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 レンドル最強説&フェデラー最強説blog

【レンドル最強説】の雑記部分をブログ化しました。右のリンクから本体へも是非どうぞ。

2017年、ウィンブルドン、フェデラーを振り返ります。

今大会見逃していたフェデラーの試合を観直しました。

フェデラーの試合で感じたのは「上手さ」でした。
元々じゃん、という意見はそりゃもうその通りなんですが、
今回はどちらかといえば、芸術的なショットとか、針の穴を通すコントロールとか、
そういうフェデラーを特徴づける一打一打の本当の意味での技術力ではなくて
試合運びの巧みさをより強く感じたのです。

まあそれですら元々じゃん、といわれそうですが。

正直、フェデラーのショットパワーは以前に比べれば落ちています。
以前であれば一撃で決めていたフォアハンドも拾われるケースが多いし
またフットワークも、相手の強打にかろうじて追いつくというシーンもあります。
あの程度であれば簡単に追いついて逆襲の一撃を打ってたんじゃなかったっけ?
と思わせるような押し込まれ方をされるようなシーンも普通に見られるのです。

しかし、それを分かった上で、すなわちフェデラーは今の自分を把握した上で
試合を展開していたように思います。
打った瞬間に決まるかな、と思わせるようなショットを打っても常に次の手を用意するし
ギリギリで追いついて辛うじて返したショットも、無理に逆転の一撃にせず、技ありの技巧で返したり
とにかくプレーのバリエーションの豊富さと、それを巧みに使い分ける試合展開が本当に見事でした。

より具体的に例を挙げるとサーブです。
戦う相手の多くはフェデラーよりも基本的にサーブが速かったです。
特に4回戦以降はディミトロフ、ラオニッチ、ベルディフ、チリッチですから
まあ顔ぶれを見ても当然です。
しかし、サーブが効果的であったのはいずれの試合でもフェデラーの方でした。
明確な数字を出しましょう。

左が相手、右がフェデラーです

《ファーストサーブ最速》
4回戦 130MPH 125MPH
Best8 140MPH 126MPH
Best4 130MPH 124MPH
Final 134MPH 123MPH

《ファーストサーブ平均》
4回戦 119MPH 115MPH
Best8 127MPH 115MPH
Best4 121MPH 113MPH
Final 123MPH 113MPH

サーブの速度では皆全然フェデラーよりも速いです。
しかし、

《サービスエース数》
4回戦 07本 08本
Best8 11本 10本
Best4 09本 13本
Final 05本 08本

エース数を見ると、準々決勝のラオニッチ戦を除いて全てフェデラーの方が多いです。
ラオニッチとの本数ですら1本少ないに過ぎません。
フェデラーのサーブは常にエースを狙いに行くスタイルではないんですが、
いかに的を絞らせないか、球種やコース、組み立てが見事であるというのが分かります。
チリッチやラオニッチなどは大会通じてエースが多く、
総合の数字でチリッチはクエリーに次いで2位、ラオニッチは4位でした。
しかしフェデラーからのみはエースが取れなかったということであり、
フェデラーのレシーブ力の高さもまたクローズアップされてしかるべきと言えましょう。
もちろん試合がどれもストレートで終わってしまったというのもあるでしょうが。


以下の数字も圧巻です。

《ファーストサーブ獲得率》
4回戦 65% 76%
Best8 71% 90%
Best4 68% 84%
Final 65% 81%

サーブそのものが効果的であったのは間違いないでしょうが、
サーブを起点とした一連の攻撃力が圧倒的であったということになります。


セカンドサーブも見てみましょう。

《セカンドサーブ平均速度》
4回戦 96MPH 98MPH
Best8 101MPH 102MPH
Best4 99MPH 99MPH
Final 96MPH 99MPH

これまた見事です。
ベルディフ戦のみ同じスピードですが後は全てフェデラーの方が上となっています。
こうなると当然以下の数字につながります。

《セカンドサーブ獲得率》

4回戦 44% 71%
Best8 42% 52%
Best4 57% 59%
Final 39% 71%

セカンドサーブでも優位性が顕著ということで
これではもう他の選手が勝つ見込みはなかったわけですね。


実際に試合を観てた上での感想で言いますと
他の選手がフェデラーよりもサーブが速いのはわかります。
しかし、数字ほどのスピード差があるようには感じませんでした。
例えば決勝でチリッチが130MPHのサーブを打ち、
次のゲームでフェデラーが117MPHのサーブを打ちましたが
「え、さっきのが130なのに今のが117しか出てないの??」という感じです。

いつの時代もパワーがテニス界を支配すると思われ勝ちですが
まったくそうではないということをフェデラーは教えてくれます。



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  1. 2017/07/21(金) 12:30:00|
  2. 2017年7月~9月
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
<<2017年、ジョコビッチが年内休養を発表 | ホーム | 2017年、ウィンブルドンはフェデラーでした。おめでとうございます。>>

コメント

確かにサーブ力=キープ力が際立ってますね。象徴的に1分キープというフェデラーならではのワザがありますが。
どの試合でも1分間でゲームを終わらすのは、並み居るビッグサーバでも簡単にできませんね。
カルロビッチ、イズナーはエース連発は毎回決めますが、1分間という短時間でのキープを「どの試合においても」取るイメージまではありません
フェデラーにはそれができます

ファーストがフォルトでも瞬時に次のセカンドへの配球を決めておいて実行できるのは多分フェデラーだけ
相手からすると時間を奪われてコースへの読みなどは「試合中」に実行するのは難しくなります
するとあと頼りになるのは持っているレシーブなどのリターン力になってきますね

試合前はコーチの助言や過去のデータをもとに戦術としてインプットすることが十分可能ですしフェデラー対策でそうするでしょうが
フェデラーは彼等の戦術を見透かしたように、相手の動きや状態を見ながら配球を高速処理で決めていっているように見えます。
たてていた戦術の上書きをしているということにもなりましょうか

チャレンジの正解率と真逆のような正確性のある心理読みですね
またレシーブ力も(特にバックハンド)格段に向上してますし、ネットへ詰めるタイミングは相変わらず上手く寸分の狂いがないですね


> 例えば決勝でチリッチが130MPHのサーブを打ち、

> 次のゲームでフェデラーが117MPHのサーブを打ちましたが

> 「え、さっきのが130なのに今のが117しか出てないの??」という感じです。

まったく同感です。フェデラーのサーブはキレがあって、フォームも高速テンポですから余計に早く感じます。
野球で例えるとコントロール抜群で、まるでキャッチボールのようにポンポン投げる投手なんかがそうですね
  1. URL |
  2. 2017/07/21(金) 16:00:05 |
  3. RfRn #-
  4. [ 編集]

フェデラーは、仙人の域に達した感じですね。
最後のは特に同感です。
サーブの計測速度は振り出しの速さ(初速)ですから、最後までスピードが落ちない、いわゆるキレがあるっていうんでしょうか。

初めて自分がフェデラーを観戦したのは2001ウィンブルドンでたしかヘンマンに負けた試合ですが、当時からサーブのキレは感じました。
それ以外にも、ミスが多いもののプレイのスケールの大きさやネットタッチには非凡なものを感じたなー。

でも、17年後まで第一線で活躍とまでは予想してませんでした。
08年あたりにもうナダル王朝なのかなぁ、とか思わせて、もう10年近く経つんですね。
  1. URL |
  2. 2017/07/21(金) 19:32:19 |
  3. ATPウォッチャー #-
  4. [ 編集]

少しずれますがフェデラーは大会の後若手がサーブアンドボレーを行わないことに苦言を呈していたみたいですね。
「僕が今大会で戦った相手は試合を通じてサーブアンドボレーを行った確率が2%だった。他の選手のコーチはもっと前に出ることを教えたほうが良いんじゃないんだろうか。」
「後方で打ち合うだけでは主導権は取りづらい、もっと前に積極的に出るべきだ。」また「ボレーなどのネットプレーは片手のほうが有利だ」とも。
論としては割と我々一般テニスファンでも言われることではありますが、それをある程度実践している少数の側に位置するフェデラーだとまた人一倍思うものがあるんでしょうね。
あ、更に話は変わりますがフェレーロがズベレフのコーチに就くみたいです。機動力と粘りも合わさった現代型スペインテニスの先駆者のフェレーロと
ドイツ国籍ですが元はロシア人でプレーもロシアンフラット系統よりのズベレフがどう化学反応をするか注目ですね。
  1. URL |
  2. 2017/07/21(金) 23:13:12 |
  3. マルト #-
  4. [ 編集]

フェデラーはサーブの緩急でタイミングをずらすのが上手いですよね。
10キロ程スピード抑えてタイミングを0.5テンポずらしたり、キックサーブや逃げてくサーブ、体に食い込んでくるサーブなど多彩に攻め分けてますし、リターン後の攻めも多彩なのでレシーブ側は色々考えなければならないのでさらにリターンの精度が低くなってる印象があります。レシーブ側にかかるプレッシャーも相当キツイんでしょうね。
フェデラーが悠遊とサーブをキープ→相手はサーブを落とせないプレッシャーからミス→フェデラーが隙を付いてブレイク→フェデラーがサーブのギアを一段階上げて悠遊キープ→相手の心を折る
フェデラーの攻め方が効率的なのは判りますし言うのは簡単ですが、この歳でどんな相手にも安定してやってのけるのが凄いです。

サーブではありませんが、最近のフェデラーは「やりすぎだろ」と思うようなスーパーショットは少なくなりましたが、相手がギリギリ取れない所に確実に落とす精度が格段に上がっていて昔とは違う凄味がありますね。
  1. URL |
  2. 2017/07/23(日) 23:01:50 |
  3. hinoe' #-
  4. [ 編集]

今のフェデラーを以前よりも強いとすら評価する向きもあるようですが
それほどインパクトの強い優勝だったということになるのでしょうか。
滋味、とでもいうべき勝ち方がまたいいですね。


  1. URL |
  2. 2017/07/27(木) 09:15:13 |
  3. Au-Saga #3/VKSDZ2
  4. [ 編集]

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