レンちゃん様より頂いた意見を基に今回の記事をアップしました。
>レンちゃん様
ご意見ありがとうございます。
まず、以下に頂いた意見を引用させていただきます。
---以下引用--
はじまして、「イワン・レンドル」で検索したところ発見しました。もちろん、私もレンドルファンです。
メールを送ろうとしましたが、まずはここでお願いします。
さて、レンドルはなぜ、全英でサーブ&ネットに固執したのかという事です。レンドルの全盛期にもあたる全英で、ストロークで望んでいたら、2~3回は優勝していたと思います。
決勝で、あのP・キャッシュに負けましたからね。何やってんだろうと思いましたよ。
本当のことは、一時期レンドルのアドバイザーをしていた、神住純に聞くか、怪我三昧の松岡修三にでも聞かないと分かりません。
そこで、私の想像です。レンドルは、完璧主義者なので全英をストロークで取ったと言われることを極度の嫌がったのでしょう。あ~あ、ボルグはストロークで五連覇していたし、アガシでもストロークで全英を取ったし。
大昔、ナンバーというスポーツ雑誌に書いてあった記憶ですが、「レンドルはボルグほど脚力がなかったので全英でストロークでやっても勝てなかった。」 うそだろう!!
ボルグの守備的なストロークではポイントが決まるまで時間がかかるが、レンドルの攻撃的なストロークならポイントを取るまでボルグほど掛からんです。
コメントをよろしくお願いいたします。
---以上--
ありがとうございます。
では早速、私見ではありますが以下にコメントをさせていただきます。
大きくは以下の2点、
・レンドルがストロークで戦っていればウィンブルドンを取ったか
・何故ネットプレーにこだわったか
になりますかね。
私はこういう話になるとどうも文が長くなってしまいます。
読むだけでも大変だとは思いますが、なにとぞご了承下さい。
続きは以下をどうぞ
まず、もしレンドルがストローク中心で戦ってれば
ウィンブルドンを取ったのではないかという意見ですが、
意外にも当時はそのように言われてなかったのではないかと記憶しています。
1992年にアガシが勝ってから回顧的にいわれるようになったのではないでしょうか。
というのも、当時のレンドルは優勝こそしなかったものの
ネットプレーで充分な成績を収めていたからでした。
ウィンブルドンで7回ベスト4に進出しています。実はこれは全仏の回数を上回っています。
優勝しなければ意味がないと言ってしまえばそれまでですが
(事実レンドル本人もそう思っていたようです)
芝生でネットプレーを採用したのが失敗だったとはとても思えない成績です。
芝で弱いというのが枕詞のように付きまとうレンドルですが
ボルグのハードコートよりも勝率が高かったという事実も忘れてはならないでしょう。
では、実際にレンドルが
ストロークでウィンブルドンに挑んでいたらということになりますが、
私はやはり優勝できなかったのではないかと思います。
レンドルはこだわりでネットに固執したというよりは
ベストと思われるスタイルを採用したのではないかと思うのです。
これは時代の流れが大きな意味を持っていると感じます。
ボルグの確実で見事なストロークは70年代に合致したもので、当時のベストでした。
しかし80年代のスピードアップしたテニスでは通用しなかったという意見も聞かれます。
レンドルは、その80年代に対応したハードヒットを身に付けましたが
それは腕を鞭のようにしならせる動作の大きなものだったため
イレギュラーの多い芝生では常時使えるものではありませんでした。
レンドルの試合を観なおしてみると緩い球の頻度が多かったことがわかります。
90年代に入ってアガシやクーリエによってコンパクトなライジングショットがもたらされます。
これはラケットの進化によって初めて可能になったショットです。
彼らによってようやく常にハードヒットするスタイルが確立されたのでした。
90年代初頭のウィンブルドンで、アガシがベッカーを、
クーリエがエドバーグを破ったときは時代の移り変わりを強く感じさせました。
レンドル全盛期にこのラケットと理論があれば・・・とはよく思ったものです。
事実、レンドルは力の落ちた晩年でしたがこの新しいライジングをものにしてました。
もう少し時代がずれていたらレンドルはストロークで戦ったのかもしれません。
しかし、時既に遅しというか、残念ながらこれは
時代がレンドルのために用意したショットではなかったことになります。
同じように、ボルグが80年代に登場していれば、我々の知るボルグとはまた違う、
時代に合致したプレーをしてみせて活躍したのだろうと思えます。
最後に、ナンバーに記述されていたという脚力についてですが
そのまま鵜呑みにはできない記述だと思います。
ボルグもレンドルも脚力には定評があったはずですから。
ただし、意味を汲み取るならば、以下のように捉えることが可能ではないでしょうか。
ボルグは安定度や確実性のイメージが先行してしまっているため
筋力のイメージはないですが、実際にはそのポテンシャルは素晴らしく、
天性の身体能力を持っていたといわれています。
一方、レンドルの体は、トレーニングにより鍛えられたもので
出たての頃はひょろっとしていて身体能力は正直薄いという印象でした。
レンドルも最終的には見事な能力を手に入れることになるのですが、
スタイルを決定付けるキャリアの初期に、
身体能力ありきのプレーを取り入れるわけにはいかなかったのでしょう。
つまり、ボルグのようなプレーをしようという判断していれば
レンドルの特徴である多様性が身につかなかったと言えるのではないでしょうか。
しかしだからこそレンドルはトレーニングによって全てを築き上げ
身体能力、ネットプレー、ライジングショットなど
あらゆる有効手段をものにしていったのだと思います。
始めから得意なプレーだけに固執していたとすれば
レンドルにはならなかったといえるのではないでしょうか。
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- 2007/04/02(月) 15:43:41|
- 雑記
-
| トラックバック:1
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| コメント:17
Au-Sagaさんこんばんは。
詳細な考察のあるコメントどうもありがとうございます。
レンドル贔屓にしては、ずいぶんと辛口コメントですね~(笑い) コメントの冒頭予想では、「2~3回は優勝していたと思います。」は、困難ですが、1回は、優勝していましたね。と。
セオリーなことですが、「ウィンブルドンで7回ベスト4に進出」していても優勝できないなら、戦い方を替えろです。よく「試合中で負けている時は、ペースを替えろと言います」現状、負けているのですから、このままのペースでは勝てない、だからペースを替えて勝機を見い出すです。
喉から手が出るほど欲しいタイトルなら、手段を選ばず戦って欲しかったです。
たしか、P・キャッシュは、病み上がりでした。原因不明の背中の痛みがあり、試合に出ていませんでした。そして、背中の痛みは、腹筋が弱いということでリハビリを続けカンバックした後、全英でも優勝した。
レンドルも全米では、3連続決勝で負けていて、全米のコートと同じサーフェースのコートを作ってまで練習していましたが、全英のコートまでは作れなかったようですね。
レンドルが全英の決勝で、唯一チャンスがあったのが、P・キャッシュ戦でした。
私の最初の投稿には誤りがありますので、訂正させてください。
誤:神住純
正:神和住 純
- URL |
- 2007/04/02(月) 21:15:28 |
- レンちゃん #Hm9GQVnE
- [ 編集]
この件に関して、ロナウジーニョロニョロ様よりコメントを頂きました。
ありがとうございます。
非公開でコメントされてしまったということで
それを公開に変更するということはできな仕組みのようですので
以下に改めて転載させていただきます。
---以下--
初投稿です。半年ほど前にこのサイトを発見して以来、お気に入りに登録してちょくちょく拝見しております。「レンドルのウィンブルドン」の記事を読んで思い出したことがあるので書かせていただきます。昔、テニスジャーナル誌に英国のスポーツジャーナリスト、リチャード・エヴァンス氏のコラムが連載されていたことはご存知でしょうか?氏のコラムはとても面白くて何度も読み返していたものですが、その中で、‘87年の春ころにレンドルとボルグを比較する内容のものがありました。正確な文面は覚えていませんが、「レンドルは、マッケンロー、エドバーグ、ベッカー、キャッシュなどネットプレーを得意とする強力なライバルに囲まれている。一方でボルグはウィンブルドンで勝ち続けた頃は特にライバルらしいライバルはいなかった。もし、ボルグがあと5年早く、もしくは5年遅く生まれていれば、今のレンドルの気持ちがわかるだろう」という内容のことが書かれていました。今にして思えば、レンドルがウィンブルドンで優勝できなかったのは、“ネットプレイヤー・バブル”の時代にぶつかってしまったことも原因のひとつではないでしょうか?
- URL |
- 2007/04/03(火) 09:27:27 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
- [ 編集]
>レンちゃん様
勝ちきれなかったレンドルに対する「歯がゆさ」が
にじみ出てくるコメントありがとうございます(笑)。
実際レンドルは戦い方を変えていたとは思うんですよ。
それがネットの多様やハードヒットの封印だったわけで。
しかし、おっしゃる気持ちもよくわかります。
確かに最後のほうのレンドルはハードヒットを封印しすぎてました。
もう少しガムシャラさがあっても良かったと思います。
>ロナウジーニョロニョロ様
大変興味深い情報をありがとうございます。
もしもそのコラムが手に入るのなら是非とも読んでみたいです。
今になってみるとさすがに昔の選手になってしまっているので
レンドルもボルグも記録でだけ追うようになりがちですが
やはり当時のコラムというのは、直接目にしたプレーの情報が反映されているだけに
非常に重要な意味を持っていると思います。
思い出だけでは正確な情報になりえないですからね。
覚えているつもりでも改めて観なおしてみると随分違ってたなんてこともよくあります。
因みによく1987年が
レンドルがウィンブルドンを取る最大のチャンスだったと言われますが
私はむしろ決勝で大敗したこの年ではなく
89年こそが最大のチャンスだったのではないかと考えています。
準決勝のベッカー戦はセットカウント2-1でリードした上に第4セットでも先にブレークしました。
あとはサーブをキープすればよかったのですが
審判のきわどいジャッジが続き、いずれもレンドルに不利な判定となりました。
結局それで調子を崩したレンドルは自滅していってしまいました。
自滅したレンドルが悪いので負けは負けなんですが、実に惜しい敗戦だと思わせました。
この試合では、終盤ほとんど試合を投げてたレンドルが、
一度だけ目の覚めるようなバックハンドパスを出したのを覚えています。
それまでの競ってるときは一度も出さなかったショットです。
きっとやけになって出したんでしょうが、もっと使ってよかったショットです。
何で序盤からこれを出さないのか、とは本気で思いました。
勝ったベッカーは決勝でエドバーグと対戦しましたが
そのエドバーグは不調で、第1セットを「0-6」で落すなど
ストレートでの簡単な決着となりました。
もしもレンドルが勝ちあがっていれば・・・と何度思ったことでしょう。
- URL |
- 2007/04/03(火) 12:01:47 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
- [ 編集]
Au-Sagaさま
感謝していただき、こちらもうれしいです。
>>もしもそのコラムが手に入るのなら是非とも読んでみたいです。
申し訳ございません。残念ながら7~8年前に処分してしまいました。‘86年頃から10年以上、テニス雑誌はほぼ毎号買っていましたが、なにぶん保管場所に困ったために・・・。私はレンドルと同じくベッカーも大好きでしたが、‘99年の彼の引退でいったん一区切りをつけようと思ったということもあります。今でもテニスは大好きでテレビで中継があれば必ず観ますが、80年代中頃~90年代前半に感じたような興奮や高揚感はもはや味わうことはないのかもしれません。
>>89年こそが最大のチャンスだったのではないかと考えています。
これも申し訳ございません。この試合はどういうわけかほとんど印象に残っていないのです。だから賛同も反対もできません。
一方、この試合のちょうど1年前、つまり‘88年の準決勝のことはよくおぼえています。第3セット、ベッカーにマッチポイントを握られながらも粘ってタイブレークを制し、日没サスペンデッドに持ち込みました。時刻は20:59。最後のポイントはフォアのドライブボレー!(でしたよね?)
(この日は雨でかなり長時間中断していました。エドバーグが先に決勝進出を決めて翌日ゆっくり休める一方、ベッカーはマッチポイント(簡単なフォアボレーをミス)のことを忘れられず、翌日の再開までの短い時間を緊張して過ごさなければならなかった。この精神的重圧と雨での中断の影響がベッカーの運命を決めた、とリチャード・エヴァンス氏はコラムで書いていました。)
関係のないことまで長々と書いてしまい申し訳ございません。
- URL |
- 2007/04/04(水) 00:02:27 |
- ロナウジーニョロニョロ #m2SnQX12
- [ 編集]
ロナウジーニョロニョロ様
88年の対戦は面白かったですね。
出だしはベッカーのペースで、86年と同じくすぐ決着かと思ったのですが
第3セットでようやく一矢報いてくれたという感じでした。
でも最後にはベッカーが勝つだろうなと思っていたのを思い出します。
両者の対戦は全部見たわけではないですがどれもこれも面白かったと思います。
対戦表を見ると、始めは歯が立たなかったベッカーが
次第にレンドルに追いついたのがわかりますが、
グラスコートに限っていえば、
逆にレンドルのほうが追いついていったのがわかって面白いです。
86年の初対戦では大差でベッカーの勝利、
88年ではご指摘の一矢報いる健闘を見せ、
89年では勝利目前という内容、
そして90年にはようやくレンドルが勝利。
2人は充分対戦しましたが、もっと対戦しても良かったと思います。
(参考までに当サイトの両者の対戦表へのリンクです。
http://www.jouhoumou.net/~au-saga/lendl/vsBecker.html)
- URL |
- 2007/04/04(水) 09:39:48 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
- [ 編集]
Au-Sagaさんへ
おはようございます。
今となっては、何とでも言えてしまいますがそこをいろいろ想像するのもいいかなと思いまして、また投稿いたします。
もし、レンドルがストロークで全英を戦っていたら、テークバックが大きく、イレギュラーする芝では、サーブやボレー以外のショットは安定せず、サーブ&ボレーほど成績が残せなかったのでしょうか。
女子と男子は違うと言ってしまえば簡単ですが、シュテフィ・グラフはストロークで全英を7回も優勝しています。可能ならストローク戦のレンドルを見たかったです。
ただ、私は全英でのレンドルの戦い方をすべて検証したわけではないので、一試合くらいはストローク戦があったのかどうかも分かりません。
- URL |
- 2007/04/05(木) 10:23:57 |
- レンちゃん #Hm9GQVnE
- [ 編集]
レンちゃん様
色々な意見交換ができて楽しかったです。
当ブログでここまでコメントが伸びた記事も初めてでしたので
その意味でも盛り上げていただきありがとうございました。
想像が楽しいというのはよくわかります。
私も頭の中で何度レンドルを他の選手と戦わせたでしょうか。
こういうのは答えがないから延々と話を続けられるんでしょうね。
今後ともお気軽にご意見を書き込んでください。
- URL |
- 2007/04/05(木) 14:25:11 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
- [ 編集]
せっかくなので、コメント伸び記録を上乗せ。
最近、PS3でテニスのゲームが出ましたが、このサイトの記事を読んでいると、「なんでこのゲームにはレンドルが出てこないんだ!」と思ってしまい、買うのを渋ってしまいます。
「レンドル対フェデラー」という夢の対決が出来るようなテニスゲーム、出ませんかねぇ……。
- URL |
- 2007/04/05(木) 19:02:45 |
- サンライトイエローのメガドライブ #pVQFStsQ
- [ 編集]
フェリシアーノ・ロペスがいるというのがマニアックですねえ。
ネットプレーヤーを入れたかったんでしょうが、かなり強引です。
確かに最近はトップランクのネットプレーヤーがいないですけど。
まだヘンマンでいいのでは・・・
因みにパワースマッシュもスマッシュコートも
最近はタイミングのゲームという感じで、テニスの忠実な再現ではない気がします。
グラフィックは凄いけどそこがちょっと残念に思います。
- URL |
- 2007/04/06(金) 17:48:32 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
- [ 編集]
キャラエディット・・・
それはやばいですね。
悪くないですね。
随分昔ですが、お世辞にも良いとは言えないテニスゲームがあって
そこでもキャラエディットできたのですが、とにかく弱い選手しか作れなくて
泣く泣くレンドルを松岡修造にしたことがあります。(松岡さんごめんなさい)
時間をかけてでも育てていけるのならちょっとむずむずしますね。
古めのグラフィックなんか用意されてたら、レーバーやチルデンなんて作っちゃったり。
- URL |
- 2007/04/07(土) 18:36:17 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
- [ 編集]
タイトル程たいした記事ではナイのですがちょっと“おっ!!”と気付いた事がありましたのでちと書かせていただきます(今回かなりテニスオタクなお話しです(^_^;)とうとうビヨン=ボルグの五連覇に並んだロジャーフェデラー来年はレンショーの六連勝(←来年の放送で
- 2007/07/20(金) 15:03:28 |
- ラケットにものを言わせたい!?