ジョコビッチのジョコビッチによるジョコビッチのための大会になるのか?
はたまた待ったをかける選手が登場するのか。
現状ではジョコビッチの優位は抜きんでている雰囲気ですが、どういう展開が待っているでしょうか。
ジョコビッチ自身も今年はビッグタイトルをすべて取れば、年間ゴールデンスラムとグランドスラム優勝回数更新を達成できます。
年間1位在位週は既にクリアされていて、ともすれば
ジョコビッチのジョコビッチによるジョコビッチのための年、ですらありうるわけです。
我々はこれまでいくつもの歴史的瞬間を目撃させられてきましたが、ここへ来てその完成系ともいうべきものに立ち会わされるんでしょうか。
そのジョコビッチ、早速1回戦を戦っていますが「4-6 6-1 6-2 6-2」というスコアで勝っています。
1セット落としましたがその後の充実ぶり、これは全仏で何度も見せられたコンディション作りも混みの戦い方と言えるのではないでしょうか。
そして2回戦ではなんとケヴィン・アンダーソンとの対戦となります。僅か2大会前の決勝の顔合わせが早くも2回戦で!
アンダーソンは現在105位にまで落ちてしまっています。時というのは残酷です。
しかし元々は力のある選手ですから試合の方も一泡吹かせるくらいの戦いをしてもらいたいものです。
全仏準優勝のチチパスは第3シードでトップハーフに入りました。
今大会優勝候補はダントツでジョコビッチですが、大会前のオッズではそれに次ぐ2番手の評価をもらっていました。
が、初戦敗退。相手はティアフォー。
クレーシーズンで大いに活躍したシナーも初戦敗退しましたので、やはりクレーとグラスとでは随分と勝手が違うようです。
今回は特に一昔前のようにグラスシーズンの準備期間が短かったですから。
個人的な初戦の注目はシャポバロフvsコールシュライバーです。
これは純粋にただ好きな選手同士なのでただただ楽しみという試合です。ま、中継はされないんだろうな。
デミノーvsコルダも注目です。
マレーが勝利しました。2017年以来のウィンブルドンでの勝利。
「6-4 6-3 5-0」となったところで簡単に試合を決めるかと思いきや
そこから崩れて最終スコアは「6-4 6-3 5-7 6-3」となったものの
一時は引退を口にするなどカムバックも難しい状態でしたのでなんにせよ喜ばしいことです。
以上はトップハーフです。
今回はどちらかと言えばボトムハーフに注目ん選手が入ったでしょうか。
前哨戦で優勝したメドベージェフ、ベレッティーニ、ウンベール、チリッチはこちらに入りました。そしてフェデラーも。
日本人選手も錦織、西岡、杉田、内山と今回4人が出場しますが全てボトムハーフになっています。
特に初戦の注目の試合を上げていくと、
イズナーvs西岡
キリオスvsウンベール
フェデラーvsマンナリノ
クエリーvsカレーニョ・ブスタ
辺りになるでしょうか。
ボトムハーフの方が混戦というわけではないかもしれませんが、
こうなるとジョコビッチのドローは少し楽なのかなと思わないでもなかったり。
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- 2021/06/29(火) 18:58:11|
- 2021年4月~6月
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来週はもうウィンブルドンです。
通常グランドスラム前週はおとなしいのですが、今年は少し様子が違います。
全仏前週にジョコビッチがセルビアで優勝したのと同じように
今週は特にマジョルカで行われている大会に、メドベージェフ、ティエム、ルードなど注目の選手が出てきています。
ただ、クレーシーズンの時からコンディションの不良がささやかれているティエムは途中棄権していますし
ルードもクレーシーズンでは大ブレークでしたがグラスではまだ公式戦で勝利したことがなく未知数でした。
いわくつきの選手が出ているとも言い換えられるわけです。
そのルードですがサングレンに勝ってグラス初勝利を上げました。次にメドベージェフと対戦します。
全仏で稀代のドロー崩しを披露して話題をさらいったメドベージェフ、
その上で苦手の全仏で初めて勝利を上げて意外な戦いを見せたところですが
グラスコートでも実績はまだ十分ではなくランキング2位という割には未知数であることに違いありません。
これまでウィンブルドンでは最高3回戦までとなっています。
優勝狙いではなく、これより上に行くため、ということでのスケジューリングかもしれません。
先週の優勝で存在感を見せつたウンベールも大会に出場していまして
初戦でケツマノビッチにフルセットで勝利しました。またもフルセットです。
ただ、疲れがたまったのかそこで棄権となっております。
対戦予定だったクエリーが不戦勝で勝ち上がることになりましたが
クエリーは先週の初戦でウンベールと対戦しており、やはりフルセットの激戦で敗退しておりました。
戦わずして激闘のリベンジを果たした形となります。
クエリーは次にバウティスタ・アグーと対戦します。これも面白い対戦です。
バウティスタ・アグーはスペイン選手としては珍しくグラス勝率の高い選手です。
もう一人、グラスコートに強いスペイン選手であるフェリシアーノ・ロペスも大会に出ています。
ロペスは次にフランスのマンナリノと対戦します。
マンナリノもグラスコートに強い選手ですが、フランス選手としてこれは珍しくありません。
むしろフランスではグラスに強い選手の方が多いくらいです。全仏主催国の立場がないですね。
スペインもフランスもクレー主体のお国柄だと思っていましたが実情は随分違うようです。
さて、大会以外にやはり今週はウィンブルドンのドロー発表に注目が集まります。
ナダルが不参加ということ、またメドベージェフに全仏の時ほどのドロー崩し感がないというのもあって
全仏ほどの注目度ではないかもしれませんがフェデラーは出ますし、
全仏で活躍したチチパス、ズベレフもグラスコートでの実績はいまいちというのもありますので
戦いぶりに予測がつかないという点では全仏以上の混迷さと言っていいかもしれません。
実績だけでいくと何だかジョコビッチの一人勝ち?という気がしなくもないですが
未知数の選手が多いという点では1つ1つの試合に注目が集まるという面白さもあります。
- 2021/06/24(木) 12:11:43|
- 2021年4月~6月
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全仏終了と同時にグラスコートシーズンが開幕するのが通常ですが、
今年は期間に余裕がなく、全仏の2週目にはすでにグラスシーズンが始まっていました。
大変慌ただしい開催となっています。
先週はグラスコート前哨戦としては最大であるクイーンズとハレが行われました。
このクレーとグラスが重なる慌ただしさはあるのですがが
両大会で決勝に進出したベレッティーニやルブレフのように、
クレーでのパフォーマンスが高くてグラスで戦える選手がいる
ということが確認できたのは中々に収穫でした。
この2大会を通じてベストの試合は、ハレ準決勝のウンベールvsオジェ・アリアシムだったでしょう。
ファイナルセットタイブレークというスコアでもそれを表していますが、
ブレークポイントやマッチポイントのピンチをお互い幾度も切り抜ける展開は壮絶でした。
両者ベースラインからショットスピードも速かったですしネットでのパフォーマンスも見事でした。
グラスコートではネットを取る機会も多くなると思うので、オールラウンドに戦える選手は強いです。
クイーンズを制覇したベレッティーニも強烈なストローカーですがネットでの小技もありますし
攻守のバランスというのはこれからの良い選手の条件ということになるのでしょう。
オジェ・アリアシムは4月にトニー・ナダルをコーチに迎えて話題となりましたが
この大会ではフェデラーにも勝利し、プレーでも存在感を見せました。
元々才能は折り紙付きと評判でしたので同じく好調を見せている同郷のシャポバロフと共に
ここからブレークしてくれると嬉しいところです。
そして、ウンベールですよ。
今大会はウンベールのプレーには魅せられました。
初戦のクエリー戦から「4-6 7-6 7-6」という凄いスコアだったのですが、その後、
ズベレフ戦、コルダ戦といずれもフルセットを戦っており、どの試合もプレーぶりは見事でした。
ズベレフ戦など、要所での落ち着いたショットセレクションやグラスコートへのフィット感など
試合を通じてズベレフよりも格上にすら感じるプレーぶりを見せました。
大会を通じてバックハンドが有効でしたが時折見せたフォアのランニングショットは
さながらナダルを思わせる精度がありました。
クイーンズで準優勝だったノリーも左利きでしたが、
フェデラーに憧れた世代で片手打ちバックが増えているのと同様、
ナダルにインスパイアされた左利きの選手も増えてきているということかもしれません。
ウンベールは22歳とまだ若い選手ですので注目してみたいですね。
ただ、試合を通じては波もありそうで、5セットマッチで2週間戦うウィンブルドンで
今大会と同じようなパフォーマンスが発揮できるかというとちょっとわかりません。
まだ、安心感、安定感のようなものは感じられないかなという印象です。
- 2021/06/22(火) 12:00:00|
- 2021年4月~6月
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もう貫禄の優勝でしたね。
決して全ての試合が完勝のスコアではないですが、終わり方はどれも完勝レベルでした。
4回戦は2セットダウンからの逆転勝ち、準決勝は第1セット「0-5」のスタート、
そして決勝で再び2セットダウンからの逆転勝ち。
対戦相手を落胆させることにかけてはこれ以上のものはないでしょう。
若手も同世代も誰彼構わず精神攻撃を仕掛けるこの非道ぶり。
決して好調と言われてこなかった前哨戦を全てグランドスラムへの準備だったと捉えれば
実に今のジョコビッチらしい焦点の当て方、戦い方だったといえます。
ここまでされては脱帽ですね。
グランドスラム優勝19回となりまして、レーバー以来のダブルグランドスラムも達成しました。
フェデラー、ナダルの最多優勝回数の塗り替えも可能性は高いですし
なにより年間グランドスラムすら狙える位置にいます。
今年の全米優勝で年間グランドスラム達成と共に優勝回数更新となると最高のシナリオです。
No.1の記録も既に樹立していますからこのジョコビッチの記録回収といいうのはどこまで進むのでしょうか。
ジョコビッチの凄さはなんといってもその集中力です。精神力ともいうべきか。
逆転もそうですが、ブレークポイントなどのピンチを脱する力がもの凄い。
これに関しては、フェデラーの比ではないです。
ナダルも凄いとは感じましたがジョコビッチの方が更に上でしょう。
ここまであと一歩に迫れる若手がいるのだから頑張ってほしいと思う反面、
ジョコビッチが記録を塗り替えるのも面白いのではないかと思ってしまう自分もいます。
ただ、今回はウィンブルドンまでの期間が短いので、その点で全仏を多く戦った選手は不利となります。
もちろんそうしたかつての常識がジョコビッチに当てはまるかと言われれば微妙なところもありますが、
決してウィンブルドンが簡単でないのも事実でしょう。
最終的に勝ったから称賛されているもののやはり若い選手に追い詰められたのも事実ですから。
というわけで残りのシーズンも見逃せないですね。
ウィンブルドンは特殊なコートなのでなかなか難しいですが、
全仏と同じように若い選手には活躍してほしいという思いも強くあります。
- 2021/06/15(火) 11:52:00|
- 2021年4月~6月
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色々ありましたが、大会前の大半の人の予想通りの顔合わせとなりました。
シード順でないですが、これが力関係的に現時点でのベスト4と言って間違いないでしょう。
・ジョコビッチvsナダル
・チチパスvsズベレフ
ジョコビッチvsナダルはいまさら何をコメントすることがあろうかという対戦です。
オープン化後では史上最多の対戦数で、成績もジョコビッチ29勝、ナダル28勝とほぼ互角となっています。
概ねハードではジョコビッチ、クレーではナダルと成績が二分されているところはありまして
勝ち上がりの状態からもナダルやや優勢の声はありますが、まあここまできたらどちらということもないでしょう。
両者は2006年から対戦していまして、その最初の顔合わせはここ全仏でした。もう16年も戦っているんですね。
かつての記録で長い間戦い続けた例としてはゴンザレスvsローズウォール(14年)、コナーズvsマッケンロー(15年)、
コナーズvsレンドル(14年)、サンプラスvsアガシ(14年)等がありますがその全てを上回っているのですから恐るべしです。
テニス史上で息の長かった選手自体はいますので、探せば最初と最後の対戦でもっと長い例というはあるのかもしれませんが
そのほとんど全てがトップ争いうという点を考えれば両者の異次元さ加減はまた格別といえましょう。
(まあこの手の記録ということで言えば、ここにもう一人加わるのが通例となっていまして実際に入って来るのですが、長くなるので今回は端折ります)
チチパスvsズベレフはグランドスラムでは初の対戦となります。
過去の対戦成績はチチパスの5勝2敗です。初対戦でズベレフが勝った後にチチパスが5連勝ました。
今年のメキシコでズベレフが勝ち、ようやく連敗をストップさせています。唯一クレーで当たった試合でもチチパスが勝ちました。
順当な勝ち上がりとなった4人の中でも一番不安視されていたのがズベレフですからその意味でもチチパスの方が優勢と言えるでしょう。
もちろんズベレフのポテンシャルも未知数ですので結果はやってみないとわからないです。
相手もありますが準々決勝で最も完勝したのはズベレフでしたし、その爆発力は折り紙付きですから。
いずれにしても良い試合になることを期待したいところです。
大会前から話になっていますが、チチパスかズベレフに優勝のチャンスがあるとすれば
準決勝でナダルとジョコビッチが盛大に潰し合ってヘトヘトの状態で決勝を迎えることでしょう。
その意味でも両者としては短期決戦の方が望ましいということになります。
その結果、立ち上がりから壮絶な攻め合いになったりしてくれないかしら、ということを考えたりしましたが、
まあさすがにここまできて決勝のことを考えながら準決勝は戦わないでしょうかね。
何せ、ジョコビッチとナダルであれば例えフルセットを戦っても1日あれば回復してきちゃうかもしれないですから。
現時点でズベレフは優勝候補最下位の4番手ということになりますが、それでもチャンスはあるように思えます。
これが例えばシュワルツマンやダビドヴィッチ・フォキナであったら優勝する図というのは思い浮かばないですが
ズベレフであればもちろん可能性は低いですが例え勝ったとしても少しもおかしくはないです。
チチパスも同様ですが、やはりジョコビッチとナダルの2名を相手にしなくて良いというのは大きいでしょう。
フェデラーやマレーですらやったことのない同一グランドスラムでジョコビッチとナダルを倒す、
という超絶ハードチャレンジを今回はやらなくて良いのですがらその意味でも大いなるチャンス到来といえるのです。
- 2021/06/10(木) 12:00:00|
- 2021年4月~6月
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トップハーフは4回戦まで、ボトムハーフは準々決勝まで進んでいます。
トップハーフの方が進みが一つ遅いですが、もう4回戦で凄い対戦が組まれています。
・ジョコビッチvsムゼッティ
・フェデラーvsベレッティーニ
・ナダルvsシナー
・シュトルフvsシュワルツマン
フェデラーが棄権を発表していましてベレッティーニの勝ち上がりが決定していますが、実にイタリア勢が3人!
因みに2018年の全仏でジョコビッチを下したチェッキナートもこの山に居て、ムゼッティとの直接対決で敗れたという状況ですので、
これはもう新たなテニス王国誕生ともいうべき状態です。少なくともクレーでは時代を席巻するかもしれません。
一時のスペインやアルゼンチンに肉薄するのではないでしょうか。
ジョコビッチに若いムゼッティが、そしてナダルに同じく若いシナーが挑むというのは楽しみな図式です。
現在のイタリアのエースともいうべきベレッティーニは既に勝ち上がりが決まっていますので、
2回戦までの勝ち上がりごときで期待させてくれちゃってその後見事に裏切り切ってくれた
アメリカなどという古いテニス王国とは格が違います。
まあ、絶対王者が相手ですから若い二人が勝ち上がる可能性は薄いでしょうが、良い試合を楽しみたいと思います。
シュトルフvsシュワルツマンが4試合の中で最も地味に映りますが、
シュトルフはルブレフを、そしてシュワルツマンはコールシュライバーを下しての勝ち上がりです。素晴らしい。
事実上の決勝、とまでは言えませんが、事実上の4回戦といってよい組み合わせです。
フェデラーの棄権は残念でしたが、ブランク明けでしかも5セットマッチでここまで戦えることを証明したのは凄いです。
もうランキングに執着はないでしょうし、このようにグランドスラムで見事な試合を披露してくれるだけでその偉大さは加算されていきます。
ボトムハーフはベスト8まで進んでいます。
・ズベレフvsダビドビッチ・フォキナ
・チチパスvsメドベージェフ
ズベレフは錦織を下して勝ち上がってきました。
初戦で2セットダウンという試合をしていつもの危うさを見せたズベレフでしたが、その後は全てストレートで勝利して勝ち上がっています。
錦織のほうも2戦連続5セットマッチを戦いました。ただ、3回戦では相手の棄権があり休息をとれた状態で挑めるたはずでした。
今年のクレーシーズンでは両者よく当たっており、これまで錦織が2敗してはいたものの、完敗、接戦ときていたので
次は更なる接戦ができるのではないかという期待もありましたが、さすがに今の好調ズベレフには勝てませんでした。
因みに話はそれますが、私さっきまでズベレフをずっとズベズダって書いてました。ズベズダはロシアのプラモメーカーですね。
私、ロシア製の航空機やAFVが好きなのでズベズダ製のプラモはよく作っておりますので、自然と間違えてしまっていました。
って当ブログ史上最高にどうでもいい雑談ですね。閑話休題です。
ダビドビッチ・フォキナは、スペイン勢期待の新星といえます。
スペインはまだテニス王国ではありますが、ナダルを筆頭に綺羅星のごとく名手が揃い一世を風靡した最盛期に比べるとm
近年は新勢力の台頭を聞かなくなっていましたので、そこへ現れたダビドビッチ・フォキナは久々の希望といったところではないでしょうか。
何といっても今大会最注目の若手であったルードに勝利したのが大きいです。
試合は「7-6 2-6 7-6 0-6 7-5」というフルセットの大熱戦でした。
ルードが取ったセットは簡単なスコアで、ダビドビッチ・フォキナの方は大いに苦労して取ったというのも
大激戦でかつジャイアントキリングであったことが伺えます。
ルードは残念でしたがこうした若手同士の切磋琢磨も良いですね。
このまま時が経っても潰し合いに終始するだけというのでは困りますが。
さて、最後に取り上げる対戦はチチパスvsメドベージェフです。
ランキングでは極めて順当なのですが、メドベージェフがここまで勝ち上がったのには驚きもあるでしょう。
大会前は第2シードでいいのかと随分と言われたものです。
まあ今思えば、クレーで全然勝てない人が上位シードなどということは普通にあったわけで
ここでもメドベージェフはビッグ3の被害者と言えなくもないわけですが。
もっとも、ランキング2位なのに全仏で一つも勝ったことがない選手、というのは流石に実績不足と言われても仕方ないですけど。
しかししかし。そんな大会前の低評価など微塵も感じさせない見事な勝ち上がりっぷりでここまで来ています。
実績というのは選手を成長させるものなんですね。
特に4回戦は相手がガリンでした。クレーに強い実力者です。それに勝ってのベスト8というのは立派ではないでしょうか。
まあさすがにここまで来たら順当にはチチパスでしょう、と言いたいところなんですけど、実は正直わかりません。
今シーズンのクレーでの好調さ、をみれば確かにそうなんですが、過去の対戦成績ではメドベージェフの6勝1敗で、
しかも唯一クレーで戦った2019年のモンテカルロではメドベージェフが勝っているのです。
これはもう、純粋に楽しみな一戦として観ていいのかもしれません。
- 2021/06/07(月) 12:00:00|
- 2021年4月~6月
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1回戦が終わりました。
最大のシードダウンはティエム、そして次にルブレフでした。
テイエムは戦前から調子の悪さが指摘されていましたが、それでも初戦敗退とは想像がつきにくかったと思います。
相手はアンドゥハルでした。スペイン選手の中ではどちらかと言えばいぶし銀といった選手でしたが
ティエムを相手に2セットダウンからの大逆転を演じました。
第7シートのルブレフも、期待していた人は多かったんじゃないでしょうか。
シュトルフを相手にフルセットの戦いを演じ、最後に力尽きました。
シュトルフもベテラン、いぶし銀の選手です。
ドロー発表でトップハーフに戦力が固まったことで話題の今大会ですので、どちらのハーフに入ったかは重要です。
日本人選手は出場4人中3人がトップハーフに入ってしまいました。
しかも内山はチェッキナート、西岡はツォンガ、ダニエルはベレッティーニと錚々たる相手とのマッチングとなりました。
この中で勝利したのは西岡で、ボトムハーフの錦織と並んで日本選手は半数が初戦を突破したことになります。
錦織は5セットマッチの苦戦でした。
そして2回戦がカチャノフということでボトムハーフなのに厳しいドローを引いてます。
まあここはノーシードですからある程度は致し方のないところです。
その他のトップシード勢を見ていきましょう。
ジョコビッチ、ナダル、フェデラー、メドベージェフ、チチパスはストレートで順当に勝ち上がっています。
メドベージェフの名前がここにしれっと入って来るとはある意味予想外かもしれませんがまずは全仏初勝利ということです。
まだ試合観てないのですが、どんな感じでプレーしたのか確認したいところです。
第6シードのズベレフは、あわやティエムにならんとするところでした。
2セットダウンからの逆転勝ち。但し3セット目以降は危なげなかったので
それほどの危機感というのではなく、グランドスラムによくあるスロースタートの一つと捉えればいいでしょうか。
しかし本当にズベレフはフルセットが多いですね。まだ体力があるからいいようなものの。
注目の若手であるルードとシナーは勝ち上がりましたが、それぞれ4セットと5セットを戦いました。
相手はペールにエルベールと地元フランス特有の曲者達ではあったので正攻法の若い選手達にとっては良い試練でした。
ただルブレフの例もあるし、多くの期待はし過ぎないように見守るのがいいでしょう。赤土とは本来そういうコートですから。
因みに今大会の初戦、一番の注目試合はコールシュライバーvsベルダスコでした。完全に個人的な趣味です。
この二人、結構いい試合するんですよ。今回も「7-6 6-2 2-6 6-4」という中々にいい感じのスコアでコールシュライバーが勝利しました。
ハイライトでいいから動画ないかなあ。誰もこのテニス界の隠れた至宝達の素晴らしさに気付いてくれないのかなあ。
勝ったコールシュライバーは次にカラツェフと対戦します。これはこれは面白いカードです。
2回戦で一番の注目試合です。
ビッグネーム感で言えばナダルvsガスケ、フェデラーvsチリッチもありますが。
他には、デミノーvsチェッキナートとモンフィスvsイマーも楽しみです。
また日本人選手も、錦織vsカチャノフ、西岡vsムゼッティとどちらも厳しい戦いに挑みます。
- 2021/06/02(水) 12:15:44|
- 2021年4月~6月
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むむむ。どう読んでいいかわからないドローになりました。
まず第3シードのナダルは第1シードの山になりました。
すなわちジョコビッチとべスト4で当たることになります。
また、ジョコビッチとベスト8で当たる場所は第8シードと第9シードになります。
フェデラーとベレッティーニです。ここも大変なドローです。
ナダル側にはシナー、カラツェフ、ルブレフがいます。
3強がトップハーフに集まったというのはかなり偏りを感じさせると同時に
3名の誰もが楽でないドローを引いたということになります。
トップハーフのすべての選手が大変になったといえるでしょう。
今回、ジョコビッチやナダルが早期に取りこぼすとは考えにくいので
新しいチャンピオンを生み出すには、準決勝でこの両者が壮絶に潰しあって
ボトムハーフの決勝進出者がコンディションを武器に王座をさらっていくというのが
一番現実的な展開なのかもしれません。
そうなるとますますトップハーフの選手達は可能性が失われていきます。
ボトムハーフでは、第5シードのチチパスが第2シードのメドベージェフとベスト8で当たります。
チチパスの入る場所も気になりましたが一番潰し合いの少ないところに入ったといえます。
また、第4シートのティエムは第6シードのズベレフとベスト8で当たります。
メドベージェフとティエムはシード順の割には今回多く期待されていない選手だといえます。
メドベージェフは元々コートと相性が悪く、ティエムはコンディション面です。
ちょうどそこにチチパスとズベレフが入るので一応こちらの方が本命ということになるでしょう。
チチパスもズベレフも好不調を繰り返すので本命にふさわしいかというと異論はあるかもしれませんが、
現時点での評価はそうなります。
もっともティエム自身は本来超実力者ですからベスト8まで順調に進んだ際には
ズベレフにとっては最初の大きな山場になるでしょう。昨年全米決勝の再現ですから見たい試合ではあります。
他に、好調のルードがベスト16でティエムと当たる場所に入ってます。
- 2021/05/28(金) 13:14:00|
- 2021年4月~6月
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全仏2週間前の小さな大会でしたがリヨンとジュネーブの大会は
それぞれチチパスとルードが優勝しました。
その見事な才能と裏腹に安定感の欠如が代名詞のようですらあったチチパスですが今期は絶好調です。
現時点、全仏で2強を脅かす選手の筆頭として名前が上げられていますが、それには誰も異論はないでしょう。
プレー内容も素晴らしく、今の時代は片手打ちバックでも十分クレーで試合を支配できるのだということを見せつけます。
ここまで調子がいいと、グランドスラムに入ったら途端にポカという状況だけは避けていただきたいですね。
チチパスは第5シードが濃厚なので度のドローに入るかというのも気になります。
もう一人の優勝者であるルードですが、シャポバロフとの22歳同士というとても楽しみな決勝を制して今季初タイトルを獲得しました。
今年のルードも調子が良く、モンテカルロでベスト4、マドリードでもベスト4と躍進しています。
特にマドリードで先述の好調チチパスを下しているのが目を惹きます。
この両者は正に調子のよさで言えば現時点でトップ2かもしれません。
準優勝だったシャポバロフもクレータイプの選手ではないですが、今大会は破竹の勢いで勝ち進みました。
しかし残念ながら肩を負傷してしまい全仏は欠場するということです。
グラスコートもさして得意ではないので後半のハードシーズンに焦点を当てて復帰してくるのではないかと思います。
リヨンとジュネーブの試合はちょこちょこ見ていましたが、数年前よりも片手打ちバックハンドが増えたのが目につきます。
私は従来より片手打ち信者ですから、やはりこの傾向は嬉しいです。
ざっと上げても、チチパス、ティエム、ガスケ、ディミトロフ、シャポバロフ、ロペス、クエバス、チェッキナート、ムゼッティ。
あ、そしてもちろんフェデラーも。
今回の小さな2大会のエントリー選手で思いつく選手だけでもこれだけいます。
まあ全体からすればもちろんまだ少ないですが、クレーに強い選手が片手打ちになっているのも大きいですね。
さて、全仏の前週うである今週も2大会が行われます。
さすがに直前なので参加メンバーからトップ選手が減っていますが
やはり一番目を惹くのはベオグラードオープンのジョコビッチでしょう。
今年はセルビアオープンも開催されて既にそこで母国凱旋を果たしていたので
ここには出場しないのではないかと思われていましたがまさかの出場でした。
良い調整ができるといい、というような話をしていましたが、
第2シードが15位のモンフィスでしかも過去無敗というおまけつきですから、
まあ確かに調整にちょうどいいのかもしれません。
今週は、2つの大会もそうですが、やはり全仏のドロー発表が気になります。
先にも述べましたがチチパスが第5シードですし、そして何よりもナダルが第3シードですから。
このドロー+1のポジションはいつも目玉となりますが今年はそれが特に熱いのです。
今の調子だとそれぞれティエム、メドベージェフと入れ替えた方がいいんじゃないかという気もしなくもないですが
そこは正当なルールにのっとった公平なマッチングだと言い聞かせ、早いラウンドでの凄い対戦も覚悟しつつ待ることにしましょう。
因みに上位が全員出場するなら第9シードにもベレッティーニが入ることになります。
これもまたドロー+1の大きな山となりそうです。
ドロー発表、熱いですよ。
- 2021/05/24(月) 16:17:00|
- 2021年4月~6月
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今年はローマと全仏の間に2週間の空きがあります。
その間行われるのはツアー250の小さな大会ですが、休息期間だと侮ってはいけないですね。
こういうまだ1週の余裕が今週などは特に選手たちも気になる動きをするものです。
まずスイス、ジュネーブの大会ではフェデラーの復帰がありました。
さすがにここは2年間もクレーで試合をしていなかったということで初戦敗退は仕方のないところですが
それでもアンドゥハルにフルセットというのは悪くなかったと思います。
その他、大会にはモンフィス、チリッチ、ベルダスコ、ロペス、フォニーニといったベテランが出ていますし
若手でもシャポバロフやルード、ローマでの躍進も記憶に新しいオペルカなどが出て、
調整大会という以上に、誰が勝つか読めない面白さのある大会という見方ができます。
同時に行われているリヨンの方も同様です。
上位2シードはティエム、チチパスと豪華だし、初戦からいきなりシナーvsカラツェフが行われ、
他にもムゼッティ、コルダ、オジェ・アリアシム、イマーなど、特に若手のエントリーが目立ちます。
これも中々に興味の尽きない大会となっています。日本の西岡も出ていて初戦を突破しています。
西岡はどうでしょう、もう若手ではないですかね、今年26歳ですから。中堅選手なのかな。
いずれにしても、どちらもちょっとした注目大会になっています。
この2週間、ただ全仏のドローを待つだけ以外にも楽しむことはできるのではないでしょうか。
- 2021/05/20(木) 12:00:00|
- 2021年4月~6月
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