ナダル、見事な優勝でした。大会通じて圧倒的だったと思います。
全試合でストレート勝ちを収めたわけではないのですが、どの試合もナダルが支配してたと言えます。
今大会、ナダルが失ったセットは全て第1セットでした。
そして第1セットを取られた後の、第2セット以降のプレーはどれも一方的でした。
つまり第1セットは一貫して様子見で、第2セット以降はどの試合も完全に自分のペースで戦っていたことになります。
スロースターターでなるナダルの面目躍如たる試合運びだったといえるのではないでしょうか。
ショットを見ていても明らかに調子は良かったと思わせます。
カナダやシンシナティではライン際の絶妙なウィナーなどほとんどありませんでした。
ベテランらしいコンディション調整の妙と言えるでしょう。
初めて決勝まで来たアンダーソンですが、この結果は止むを得なかったでしょう。
あれ以上どのようなプレーがあったかと思案しても結局は打つ手なしだったと思います。
ナダルは16個目のグランドスラム制覇となりました。
今年だけでも優勝2回、準優勝1回、そして4回戦が1回です。
全盛期には及びませんが、これまた見事な成績です。
アガシの一番良かった1999年がちょうど同じ結果ですし
ベッカーやクーリエの一番良かった年と比べてもそれより少し良いという具合です。
もっと言えばサンプラスですらこれと同等のグランドスラム結果を出したことはありません。
つまり全盛期でないはずのナダルが、歴代の偉大な王者の一番良いときと同じか
それ以上の成績を出してしまっているというのですからやばいです。
今年はフェデラーにもいい加減びっくりさせられましたが
全仏に出ていないのと、トータルで僅かに成績の良かったナダルの方がNo.1というのも結果として納得です。
今年のツアーはまだ終了していませんが、両者の年だったと言って全く問題ないでしょう。
ここから年末にかけてはフェデラー有利のコート種別になってきますのでランキング争いも見ものです。
今大会を少し振り返りましょう。
今回はここ最近で最も荒れた大会となりました。
多くのトップ選手の欠場に始まり、上位シードは次々と早期敗退、
かといってこれまでにしっかりと活躍を見せていたいぶし銀のベテランが存在感を見せるでもなく
また、期待の若手が代わりに躍進したわけでもありませんでした。
年齢や直前の調子に関係なく、誰が勝つかわからない状況下でのギャンブル的な勝ち上がりだったように感じます。
ナダルとフェデラーはもちろん例外ですが、デル・ポトロでも、
たまたま実績のある選手が勝ち上がったと言い換えることすらできると思うのです。
特に失望感の強かったのが若手連中です。ズベレフ、キリオス、ディミトロフ。
もちろん数年後にはトップになっている選手達だとわかっているのですが今回の不甲斐ない戦いはいけません。
特にズベレフはマスターズタイトル2つを引っ提げた上で、全仏全米早期敗退ですからね。
グランドスラムに弱いの?ということになってしまいます。まさかのリュビチッチ化ですか。
ここは来年是非とも克服しないといけません。
ルブレフ等、若手の活躍もありましたが、
大会前から注目されていてしかも結果を出した若手というのはシャポバロフくらいではなかったでしょうか。
この選手は逆転勝ちが多いのが特徴です。トップ100で最も若い選手ですが勝負慣れしている印象があります。
まだまだ雑なプレーが散見されますが、ショットにも動きにも勢いがありますので、今後は大いに楽しみです。
2017年はマレーとジョコビッチの2強でスタートしましたが、
終わってみればナダルとフェデラーがグランドスラムを支配した年でした。
去年の今頃、僅か1年前には2人は4強から完全に脱落したと思われていました。
1年で勢力図が移り変わる様も衝撃ですが、その移り変わり方もまた衝撃です。
去年の時点で、ナダルもフェデラーもあと一つでもグランドスラムを取れると思っていた人は
ほとんどいなかったんじゃないでしょうか。それがまさか2つずつ取ってしまうとは。
この両者が改めてテニス史上、最もとんでもない二人だということがわかります。
ただ、やはり下からの突き上げ不足は感じざるを得ません。
今年のグランドスラムの決勝の顔合わせを上げてみます。
・全豪 フェデラー vs ナダル
・全仏 ナダル vs バブリンカ
・全英 フェデラー vs チリッチ
・全米 ナダル vs アンダーソン
マレーとジョコビッチの名がないのはもちろん一大事なんですが
それでも結局、全米のアンダーソン以外、全員がグランドスラムタイトル保持者だったのです。
しかも一番若いチリッチでも今年29歳。他は全て30歳を超えています。
如何にナダルとフェデラーが異様であるとはいえ、若い選手たちもこれでは言い訳できません。
ナダル、フェデラー以外にだって勝ててないではないかと。
今年のグランドスラムで唯一フェデラーに土を付けたのはデル・ポトロ(今年29歳)ですし
ナダルを倒したのもフェデラー(今年36歳)とジル・ミュラー(同34歳)でした。
若手がこの調子ですから次の安定時代までは随分と時間が必要かもしれません。
もちろん突如の覚醒という可能性もありますからそうした不確かな要因に希望を寄せるのもありでしょうか。
なんだかいっそ今を新たなナダルとフェデラーによる安定時代と呼んでしまった方が早いような気もしますが。
今年のグランドスラムはナダルとフェデラーが2つを分け合う形となりました。
如何にも2強時代らしいタイトル分割です。
しかし、実はこの2つずつという状況、かなり珍しいのです。
過去に2強時代というのは多くありました。
しかし、グランドスラムを2人が半分に分け合ったという例は、
1967年、今からちょうど50年前に1回あったきり、長いテニスの歴史の中で2度目のことなのです。
実に年間グランドスラムよりも達成が少ないのです。
前回達成された1967年は、全豪と全仏をエマーソン、全英と全米をニューカムが取りました。
この年はオープン化前最後の年、すなわちグランドスラムがアマチュア選手のみで構成された最後の年でした。
翌年からグランドスラムはオープン化され、プロ選手もグランドスラムに出場することになりました。
そう、テニスの歴史が最も大きく動いた正にその時代なのです。
今年、テニス史上でもとんでもない2人による快挙が成し遂げられたことになります。
これは、来年からテニスの歴史が大きく動くという暗示なのかもしれません。
しかもちょうど50年を経て、という節目なわけですから、何か実に不思議なものを感じます。
これで結局リフレッシュ休暇から戻って来たジョコビッチとマレーが王座につくのでは笑ってしまいますけどね。
ナダルとフェデラーの新たな時代もまだ続いてほしいですが
グランドスラムに焦点を当てたこの極限の戦い方では、長く時代を形成するとは言えないでしょう。
本当にテニスの未来はどうなるんでしょうか。色々と考えさせられる大会でした。
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- 2017/09/11(月) 12:01:00|
- 2017年7月~9月
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準決勝の2試合はいずれも最初のセット取られてからの逆転勝ちという形となりました。
2セット目以降にペースを取り戻し最後はやや一方的だったという点で共通しています。
アンダーソンはグランドスラム初の決勝進出となりました。
南アの選手としては80年代のクリークやカレン以来久々のこととなります。
それ以降の選手としてはフェレイラやアーサーズがいましたが
どちらもベスト4まででグランドスラム決勝には進出していませんでした。
全米の決勝となるとオープン化前にまでさかのぼらないといけません。
1921年のノートン、1948年のスタージェス、1965年のドリスデール
の3例がありますがいずれも準優勝でした。アンダーソンは初の優勝を狙います。
試合の方、カレノ・ブスタも動きは悪くなかったですが
最終的にはショットパワーが勝敗を決しました。
パワー系の選手を相手にするときは緩急を織り交ぜるのが鉄則ですが
カレノ・ブスタにはあまりそれがありませんでした。
もっとも、アンダーソンは技巧の勝負でも負けなかったので、
今回は純粋にカレノ・ブスタの力負けだったと言っていいでしょう。
若く勢いのあるカレノ・ブスタですから変に小細工に徹するよりも
今回のように真っ向から打ち合ってくれた方が観ている方も気持ち良かったと言えます。
因みに当ブログではこれまでカレノ・ブスタ表記できていましたが
カレーニョの方が実際の発音に近く、アンパイアもそうコールしているので
今大会後を機にカレーニョ・ブスタに変えて行こうと思います。
あと、コリッチもチョリッチが実の発音ぽいのでこちらも。
ベルディフもベルディヒの方がいいのかなあ、間違いなく「フ」ではないんですけど、
もうこの選手の場合は実に長くベルディフ表記できちゃってますからね。今更変更というのも。
これについてはずっと考えていたんですけど、ちょっと話がずれるので大会後にでもまた改めて。
準決勝の2試合はどちらも面白かったですが
純粋な打ち合いであったボトムハーフよりもトップハーフの方がハイレベルに思えました。
デル・ポトロのパワーは破格です。あのフォアハンドは何でしょうか。
アンダーソンもパワーがありますが、デル・ポトロはもう次元の違いを感じさせます。
デル・ポトロが覚醒状態にあるかどうかが試合のカギになるとみていましたが
実のところどうだったかといえば、それをさらに超えたナダルの凄さが際立った結果となりました。
デル・ポトロは凄かったと思います。
最近よく見る早いラウンドで負けてしまうあの普通のデル・ポトロではありませんでした。
フェデラーを倒した勢いそのままに試合に入った感じです。
しかしナダルがそれを上回っていました。
試合後のコメントでは第1セットでデル・ポトロに主導権を握られている状態になり
これはまずいと思って慌てて第2セットで戦術を修正したと言っていましたが
私には、それはリップサービスで、最初から相手の動きを見定めるつもりだったとしか思えませんでした。
第1セットはこの位の調子で打っていって、取られてもまあ仕方ないという考えだったのではないでしょうか。
デル・ポトロのショットパワーはそれ以降も衰えませんでしたがナダルの配球がそれを上回りました。
とにかくデル・ポトロは強打するタイミングがなくなり、最後の方は強引に打つしかなく
異様なほどにミスを重ねるようになりました。こうなってはナダルのペースです。
ナダルのショットパワーも凄かったですが完全に技巧でパワーを封じ込めた試合でした。
カレノ・ブスタにはこれがありませんでした。両スペイン選手の大きな違いだったと思います。
さて、決勝はナダルとアンダーソンになりました。
過去はナダルの4勝0敗ですが、もうここは過去の成績を云々するところではないでしょう。
現在のアンダーソンは既に過去では測れない未知の領域に居ます。
それでもナダル優位の声が大きいのはやむを得ないでしょう。
準決勝でもナダルはアンダーソンと近いタイプの選手と戦っていますのでこの点でも優位は揺るぎません。
アンダーソンの勝機を模索するならば、デル・ポトロとは違う戦術を取る、これに尽きます。
もちろんパワーはデル・ポトロのほうが上なのですが、
かつてのナダルならまだしも、今のナダルからストロークでポイントを取るなら
アンダーソンのショットパワーでも十分だと思うのです。
あとはどうショットを決めるかです。
立ち上がりは、スロースターターのナダルに強打を打ち込んでいくことが可能です。
で、このままいけると思ってしまうと後からじわじわと決められなくなっていきます。
まず打ち込んでみて、効かなくなったら無理な打ち込みはやめる、これに尽きます。
アンダーソンはパワーもありますが技巧での対抗措置もある程度可能です。
ナダルが揺さぶりを始めたら焦らずそれについていくということ、
そしてチャンスには積極的に打ち込むものの、それで決められるとは思わないこと、これが大事です。
パワーを持っている選手はどうしてもラリーの主導権を握りたくなってしまうのですが
ナダルにはそれが通じないと肝に銘じておくことで随分と試合運びも違ってくると思います。
10年前のナダルは本当にミスがありませんでしたが、今のナダルは粘って喰らいついていると
焦れて打ち込んでミスするケースも散見されます。そうしたチャンスを待つということになります。
よくあるじゃないですか、
ここまで来たら失うものは何もない、自分の力をフルに出して思い切ってぶつかって行け、みたいなの。
そういう熱血的なのが良いこともありますが、ことナダルに対しては逆効果だと思います。
アンダーソンが果たしてどういう戦術で来るか。そこに大いに注目してみたいです。
- 2017/09/10(日) 08:30:19|
- 2017年7月~9月
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・ナダルvsデル・ポトロ(8-5)
・カレノ・ブスタvsアンダーソン(0-2)
ベスト4の組み合わせが決まりました。
スペインvsアルゼンチン、スペインvs南アフリカ。
ん~ワインがおいしい国が残りましたね。
ナダルとデル・ポトロは過去の対戦成績ではナダルが少しリードしていますが
ハードコートに限定するとデル・ポトロの方が5勝4敗と逆転します。
ナダルが勝った4つのうち3つがインディアンウェルズですから
コート速度が遅ければ遅いほどナダルが有利と言えるでしょう。
1度だけ全米での対戦もありますがデル・ポトロが優勝した2009年でした。
フェデラーとの時は、フェデラーの方が大幅に対戦成績で優位であるものの
もしも覚醒してたとしたらデル・ポトロは分からないぞ、という言い方になっていましたが、
今回は既に覚醒したことが明らかになったデル・ポトロが、、更に対戦成績でも後れを取っていない
ということで、フェデラー戦とは違う雰囲気を漂わせているようです。
ナダルも調子は上げてきていますが、これまで対戦してきた選手皆デル・ポトロとはタイプが違います。
デル・ポトロはハードコートで対ナダルに一番有効なスタイルである大型のパワー系ストローカーです。
そしてデル・ポトロはフェデラーの前にティエム、更にバウティスタ・アグーと
ナダル戦の準備としては万端な相手を倒してここまで来ているのです。
これでもなお、オッズ的にはナダルやや有利となっているようですが、デル・ポトロ、あるかもしれません。
まあ、デル・ポトロの覚醒状態がどの程度続くのは未知数なのでそこは気になるところです。
いや、でもさすがに1試合だけってことは無く、大会が終わるくらいまでは続くんじゃないですかねえ。
カレノ・ブスタとアンダーソンは、これまで2度の対戦があり、いずれもアンダーソンが勝っています。
しかしもちろんこれは今回あまり当てならないデータです。
カレノ・ブスタはこれまでまだ1セットも失っておらず、調子のよさで言えば方に分があると思います。
ただ、アンダーソンの方が多様な選手と戦ってきています。クエリー前はロレンツィで、その前はコリッチでした。
スペイン新世代の活躍を期待したい思いはありますが、ここは勝利予想アンダーソンにしておきます。
というわけで、私の大胆な決勝予想はデル・ポトロvsアンダーソンとなります。
遂に封印していた「予想」を出しました。
- 2017/09/08(金) 09:23:00|
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ボトムハーフから試合が行われまして
カレノ・ブスタとK・アンダーソンが勝っています。
カレノ・ブスタはシュワルツマンとの対戦でした。
注目の一戦でしたがキャリアに勝るカレノ・ブスタがストレートで勝利しています。
最近のスペイン選手はクレー偏重から脱してハードコートでも活躍出来るようになっています。
シーズンの大半を占めるのはハード大会ですからこれは大きいです。
スペイン選手の全米ベスト4進出者を見てみると、これがまた凄いメンバーです。
サンタナ、オランテス、モヤ、フェレーロ、ナダル、フェレール。そして今回ここにカレノ・ブスタが加わるわけです。
(もっともサンタナはオープン化前のグラスコート時代、オランテスはグリーンクレー時代ですが)
スペイン新時代を築くことができるのか、楽しみでもあります。
負けたシュワルツマンもそうですが、まだ現代基準では伸びしろのある選手なのでここで終わってほしくはないと思います。
一回だけグランドスラムで活躍を見せてその後さっぱりという選手もおりますのでね。
アンダーソンとクエリーの試合は好スコアになりましたが
最後はアンダーソンが地元アメリカの望みを断ち切るに至っています。
しかし、準々決勝すら遠かった地元選手としての活躍を久々に見せたということで
クエリーにとっては賞賛に値する大会だったのではないでしょうか。
勝ったアンダーソンは31歳、クエリーも今年30歳なので、ベテランの域に達しつつあるといえます。
アンダーソンは今年全豪をスキップしてますがそれ以外のグランドスラムでは全て自己最高の成績ですし
クエリーも去年のウィンブルドンから今年にかけてグランドスラムでの活躍が目立っています。
選手が高年齢化する傾向にあるなかで、ここへきて両者とも全盛期を迎えつつあるということでしょうか。
かつて、ビッグサーバーといえばパワー偏重で若い頃に暴れる選手、というイメージでしたが
最近はイズナーやカルロビッチなど、ある程度年齢を重ねたほうが成熟する傾向にあります。
もっとも、アンダーソンとクエリーはともにビッグサーバーであることには変わりないものの
イズナーやカルロビッチほどには、エースを量産するタイプではなく、ストロークでの勝負も多いです。
しかし、デル・ポトロやチリッチ、キリオスのような剛のタイプではなく
敢えて言えばベルディフに近い選手と言えるでしょうか。
最近は一言でビッグサーバーと言ってもタイプ的に一様でないのは面白いところですが
もしかしたらこれらの中では一番選手生命の長いタイプかもしれません。
今大会は、選手の高年齢化と若手の伸び悩みというここ数年のテニス界の悩みに一石投じた大会になったと言えます。
ベテランや実力者の大量欠場や早期敗退、そして若手の活躍があります。
ボトムハーフは特にこれまでのバランス崩壊が顕著で、もう私なんかは面白くて仕方ない大会に感じているのですが
皆さんはどうでしょうか。あまりにここ数年との落差があるので戸惑いを覚えている方も多いかもしれません。
で、また話をややこしくしているのがトップハーフです。
勢力図の崩壊が一貫しているのであればいいのですが、まったくそうではないのがトップハーフです。
ナダル、ルブレフ、フェデラー、デル・ポトロと4人中3人が元チャンピオンという状態で
しかもそのうち2人は10年前、いや12年前のトップ2です。
旧時代の生き残り、とも言えないのが、今もトップ2だからです。
厳密にはフェデラーは3位ですが、大会終了後、何をどうあがいても両者がトップ2になります。
デル・ポトロも現在では常勝の選手ではないですが、
この混沌の中に在っては正に勝ち残るにうってつけの選手と言えます。
唯一トップハーフの新顔として残っていたルブレフですが先程あっという間にナダルにのされてしまいました。
今後に期待の持てる選手ではありますがさすがにナダルは第2週に入ってギアを上げてきたんでしょうか、
まだもう少し時間が必要かもしれません。
でも、フェデラーとの初戦で激戦を演じたティアフォーとか、もちろんシャポバロフとか
10代の選手がグランドスラムで活躍するようになるなんてここしばらくなかったことなので新鮮でいいですね。
現在トップ100で10代はこの3人だけですが、皆がそれぞれ今大会活躍しました。
ルブレフは10月に誕生日を迎えるので「今年」というくくりだと20歳になります。
既に誕生日を迎えたA・ズベレフと同じ年齢ということになります。
この4人だと、もちろん先頭を行くのはズベレフなのですが、今大会に限って言えばズベレフが一番活躍できませんでした。
今の時点でフェデラーvsデル・ポトロは行われていません。
今朝、起きてTVを付けたのですが、なんとフェデラーvsデル・ポトロがやっているではないですか。
しかもスコアは激戦、フェデラーの動きは見事、デル・ポトロのパワーも凄まじいと、
両者、こんな全盛期のようなコンディションで戦っているのか、これは凄い!
外出の準備も忘れて夢中で魅入っていたのですが、なんと、これが2009年の決勝のVTRだと。
んなばかな。紛らわしいことをするなよと。空いた時間だったのであろうけど
昨日の試合とかならまだしもなんでそういうわかり難いことするんだよと。
まあかつての試合と見比べることで色々な違いを楽しむという奥ゆかしい狙いもあるんだとは思いますが
ハラハラドキドキのあの気持ちを挫かれた感に大いに打ちひしがれた朝でした。
- 2017/09/07(木) 09:00:00|
- 2017年7月~9月
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・[1]ナダルvsルブレフ(0-0)
・[3]フェデラーvs[24]デル・ポトロ(16-5)
・[17]クエリーvs[28]アンダーソン(8-6)
・[12]カレノ・ブスタvs[29]シュワルツマン(0-0)
※[0]シードNo、(0-0)対戦成績
皆さん、言うほどあれですよ。
ベスト8にはノーシードが一人しかいないです。8人中7人がシード選手なんです。
実は結構上位が勝ってると言えるんじゃないですか、なんて。
さて、まずはボトムハーフからですかね、やっぱり。
敢えてこれまでブログ内で名前を出してこなかったシャポバロフですが、
カレノ・ブスタにストレートで敗退してしまいました。
但し、3つともタイブレーク、まだ18歳ということを考えれば見事な結果だったと言えるでしょう。
勝ったカレノ・ブスタも王国スペインで唯一ともいえる若きトップ選手です。
これまで目立った活躍はないですが、今後を見据えればまさにこれからの選手であります。
本来の持ち味はもちろんクレーなんでしょうが、これまでの3タイトルのうち2つはハードですし
ハードでも戦えるということを今大会でも十分に見せてくれていると思います。
近年のスペイン選手は寿命が長い傾向にありますから現在26歳のカレノ・ブスタは
ここから一気に花咲く時期に入ってくるかもしれません。
因みに名前表記ですが、カレーニョの文字揺れがあります。
Googleの検索結果だとカレノの方が圧倒的に多いですが、実際のスペルを見るとカレーニョの方が近いのかもしれません、
対するアルゼンチンのシュワルツマンは、ボトムハーフで残っている最も若い選手です。
少し前から気になる選手として名前が挙がることしばしばでしたが
若手の躍進著しい今大会にあって、その象徴の一人となっています。
(まあ25歳のシュワルツマンや26歳のカレノ・ブスタを若いと表現していいかは微妙なところですが
現在テニス界に在っては若いという表現は間違いではないでしょう)
こちらもキャリアはまだまだなのですが、力があるのはプレーを見ていて良くわかります。
今年で印象深いのは全仏でしょうか。負けはしましたが3回戦でジョコビッチとのフルセットマッチを演じました。
(因みに全仏の1回戦はルブレフとの対戦で、ファイナルセット「9-7」という壮絶な試合でした)
カレノ・ブスタとシュワルツマンは初対戦です。今大会を象徴する全く分からない展開が待っています。
ボトムハーフもう一試合はクエリーvsアンダーソンです。こちらは双方中堅と言える選手達です。
アンダーソンは30歳を超えていますのでベテランと言ってもいいですし、むしろ5年前であれば
間違いなくベテラン判定だったのですが、今はこの辺、全体的に年齢判定が底上げされています。
両者実力者で時にトップ選手を喰ってもおかしくない力の持ち主ですがグランドスラムの上位常連ではありません。
クエリーは今年のウィンブルドンでベスト4、アンダーソンは2年前の全米でベスト8だったので
ボトムハーフではキャリア組という言い方をすることは可能なのですが
それでもやはり未知数のニューカマーという評価になるのは当然だと思います。
両者ともに2メートル前後の長身から繰り出す強サーブが売りですが、
柔軟なショットや小技も持っているという点で味のある試合展開が見られるかもしれません。
クエリーは地元選手でもあります。
アメリカ選手が全米でベスト8に進出するのは2011年のロディックとイズナー以来のことです。
続いてトップハーフです。
一桁シードが軒並みつぶれていく中、結局この2人は残るんですね。ナダルとフェデラー。
ただ、どちらも全仏とウィンブルドンの時のような万全な感じはありません。
ボトムハーフとはまた違った意味で、分からない試合が展開されることになるでしょう。
ナダルと対戦するのはロシアの19歳、ルブレフです。
カレノ・ブスタやシュワルツマンと違って現代補正なしでも正真正銘の若手と呼べる選手です。
今大会では4回戦にルブレフとシャポバロフという2人の10代の選手が勝ち上がりました。
若手欠乏症に泣いて久しかった近代テニス界では非常に珍しい事です。
ルブレフは今大会でディミトロフとゴファンを下していて勢いがあります。
ナダルが相手となればあとはもう思いっきりぶつかっていくだけなので面白い試合が期待できるかもしれません。
ルブレフはフォアの逆クロスを得意としているようですが、
直線的でなく少し回転のかかった幅の広いショットが特徴で、これは使いこなせば
フェデラーやジョコビッチのような豊富な展開力を見せることもできるのではないかと感じています。
今年の全豪ではマレーには通じず完敗でしたが、一気に成長した姿を見せてくれるのか
ナダルにどこまで通用するのか楽しみです。
フェデラーの相手はデル・ポトロです。
元チャンピオンですし、世界的なプレイヤーであることは間違いないのですが
覚醒さえしなければフェデラーにとってさほど怖くない選手ともいえます。
しかししかし、今のデル・ポトロの状態はどうでしょう。
ティエム戦では「1-6 2-6」という有無を言わせぬ完敗の体から、恐るべき大逆転を見せました。
これ、かなり覚醒しちゃってるんじゃないですか。覚醒したデル・ポトロはやばいですよ。
過去の対戦成績ではフェデラーが大幅に上回っていますが
グランドスラムでの対戦では5セットマッチになることが多いですし、
ロンドンオリンピックでは3セットマッチであるもののがファイナルセット実に「19-17」という試合も見せています。
これはひょっとしたら壮絶な試合があるかもしれないです。
今となってはフェデラーも読めないですし、デル・ポトロも更に読めないですから
始まってみないとどうなるかさっぱりわからないという状態ではあるんですが。
仮に次にフェデラーvsナダルが実現したらそれは事実上の決勝などと言われるのかもしれません。
それならばこのフェデラーvsデル・ポトロは事実上の準決勝となります。
ということは、当然その前の4回戦は事実上の準々決勝だったわけです。
つまり、コールシュライバー氏は事実上のベスト8進出だったと言っても過言ではないわけです。
ドロー表の上ではM・ズベレフと同じベスト16ではあるのですが
事実上はドイツ最高位で大会を終えたことになります。良く頑張りました。ありがとう。
- 2017/09/05(火) 13:53:41|
- 2017年7月~9月
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さて、ベスト16にまで進みました。
トップシードは第1シードのナダル、第3シードのフェデラー、第6シードのティエム、
第9シードのゴファンと上位シードが残っていますのでまだいいのですが、
ボトムハーフに至ってはトップ10シードが一人も残っておらず、
最上位が第12シードのカレノ・ブスタという状態です。
第17シードのクエリーが次点で、今年のウィンブルドンではベスト4に進出してますので
ボトムハーフでは一番実績のある選手といえると思います。
地元アメリカ選手で唯一の生き残りというのもあり期待のかかるところでしょう。
しかしもちろん、今後誰が勝つのか皆目見当がつきません。
トップハーフも上位シードがいるとはいえ
次の試合ではそれぞれ気の抜けない相手と当たります。
ナダルはドルゴポロフ、フェデラーはコールシュライバー(「氏」対決!)
ティエムはデル・ポトロ、そしてゴファンは成長著しいルブレフです。
どれも上位だからと勝てると断言できない対決ばかりです。
まあ強いて言うなら一つだけ緩めの対戦が・・・いや言いますまい。
素晴らしい試合になってくれるに決まってます!
ナダルもティエムもゴファンもクレーシーズンで頑張ってた選手です。
その後低迷気味であったのですが、ここへ来てこういう選手が勝ち残っているとは
ハードシーズンの前哨戦などというのは全く当てにならないものになっているわけです。
もうここまで来るとネームバリューなど関係なく
一つ一つの試合を楽しみにしていきたいです。
- 2017/09/03(日) 21:38:07|
- 2017年7月~9月
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フェデラーが大いに苦しみました。ユーズニーが相手でした。
こういう選手は2回戦で当たるには嫌な相手・・・かなあ。
もちろんとても良い選手ですが、10年前ならいざ知らず、今は大きく勝つ機会もほとんどないですからね
しかもフェデラーはこれまで16戦して全勝の相手でした。
2戦連続の5セットマッチはきついでしょうが、なんとか勝ち上がっていって欲しいところです。
フェデラーは次にフェリシアーノ・ロペスと当たります。
やはりベテラン同士これまで12戦して負けなしの相手ですが、果たしてどうでしょうか。
ナダルはダニエル太郎を相手に第1セットを取られましたがその後挽回し4セットでの勝利を収めています。
試合の方観ていないので詳細は分からないのですがダニエル太郎はどこまで善戦できたのでしょうか。
ナダルも同じくフェデラーと絶好調ではないと思いますが良い試合ができたのならと思います。
ナダルは次に杉田と対戦する可能性がありましたが残念ながら杉田は敗退してしまいました。
ナダルの次の相手はアルゼンチンのメイヤーです。
さて、なんだかんだで勝ち上がってる二人はまだいいんです。
他の所に触れなくてはいけませんね。
1回戦ではまだ少ない方かなと思ったシードダウンでしたが、早くもここへ来て目立つようになってきています。
第4シード、ズベレフはカナダマスターズの覇者、第7シード、ディミトロフはシンシナティの覇者ですがいずれも敗れました。
あれ?ベテランが元気を失った今、こういう選手が活躍するんじゃなかったの?
昨日のキリオスと言い、ダメな男たちです(憤慨!)。
クレーシーズンは好調でしたが、その後活躍を見せていなったティエムとゴファンは勝ち上がっています。
それからデル・ポトロとチリッチという元チャンピオンも勝ち上がっています。
安定していないデル・ポトロは不確定な要素が大きいですが、
チリッチは近年のグランドスラムでは突発的に好成績を収めることが多いですから
今大会のドローを見ても可能性を感じる部分はありそうです。
特にボトムハーフは上位シードダウンが激しく混乱しまくってます。
第5シード、チリッチの次に高いシード選手で残っているのは第10シードのイズナーです。
一気に荒れた大会になってきました。チリッチは次にシュワルツマンと対戦します。
キリオスにもディミトロフにも言いたいことはありますが、A・ズベレフを取り上げましょうか。
昨日の記事、実は早々とコメント欄で見破られてしまったのですが
ズベレフのGS最高成績は4回戦、タイトル数は7、
比べてコールシュライバーはGS最高成績がベスト8、タイトル数は倍の14、という書き方をしまして
まだまだコールシュライバーの方が上の選手だと持ち上げていたのです。
実はこのタイトル数、ダブルスも含めた成績でして、本当はズベレフ6、コールシュライバー7なんですね。
コールシュライバーの方が凄いと言っておきながら、
実際にズベレフは大会で優勝なり準優勝なりで名を上げるでしょうから
そこでネタばらしして一ネタ盛り上がろうとしていたわけなんです。
つまり私はズベレフが大いに勝ち上がると読んでいたのでした。
これはまた壮大に外したことになります。
やられました。ここで負けてしまっては、
まだミーシャ・ズベレフの方が、今年の全豪でベスト8に出てますから
グランドスラム最高成績は上ということになります。
本当にドイツのエースを名乗らせるのはお預けと言えそうです。
期待値が高かっただけに残念です。どうしてこうも安定しないんでしょうか。
もちろん将来性も才能も有るので、今後は確実なトップ選手になってくれるでしょうが気になる部分もあります。
あの体格、パワーは魅力的ですが、怪我を抱えそうな気がするという点です。
その点で、少々デル・ポトロを思わせます。
さて、ドイツエースの座を守りぬいたコールシュライバーは、2回戦をストレートで勝ち上がりました。
最後は相手の棄権でしたが、ほぼ試合が決したようなスコアからの棄権ですので圧勝だったと言っていいでしょう。
今大会の2回戦の全試合の中で一番失ゲームが少なかったのがなんとコールシュライバーなのです。
実に僅か3ゲーム!その次が8ゲームとか9ゲームなので、もう圧巻といって良いでしょう。
仮に大会の優勝が2回戦の勝ち方で決まるというルールだったら、コールシュライバーは優勝だったのです。
ああ、あと一つでいいから勝ってほしいという思いです。フェデラー戦、観たいじゃないですか。
まあコールシュライバーはもちろん、フェデラーも確実でないという危うさが今大会ですが。
ドローを見ていて思ったのですが、
今大会は、プロテクトランキングでのエントリーが多いと感じました。
怪我等で戦列を離れていた選手にエントリーの資格を残しておいてあげるという制度ですが
これが多いということは、実績のある選手の長期離脱の多さを物語っています。
今大会は欠場の選手も多くいて、選手の負担や日程変更の可能性などが取り沙汰されていますが
このようなプロテクトランクの選手の多さもその一つの要因として取り上げていいのではないでしょうか。
今年、プロテクトランキングでのエントリー選手は実に6人います。
去年はゼロ、一昨年にハースが取得していますがそれ以前もまたずっとゼロです。
2001年まで調べました。ひょっとして全米にプロテクトランクってなかったのか?と思いたくなるほどの少なさです。
まあ制度自体比較的新しいものでしょうからそれ以前は調べていませんし
もしかしたらドロー表に記載するようになったのは最近のことかもしれませんが
いずれにしても、グランドスラムでプロテクトランキングって結構難しいです。
離脱した時点でのランクがある程度上位でなければいけないわけですから。
それが多いということはやはりキャリア組に怪我人が続出しているということなんだろうと思います。
- 2017/09/01(金) 16:01:29|
- 2017年7月~9月
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フェデラーが大いに苦しみました。ティアフォーが相手でした。
まあこういうタイプの選手は様子見も兼ねての初戦などで当たるには大変嫌な相手ですが
あろうことはフェデラーがそれにはまることになってしまうとは。
フェデラー自身の調子も不足気味でした。
そこは全豪やウィンブルドンとは状況の違う部分です。
たっぷりと休養を取り、ウォームアップも充分だった前2大会のようにはいきませんから
大会が進むにつれて勝ち上がると共に調子を上げていくしかありません。
その他の選手ですが、シードダウンは32人中8人でした。
荒れた展開が予想される中での開催としては比較的少なかったと思います。
それでもジャック・ソック、キリオス、フェレール、ガスケ等が敗退しています。
特にキリオスはシンシナティのファイナリストでしたので可能性を感じていた人もいるでしょう。
本人のコメントでもある程度行けると思っていた節があります。
まあ、全仏のズベレフもそうでしたし、今は選手たちに安定感を求めるのは中々難しいようです。
むしろ直前の大会で調子が良い時ほど次の大会で可能性が薄まるというのが現状です。
そこへ行くと、インディアンウェルズとマイアミを連覇したフェデラーや
クレー大会で連勝を続けたナダルなどは
現在のトレンドからすら外れている稀有な存在であるわけですね。
そのナダルは2回戦でダニエル太郎と対戦します。
そしてその後、3回戦では杉田との対戦になる可能性があります。
錦織不在の中で日本選手がどれだけやれるかという中で
よりにもよって出場2名が揃いも揃ってナダルの近くに組まれてしまうとは。
もちろん女子の大阪なおみの例もありますので
まさかのダニエルvs杉田戦が組まれることもなくはないかもしれませんが。
因みに今大会はドロー発表後にマレーが欠場を表明していますので
コールシュライバーが第33シードに繰り上がりとなっています。
当ブログでは何かと目をかけている氏ですが、無事に初戦を突破しました。
ドイツはズベレフ兄弟はもちろん、ダスティン・ブラウンやフロリアン・マイヤーなど
8人が今大会にエントリーしています。
若い選手からベテランまで、結構いい感じで年齢のばらつきもあります。
スペインが若手に元気が無い分、今後新しいテニス大国に名乗りを上げてくる可能性もあります。
その意味でも、ドイツテニス界のエース、コールシュライバー氏の大会での活躍には注目しておきましょう。
ドイツテニス界では、これまでに何人かのトップ選手が登場していますが
複数選手が同じ時期に出る傾向にあります。
・フォン・クラム(1910年生)とニュスライン(1911年生)
・ベッカー(1967年生)とシュティッヒ(1968年生)
・シュトラー(1976年生)とキーファー(1977年生)とハース(1978年生)
そして、今またテニス大国へと名乗りを上げることができるのか注目に値します。
A・ズベレフが今後ここに名を連ねてくれる存在になるのは間違いないでしょうが
それに続く選手が出てくるかが一つの鍵になりそうです。
因みに現時点で現役ドイツ最高の実績を持っているのはコールシュライバーです。
まあマスターズ2つ取ったA・ズベレフが既に上だという見方もあるでしょう。最高ランクも上回っていますし。
しかし、グランドスラム実績では、ズベレフは今年のウィンブルドンの4回戦が最高です。生涯タイトルも7勝でしかありません。
同じウィンブルドンでベスト8に進出しており、かつタイトルでは倍の14勝を獲得している
コールシュライバーのほうがトータルの実績で上とする評価もまだありだと思います。
しかし今大会で、ズベレフが何かをやってのければ、早くも評価は逆転することになるでしょう。
それでいいですし、そうあることをドイツテニス界の王、フィリップ・コールシュライバー氏は静かに願い、
見守っていると思います。
コールシュライバーは4回戦まで勝ち上がればフェデラーとの対戦になります。
なんとかこの対戦を見せてほしい。私のささやかにして贅沢な願いです。
だって、観たいじゃないですか。純粋に2人の対戦。
それにコールシュライバーがグランドスラムで4回戦に勝ちがるなんて素晴らしいい事ですし
何より、フェデラーにとっても疲れの出てくる4回戦にやりやす~い相手が来てくれるなんて
とても嬉しいじゃないですか。
- 2017/08/31(木) 12:01:00|
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少し遅い休みをいただいておりましてブログから離れておりました。
ブログ的にシンシナティをスキップした形となってしまいましたが
改めて今週からは気を引き締めて全米を追っていくこととしましょう。
さて、いよいよ今年最後のグランドスラムです。
今年は、選手たちの蓄積疲労がはじけ飛んだ形となりました。
実力者、ベテラン、中堅の様々な選手が怪我に倒れ、テニス界の勢力図に多大なる影響を与えています。
いよいよ時代が変わるかと思われて随分と時間が経ちましたが
遂にここへ来て一気に混沌の時代が幕を開けた形となっています。
一足先に休息をとっていたフェデラーとナダルは
ある意味タイミングを味方につけたといえるかもしれません。
他の多くの選手よりも1年早く休息の判断をしたことで
今年は再び脚光を浴びることができました。
それには両者の凄さももちろんあるのですが、
周りの多くの選手たちが疲労のピークを迎える時に復帰したのは
それこそタイミングの妙だったといえるのかもしれません。
今大会でも優勝候補に名を連ねている二人ですが、決して圧倒的ではないはずです。
今年のフェデラーは休息明けの調整が上手くいっていますので
その意味で期待の持てる部分はありますが、
怪我明けというのもあり全豪、全英ほどのベストコンディションとは思えないです。
ナダルもクレーシーズンに精力を使い果たしたのか、疲れが見えます。
今年は見事なクレーシーズンを迎えたナダルですが、
実のところクレー以外では全豪でのみしか見事と呼べるパフォーマンスは見せていない
というのも気にしておくべきでしょう。
もっとも、グランドスラムでの調整力には定評のある両者ですから
どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか注目しておきましょう。
ナダルが第1シード、フェデラーが第3シードでして
両者は勝ち上がれば準決勝で対戦します。これは少し残念です。
当たるとすればやはり決勝での対戦を観たかったです。
第2シードはマレーです。
しかし間に合いませんでした。棄権を発表しています。
いや、だったらドロー発表前にですな、フェデラーを第2シードにですな、
と思わせられたのは私だけではないはず・・・なんと空気の読めない選手なのでしょうか。
大会はジョコビッチ、マレー、バブリンカ、錦織、ラオニッチと
5人ものグランドスラムファイナリストを欠くことになります。
かといって、出場するツォンガ、デル・ポトロ、チリッチ、ベルディフ、フェレール等の
他のファイナリストが優位かといえばそうでもありません。
これらの選手が勝つ可能性ももちろんありますが、確率はあまり高くないようにも思えます。
今年はこの中ではチリッチが一番調子がいいです。
コンディションの良さがちょうど大会期間中に重なってくれれば、といったところでしょう。
今回のような混沌とした中での開催の場合は
コンディションが実績を上回る重要性を持つことになります。
ウィンブルドンのジル・ミュラーのように実績とは関係なく
唐突に活躍しだす選手が出てくるのが面白さでもあるのです。
北米ハードシーズンに入って存在感を見せているのは
実績のある中堅、ベテラン組ではなくより若い選手たちです。
カナダではズベレフやシャポバロフ、シンシナティではディミトロフとキリオスが活躍しました。
もっとも、カナダの2人はともかく、シンシナティの2人は、既に実績組といってもよい選手であって
マスターズ決勝に出てくるのも遅すぎではないかと感じる部分は否定できません。
それでも、今回の結果は何よりの自信になっているでしょう。
大勝した次の大会であっという間に負ける癖は今の若い選手達の共通の特徴ですから
そういったことのないようには注意してほしいところです。
因みにシャポバロフは現時点ではまだ予選を戦っていまして本選出場は未定です。
出てくれば面白いとは思いますがここも成り行きを見守っていきましょう。
こうしてみると優勝候補と呼べる選手は多岐に渡っています。
名の出ていない若手中堅にも可能性を持つ選手は多くます。
これは同時にそれほどの混戦なのだと言い換えることもできます。
こうした本命不在の大会は人によっては面白さに欠けると感じることでしょう。
しかし将来を見据えたときに、今のこの狭間の時代を知っておくのは、
数年後のテニスの面白さを引き立てる糧ともなり得るのです。
開幕を待ちましょう。
初戦から目を離すべきではないかもしれません。
- 2017/08/27(日) 09:41:31|
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ズベレフがマスターズ今年2つ目の獲得となりました。
遂に4強以外でマスターズを年間2つ取る選手が現れました。
恐らく2007年のナルバンディアン以来ですから実に10年ぶりのことです。
初戦のガスケ戦がファイナルセットタイブレークのぎりぎりの戦いでしたが
それ以降は全てストレート勝利でした。
ズベレフはサーブでもレシーブでも安定した強さがあります。
キリオス戦なんてとても面白かったですけど、
どちらかといえば面白さを演出していたのはキリオスのほうで、
ズベレフはことごとくキリオスの仕掛けをはじき返していったという印象でした。
好調同士だったらさらに面白い展開になったかもしれません。
今後何度も観ることになる対戦でしょうから次回をまた期待しましょう。
さて、もう一人話題をさらったのが、シャポバロフです。
待望の10代のニュースターと呼べる逸材です。
サーブもストロークも強く、全体的なショットレベルの高さはもちろんあるのですが
何より思い切りのあるプレーは見てて気持ち良かったです。
ネットプレーにはまだまだ改良の余地がありますが
怖がらずにどんどん前に出ていく姿勢は爽快感がありました。
もう少しランクも上がってくると、もっと決められる出方をしなさい!
と言いたくもなるんでしょうが今はまだこれで十分だと思います。
ナダル戦で何度も0-30やブレークポイントの場面がありましたが、
それをはねのけた精神的な強さはただの勢いだけではないと思わせました。
今大会4勝したうちの3勝が1セット取られてからの逆転勝ちでしたから
この勝負強さをずっと持続させていってほしいです。
その他のとてもひどいシード勢はもう置いときまして
結局はナダルとフェデラーが何だかんだでテニス界を持たせている印象です。
ナダルはシャポバロフにフルセットの末敗れましたが
試合の出来は酷く、サーブは入らない、フォアハンドも入らないという具合でした。
それでもあのベストパフォーマンスのシャポバロフと
ぎりぎりの戦いをしてしまうんだからやっぱり地力は凄いです。
純粋に力関係ではまだナダルのほうが上といえるでしょう。
フェデラーも決勝まで来るんですからまあ凄いんですが
決勝はこれまたストロークミスが酷く、とてもベストパフォーマンスとは言えませんでした。
フェデラーであれば、その持てる引き出しでプレーの多彩さを見せることもできるわけですが
今大会はナダルと同様、調整の位置づけもあったでしょうから、
ペースを変えるために思い切った仕掛けはしてこないだろうな、と思って観てました。
案の定、そのままズベレフに押し切られた形となりました。
でも、これでいいんだと思います。
ナダルもフェデラーも今大会と同じ調子で戦うとしたらシンシナティの展開はどうなるでしょうか。
シャポバロフは確か出ないはずなので2人の大ベテランと2人の若手による
新しい4強時代形成とはいかないでしょうから、
せめて他のシード勢がもう少し意地を見せてくれないとテニス界が閑散としてしまいます。
まあ皆全米に照準を合わせているということかもなのしれませんが
マスターズで勝ったこともない選手たちがマスターズを捨て試合にしてはいけませんよね。
そんな調整はベテラン2人だけでよろしい。
- 2017/08/14(月) 22:02:27|
- 2017年7月~9月
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