さて、全米大会期間中にも少し触れていましたが
選手の名前表記についていくらか見直しをしたいと思います。
当サイトは日本語サイトですから、カタカナ表記の問題は常に付きまといます。
サイト本体の方はある程度決まった選手の登場ではあるのですが
日々の雑記をアップしているこちらのブログの方では不意に新しい選手などもでてきます。
もちろん上掲の一覧に登場しない選手もおります。
今回、見直し対象となった選手は2人です。
カレノ・ブスタとコリッチ。
カレノ・ブスタはスペイン人です。アルファベットで書くと「Carreno Busta」。
ATPのサイトでも「Carreno Busta」になってます。
これだと発音もカレノ・ブスタでいいんですが、正式にはどうも「Carreño Busta」のようなんです。
(皆さんのブラウザで正しく表示できているでしょうか。「n」の上に「~」があります。)
これだと、ナニヌネノではなく、ニャニュニョ発音になるということです。
エスパーニャ、エスパニョール等がそうですね。
単純にATPに準拠して英語発音をカタカナにするという考えでも間違いではないのですが、
ATPにはスペイン語サイトもありますので、
恐らくその関係で英語サイトでは英語表記になっているのだけではないかと思います。
決してATPが英語読みを推奨しているわけではないということでしょう。
現にATPの選手ページに名前の発音例が載ってますがそこで聞くと「カレーニョ・ブスタ」と言っています。
他にも全米での主審のコールを聞いていましたが、いずれも「カレーニョ・ブスタ」でした。
というわけで、当ブログでも「カレーニョ・ブスタ」表記の方が良いと結論付けました。
さてもう一人の選手に行きましょう。コリッチです。クロアチア人です。
こちらも同じく英語的には「Coric」と表記されますが、実際には「Ćorić」となります。
(ブラウザで表示されていない方のために、「C」の上に点が付いています。)
セルボ・クロアチア語は難しいです。
元々セルビア語とクロアチア語は別の言語ですが、似ているので最近は一まとめにされたりします。
ただ、バルカン半島では伝統的にキリル文字とローマ字が併用されていまして、
セルビア語では主にキリル文字を、クロアチア語はローマ字をメインに使ってたらしいという情報もあります。
そんな中で使われてきた言語ですから当たり前のように難しいですよね。
旧ユーゴはそもそもこうした様々な複雑さが国家の特徴でありましたから、
我々の単純な英語知識程度では判別できない部分も多くなるのは止むを得ません。
正式な「Ćorić」表記ですが、厳密には最初の「C」の上には「v」、最後の「c」には「'」が付いています。
同じクロアチアのチリッチ「Čilić」も同様です。最初の「C」の上に「v」最後の「c」に「'」です。
英語表記だと「C」でまとめられていますが、違う文字なんですね。
因みに、上に何もついていない通常の「C」もあります。
ネットで発音を調べました。
ただの「C」だと「ツァ」
「v」の付いた「C」だと「チャ」
「'」の付いた「C」だと「チ」が近いらしいです。(こりゃ分かんねーよ)
まあ言語の成り立ち的な難しい話はさておき、この発音を当てはめると選手名は「チョリッチ」となります。
仮に頭の字が何もない「C」だと「ツォリッチ」、「'」付きだと「チォチッリ」とでもなったでしょうか。
いずれにしろ、どの「C」でも英語のような「カキクケコ」と読むことはありませんし
「チリッチ」と共通の発音になるということで、今後「チョリッチ」表記で行こうと思います。
カタカナ表記というのは英語表記との兼ね合いも問題になってきます。
統一感を持たせるという意味では、どちらかに寄せていくのがいいのでしょう。
最近は現地読みに寄せた表記が多いのかもしれません。当サイトでもそうなっていくのが良いのかなと思います。
サッカーとかだと本人の出身地の読みを取るか、プレーしているチームでの呼び名を取るかといった
また違った難しさも出てくるのですがテニスの場合はその辺少し楽ですね。
さて、この問題になるといつも取り上げられるのがスウェーデン選手です。
英語読みだと「エドバーグ、ボルグ、ウィランダー」、現地読みだと「エドベリ、ボリ、ビランデル」となります。
エドバーグはエドベリ表記もあり、ボルグは英語表記のみ、ビランデルは現地表記のみという実に統一感のない扱いになっています。
エドバーグは、本人が(確か)アイルランドに住んでいて、
名前を英語読みにしてほしいと公言していたのもあって「エドバーグ」表記の方が良いのかなと思いますし
ボルグも世間一般に(日本だけでなく)ボルグで通っているのでまあそれでいいのですが
ビランデルは正直、審判のコールもウィランダーと英語名なんですよね。
日本では完全に「ビランデル」表記が定着してしまっているので今更変えるつもりはないですが
今であれば「ウィランダー」になっていたかもしれません。
いや、今ならばエドバーグもボルグも含めて現地読みになるんでしょうか。
幸か不幸か最近のスウェーデン選手で読み方のとがった選手がいないので現在の傾向というのが測れないでいます。
もう一人、この件ではいつも思っていた選手に登場願いましょう。そう、「ベルディフ」です。
この選手、当サイトオープン時からいます。
表記に関しては最初から「ベルディフ」だったんじゃないでしょうか。
しかしもう12年ですよ。長い付き合いだなあ。
ここまで長いとビランデルと一緒で今更変える気はないですが、現在最も多い表記揺れの持ち主だと思います
一般的なベルディヒ、ベルディハの他、英語的なバーディッチ表記もあったりします。
当初は、検索してヒットした件数の一番多い名前を採用したはずですが、12年も経つと状況が変わっているようです。
今検索して一番多いのは「ベルディヒ」表記です。
「ベルディフ」の件数は「ベルディヒ」はおろか「ベルディハ」にも及びません。
ん~これは失敗したか。「マリー」表記でいたらいつの間に皆が「マレー」を使っていた状態とでも言いましょうか。
同じような例が「バブリンカ」に当てはまります、ただ、こちらは幸運にも成功した例となりました。
(何せ当ブログにはスイス在住の河谷様がいらっしゃいますので直接聞いて無事解決した恵まれた例でありました。その節はありがとうございます!)
さて、話を戻しますが、日本語のカタカナ表記では取り敢えず子音で終わる場合はウ行にするという慣例があります。
初期の「ベルディフ」表記の多さはそれに則ったものなのでしょう。
実のところ、発音が「フ」ではないのは間違いのないところでして、敢えて言えば「ヒ」や「ヒュ」が近いでしょうか、
”喉の奥から空気を出す”などと書かれている特殊な音になります。まあ日本語の「ヒ」もちろん違うんですけど。
人によっては「フ」の方が近いということもあるかもしれません。
発音記号では「x」です。これはまた分かりづらい。
改めて音で判断すれば「ベルディヒ」が一番近いのかなあと思います。
その意味で今検索して一番多い、すなわち皆が使用している表記が最適ということになります。
実は数年前に、「ベルディヒ」表記に変更しようかなと思ったことがありました。
その時であればまだ変更しても良かったかもしれません。ただ、今となってはタイミングを逸したことになります。
その時に表記の変更を止めた理由ですが、以下のような考えからでした。
「ベルディヒ」。最初にこの字を見た人って、アクセントを「ル」以降に置くと思うんですよね。
アクセントの雰囲気としては「焼き芋」みたいな感じです。いかがでしょう?
当ブログの常連のようなテニス閲覧力の高い人であれば選手の発音は百も承知でしょうからそうは読まないかもしれませんが
初心に帰って初めて字を見るつもりでアクセントを意識しながら発音してみてください。
「ベルディヒ」「焼き芋」
いかがですか?このアクセントだとかなり違うと思うんです。
一方で「ベルディフ」。こちらはどうでしょう。アクセントを頭の「ベ」に置きませんか?
同系統のアクセントを探すとすれば「カルピス」でしょうか。
これだとぐっと本人の音に近くなります。
最後の「フ」or「ヒ」の発音を取るか、アクセントを取るか、
こんな一見どうでもいいようなことですが、私は悩んだのでした。
そして結果、アクセントの方を取ったのです。
そういうわけで、現在最も多く使われている表記ではないですが
今後も当サイトでは「ベルディフ」表記を続けさせていただこうと思います。
このケースは英語とチェコ語の揺れではなく、チェコ語の中での揺れなのでまた難しいところですね。
表記の揺れや表記の変更はこれまでにもしばしばあります。
「キルギオス」を「キリオス」に変えたり「アイズナー」を「イズナー」に変えたりしました。
後者は明らかに私のミスでして、ご指摘いただいての変更でした。
「ブノワ・ペール」というフランスの選手がいます。これも一時まで「パイユ」と表記していましたが誤りでした。
「Paire」ですから「ユ」要素はありません。
同じくフランスにプイユ(Pouille)という選手がいますがこちらは「ill」なので「ユ」で間違いないです。
今後も表記揺れはあると思います。必要であれば都度見直しをしていかなければなりません。
何せこれから新しい選手がどんどん出てくる時代に入り込んでいますから。
むしろ読み方のよくわからない選手が出てきて、
強くなって表記が定まるというフェデレ→フェデラー状況も起こり得るのではないでしょうか。
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- 2017/09/25(月) 16:34:00|
- 選手名の表記揺れ
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