名無氏より画像を提供いただきました。
ありがとうございます。
開始当初より、サイト内において
レンドルのバックハンド画像を募集しておりました。
中でもレンドルの代表的なショット「右足を跳ね上げるバックハンド」は
使用頻度が高かったにも関わらずなかなか画像が見つかりませんでした。
しかし今回は念願叶っての画像入手ということになります。
重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。
せっかくなので以下にその画像を見てみましょう。
画像は連続写真で頂きました。
サイト本体のほうでは少し加工して転載しようと思っていますが
ここではとりあえずそのままアップしてみます。

(図1:クリックで拡大)

(図2:クリックで拡大)
連続写真は右から左へと進みます。
この写真は、厳密には「右足を浮かせたバックハンド」であり、
「右足を跳ね上げるバックハンド」とまでは行ってないかもしれません。
もっと極端に足を折り曲げる場合もあります。
しかし基礎的な動きは充分に伝わります。
写真の番号で言うと5番が最もイメージに近いでしょうか。
右足が完全に宙に浮いているのがわかります。
これで体重を上に逃がしており、それをボールにぶつけているのです。
8番の写真で腕を大きく振り上げていますが
これが逃がした体重を正にボールにぶつけている状態ですね。
このショットは時間がないときに使ういわば緊急用のショットです。
しかし守備的にならず、できるだけ攻撃的にというスタイルです。
しっかり構えることができない分、素早く効率的な体重移動が必要になってきます。
ハードヒットとブロックショットの中間といえるショットです。
この原理は片手打ちバックハンドだけではありません。
テニス界では形を変えて結構使われております。

(クリックで拡大図へ)
例えばグラフのフォアハンドは正にこれに相当したショットです。
彼女の場合は更に極端で、打つ瞬間に両足が地面から離れています。
これをフォアハンドで達成するというのは実に難易度が高く、
後にも先にもグラフにしかできないショットだといえます。

(クリックで拡大図へ)
また、リオスがもたらし、サフィンによって強力に市民権を得た
ジャンピングバックハンドも原理は同じです。
ただし両手打ちバックハンドという特性から、
跳ね上げる足が左足であるという点や、
緊急用というよりも高めの球をより効果的に叩くためという点など
いくつかの相違点もみられます。

(クリックで拡大図へ)
片手打ちバックハンドは最近使用者が減っているのですが、それでもフェデラーが、
やはり時間的余裕のないときにこれに近い打ち方を見せています。
素早く横向きを作り、ジャンプして体重を浮かせ、それをボールにぶつける。
動作と原理はレンドルのものと同じです。
サンプル写真からはグラフにも近く両足が跳んでいるのがわかります。
バックハンドなのでフォアほどではないかもしれませんが
それでも難易度の高いショットだと思います。
スタンスはレンドルはオープンのままですが、フェデラーはスクエアを作ることが多いようです。
両者を比較すると。片足が付いている分、踏ん張れるという点で威力はレンドルが上、
より素早い対応ができるという点ではフェデラーのほうが上という感じになるでしょうか。
他にもエドバーグやベッカーなど優れた片手打ちバックハンドを持つ選手は
こういったセミハードヒット的な独自のショットを持っています。
いずれそれらを特集してみるのも面白いかもしれません。
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- 2007/04/13(金) 11:36:39|
- テクニック
-
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| コメント:5
Au-Sagaさんこんにちは。
連続写真、火の出るようなリターンが目に浮かびます~。ワタシは、レンドルを映像で見始めたのは '82 年・ノア戦頃ですが(懐かしの 12ch ワールドビッグテニスです。【レンドル対各選手】で見ると '82年2月なんですね)、この頃からバックハンドリターンは、この打ち方だったように思いますから、相当時代を先取りしてましたよね。
>他にもエドバーグやベッカーなど優れた片手打ちバックハンドを持つ選手は
>こういったセミハードヒット的な独自のショットを持っています。
トッププロでは、エドバーグは比較的、レンドルに近いような打ち方だったと思いますが、どうでしょうか? また、マッケンローは身体の回転だけでなく、しなり(?)も利用した、彼独特の身体が反り返ったフォロースルーが目に浮かびます。彼の場合は、両足とも浮いていたような…。(特にリターン・ダッシュの際)
余談ですが、'82年頃、家(賃貸マンション)にノラ猫が居付いていて、当時小学生の妹がエサをやってたのですが、その猫がやせこけて頬がげっそり落ちてて、兄(=自分)の影響でワールドビッグテニスも見てた妹は 『レンドル』 と名付けていました。f(-_-)
- URL |
- 2007/04/15(日) 11:02:02 |
- トシくん #-
- [ 編集]
トシくん様
ありがとうござます。
エドバーグは今改めてみても模範的で綺麗なフォームですね。
手首の使い方とか、足の折り方とかマイナーな部分に違いがありますが
基本的には仰るとおりレンドルに近いのではないかと思います。
ただ、レンドルのこの足を跳ね上げるショットは使ってなかったですね。
エドバーグの場合は腕の振り上げと一緒に体全体を開くようなフォームで、
レンドルともフェデラーとも違う、これまたかっこいいショットでした。
マッケンローのライジングもよく見たショットですがたしかに両足浮いてました。
あれこそ誰にも真似できないショットでしょう。
そういえば前にロディックが物真似してました。
(特徴は掴んでましたがあんまり似てなかったかな)
- URL |
- 2007/04/16(月) 12:00:23 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
- [ 編集]
その昔、レンドルとチェコ協会の関係が取りだたされ、レンドルは金に汚いなどと言われました。その噂によりレンドルは嫌いだと言った人が私の近くにいました。「どうせ、自分で確かめたわけでもなく、マスコミから流される一方的な情報を鵜呑みにする可哀想なお方と心の中で思って言葉(反論)にはしませんでした」
仮にそのようなことがあっても、真意は何かまで調べないと判断は下せないと考え、レンドルがそのような評価をされていても、私は全然気にしていませんでした。
Au-Sagaさん、噂の真相はどうなんでしょうか知っていたら教えてください。
- URL |
- 2007/05/09(水) 23:25:11 |
- レンちゃん #Hm9GQVnE
- [ 編集]
レンちゃん様
すいません。これについては私も真相は全くわからないです。
レンドルの金銭問題については色々と取り上げられていたみたいですね。
稼いだ金額はほとんど国に搾取されていたという話もありました。
レンドル本人は、そんなことは無いと国を擁護する文を書いたりしたようですが
その頃のレンドルの立場を考えれば、それをそのまま鵜呑みにはできないところでしょう。
同郷のナブラチロワはいち早くアメリカに帰化したため
稼いだ金額をそのまま懐に入れることができました。
しかしレンドルはアメリカに帰化するのをかなり逡巡していたようで、
チェコ人のままそのような待遇を手に入れたかったのだと思います。
稼いだ金額をそのまま手に入れるのはアメリカでは当たり前のことですが
当時のチェコではそうではなかったのだと考えれば、
レンドルと協会の間で軋轢が生じるのは当然のことで
マスコミとしても「レンドルと協会との金銭面のトラブル」
という煽り方になってしまったのではないでしょうか。
- URL |
- 2007/05/10(木) 11:58:57 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
- [ 編集]
こんばんは。素早く丁寧なレスをありがとうございます。
噂の真相ですが、今となっては藪の中でしょうか。マスコミに期待するのは酷ですが、きちんと報道をしてもらいたいものです。
ワールドビックテニスの中で、レンドルが右足の親指を疲労骨折して、今回が復帰戦の試合を見ていた時、解説者の渡辺康二氏は、「重力でもかかるのでしょうか」とトンチンカンなコメントをしていました。それは違う本当の理由はこれだと思いました。
続く
- URL |
- 2007/05/10(木) 23:27:51 |
- レンちゃん #Hm9GQVnE
- [ 編集]