや第5シードというのは、どこに入るのかがいつも注目されます。
今回はフェデラーとナダルですので、多くの人にとってドロー発表で最初に見るべきポイントだったかもしれません。
ナダルは全ての選手にとって脅威ですが、シャープなショットで戦えるトップ選手にとってはかつての怖さがありません。
それでも、バブリンカとすれば第5~8シードの中で一番来てほしくなかった相手ではあるでしょう。

ナダルがいるという以外の点でも、個人的にここは非常に熱いドローになっていると思います。
日本の伊藤と杉田とダニエル太郎がいまして、
それぞれの相手がステパネクとモンフィスとロソルいう名の知れた選手ですし、
ナダルの初戦はベルダスコ、すぐそばにはセラとベンジャミン・ベッカー、
バブリンカの初戦はツルスノフ、次の相手がステパネクと伊藤の勝者となっていますから
もう最初から見どころがわんさかと詰まっています。
他にもラオニッチ、ケヴィン・アンダーソン、グルビス、シャルディ、マウー、ロブレド、トロイツキに
アメリカ期待のハリソン、ソックまでいます。最後の二人はおまけ感もありますが、ともあれここは個人的に注目の山です。


最後に一番下、マレーとフェレールの山に行きます。
ここはやはりヒューイットでしょうね。
遂に引退とは・・・残念なものがあります。

ヒューイットは2回戦でフェレールと当たる場所にいます。
組み合わせは厳正な抽選で行われるのですからどうしようもないですが
仮に操作できるというのであれば、私なら初戦でフェデラーと当ててました。
とはいえ、2回戦で当たる可能性のあるフェレールもまた同世代の選手です。

フェレールは、ヒューイットが猛威を振るっていた頃にはまだ活躍していなかった大器晩成の選手ですので
両者がトップで戦ったという印象はほとんどないかと思います。
事実、同世代の選手にしては過去3回の対戦しかないというのがそれを表しています。
ただし、面白いデータがありまして、その3回というのがウィンブルドン、全仏、全米なんです。
最初がヒューイット、後ろの2回はフェレールが勝っています。
今回対戦が実現すれば、4回の対戦で4つのグランドスラム制覇ということになるわけです。
こうなると俄然、対戦を実現させたいものです。

第2シードのマレーは2回戦でグロート、4回戦でトミックと当たります。
両者はもちろん地元選手ですから期待は大きいとは思うのですが
確実にプレーできればそれほど大きなトラブルにはならないでしょう。
その後順当にフェレールが勝ち上がってきたとしても得意にしている相手ですので
マレーとしてはかなり良いドローになったのではないでしょうか。
全体的に比較的おとなしめの山だと思います。

この山の初戦で他に注目したいのはイズナーvsヤノヴィッツでしょうか。
ヤノヴィッツはこのところパッとしませんが、
うまく行けばスケールの大きい試合になってくれると期待したいです。

最後に、第32シードのジョアン・ソウザがこの山にいます。
しかし残念ながらジョアン・ソウザは出場しておりません。


というわけで、ざっと駆け足でドローをさらってみました。

結局はジョコビッチを中心とした大会であることは間違いなさそうです。
前哨戦を観ても明らかなように思えます。
もちろん去年の前哨戦を振り返れば、準々決勝でジョコビッチがカルロビッチに敗れ、
しかしその後にあのジョコビッチイヤーが始まりましたので
決して前哨戦が当てになるものではないとはいえるのですが、
去年からの続きとしてのジョコビッチ時代が継続していると考えれば
大会の中心にジョコビッチを捉えないのは誤った見方であると断言できましょう。

ジョコビッチは今勢いのある選手というだけでなく、
歴史的にも大きな存在になっています
去年終了時点でフェデラー戦が22勝22敗、ナダル戦が23勝23敗でした。

これほど多くの対戦があってこの互角の数字というのはある意味凄いです。
今後、対戦があればあるほどジョコビッチが差をつけていくことになるでしょう。
早速、今年に入ってジョコビッチがナダルに1勝していますので1つ差をつけました。

歴史的な選手同士の対戦がこれほどの3すくみになっているのも異例と言えます。
もちろん時代的な移り変わりはあります。
ジョコビッチがブレークした2011年以前だと、フェデラーから13勝6敗、ナダルから16勝7敗でした。
どちらも倍以上の差をつけられていたのです。
4年かけてこの差を逆転したというのだから凄いです。

もちろんフェデラー、ナダル側から見た言い分もあるでしょう、
彼らが全盛の時にジョコビッチも勝ち上がって対戦した回数よりも
ジョコビッチが全盛の時に彼らが勝ち上がって対戦している回数の方が多いのですから
対戦自体がジョコビッチ全盛の方に偏って組まれているというのも事実です。
いずれにしろ、歴史的な名勝負が年々これでもかと組まれてきたことになります。

ジョコビッチはグランドスラム優勝回数でもサンプラスやナダルを捉えにかかっています。
今年ジョコビッチは29歳で、その強さからまだまだ衰えない雰囲気はありますが
テニス界の常としてそれは分かりません。年齢的に29歳でまだ強かった人は多くありません。
目の前のフェデラーという例外的な生き字引を参考にして
少しでも長くタイトルを重ねていきたいところでしょう。


テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ

  1. 2016/01/18(月) 16:31:31|
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