さて、今年最後のグランドスラムもいよいよ準決勝となりました。
毎度申し上げていますが、私はグランドスラムは代々準決勝が面白いと思っています。
まあたまにとんでもない決勝があるのも事実ですけどね。
今回は
・アルカラスvsメドベージェフ
・ジョコビッチvsシェルトン
の組み合わせとなりました。
2+1強というか、3強と言ってもよいメンバーはもう何の問題もなくやはりそうかという感じですが
ここに滑り込んできたのがベン・シェルトンでした。
3強時代には稀にこのようにベスト4にノーマークの選手が一人ふと入り込むことがあります。
他の3人についてはもはや改めで語る必要もないでしょうから少しシェルトンを取り上げてみます。
シェルトンは今回当然ノーシードでエントリーしています。
現在のランクは47位、トップ100入りしたのが去年の11月、
トップ50入りは今年に入ってからと正に新星と言える選手です。
国籍はアメリカ、年齢は20歳で、左利き、195cmという大型選手。
アメリカ選手の正当な系譜ともいうべきスケールの大きなプレーをするということもあって
地元では大盛り上がりであるのは想像に難くありません。
シェルトンがランクを一気に上げたのは今年の全豪です。
ベスト8に進出してその時は同郷のポールに敗れましたが、
今回はそのポールにリベンジを果たして勝ち上がっています。
これまでタイトルは0でグランドスラムやマスターズのような大きな大会でも
今年の全豪が唯一勝ち上がった大会であってそれ以外は上位進出はありませんので
全くの未知数、むしろたった今開花した選手と言っても良いでしょう。
次はジョコビッチというとんでもなく大きな壁に挑むわけですが、
わからないけどまあやってみようという感じで本人も気負わずやってくれるといいですね。
プレースタイルに少し触れると、もうとても魅力的なものを持っていると言えます。
195cmと大柄なので、サーブもストロークもパワーは凄いのですが
決して強打を多用せず、スピンサーブからのネットダッシュを多く見せますし、
ラリーでもトップスピンを強めにかけたギャンブル性の少ないショットを用いるのが特徴です。
ただ、いざというときに強打はさすがにすさまじく、
こうした緩急を自在に操ることができれば手の付けられない選手になる可能性があります。
良い物は持っているけど使いこなせないとか、才能はあるのに気分屋とか、
武器の多さが裏目に出て器用貧乏とか、そうした選手にならないように祈りましょう。
(え?カナダ人?オーストラリア人?ブルガリア人?そんなこと言ってないですよ?)
身体に恵まれているからとパワー一辺倒で戦うスタイルは90年代で終わっています。
21世紀に入ってからそのタイプはトップでは通用しませんでした。
シェルトンが今のスタイルに合わせて、恵まれた身体も活かしつつも
しっかりと技術を付けてプレーしているのが好感が持てます。
ただ、なんとなくですが、
シェルトンのプレーは技術に寄せたショットセレクションが多い印象で、
地元ファンは、より豪快なプレーの比重が大きいものを観たい
ということもあるのかなとも感じました。
シェルトンのコーチは父のブライアン・シェルトンで、元ATPのプレイヤーです。
私もプレーは何度か見たことがあります。
上背は息子ほどじゃなくパワーというよりもネットプレーを使った丁寧なプレーが多く
90年代アメリカの非常にオーソドックスなプレイヤーという印象でした。
そうしたこともあるのでしょうか、ネットプレーは巧いので
その技術は確実に受け継がれているのだろうと思います。
いずれにしてもパワーと技術の両方を持っていて、
かつネットを多用して活躍する選手というのは
久しくトッププレイヤーには存在していませんでしたから
ある意味21世紀の新しいスタイルの一つとなる可能性もあります。
愉しみな選手の登場ということで絶対王者との対戦を楽しみにしたいと思います。
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- 2023/09/08(金) 12:00:00|
- 2023年7月~9月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
えーと、順にシャパバ〇フ、キリ〇ス、ディミト〇フですかね?
確かにプレースタイルを見たときに、2番目の方に似ているかなと思いました。
彼のような気分屋には見えないので、これから順調に成長してくれるとアメリカテニス界も盛り上がって楽しくなりそうですね。
- URL |
- 2023/09/08(金) 13:51:23 |
- カムイ #JXoSs/ZU
- [ 編集]
ベンシェルトン、楽しみですね。
ジョコビッチとはやはり初対戦なんでしょうか?対戦データがない相手というのがかえってジョコビッチにとっては苦しい戦いを強いられるかもしれませんね。
また、もう片方のアルカラス対メドベージェフは今大会だけじゃなくて、今後の勢力図を占う意味でも、僕は注目しています。
ジョコビッチは別格として、もし対戦成績において今後数年間アルカラスを脅かす存在が出るなら、やはりハードコートでのメドベージェフだと思っています(あとはクレーコートにおけるズベレフも可能性あると思っています)。
メドベージェフはハードコートにおいてはジョコビッチとも互角にやりあえる存在なので、インディアンウェルズでは敗れましたが全米のような5セットマッチではどうなるのか、とても楽しみです。
正直、1人の選手の独走はあまり面白みがなくなってしまうので、メドベージェフに今回は勝ってほしいと思っています。
とにもかくにも楽しみな準決勝ですね。
- URL |
- 2023/09/08(金) 14:42:11 |
- おスミ #-
- [ 編集]
いくつかの記事で見ましたが、シェルトンはアメリカ国内だけの大会でTop100に入り、海外に出るのも今年がはじめてだったようですね。
1~3シード+ノーシードのベスト4、楽しみです。
- URL |
- 2023/09/08(金) 23:59:54 |
- ふぁぶ #-
- [ 編集]
決勝はジョコビッチ-メドべデフ!
シェルトン君はキラリと見せ場は作りましたが、やはり圧倒的な経験値の差が出ましたね。2年前までのアルカラスのような、、、来シーズンが楽しみな存在です。
メドデベフは1セットは取られたもののアルカラスに快勝でした。1stをアルカラスが取っていれば逆の結果になったかもしれませんが、、、
ストローク戦で5分となった場合、サーブ力の差が出ましたね。
準決勝は予想どおりの結果となりましたが、決勝は分かりません。
準決勝のデキ自体はメドべデフ、心身の疲労度&2年前のリベンジとしてのモチベーションではジョコビッチ、、、分からないなりに応援はジョコ、予想はメドべデフとします。
、、、どっちになっても自分のメンタルが保てるので(;^_^A
- URL |
- 2023/09/09(土) 17:31:10 |
- カムイ #JXoSs/ZU
- [ 編集]
メドベが勝ちましたね。これで決勝や来年の全豪でジョコビッチを止められるならそれこそ三すくみでハードは面白くなるのですが、ジョコビッチが勝つんだろうなーと思ってしまいます。修正力というか各選手に対しての分析力と実行力が凄まじいなと思います。シンシナティでも実際アルカラスにも対策練ってました。良い決勝を期待します。
- URL |
- 2023/09/09(土) 20:32:03 |
- ぽーち #2TDfamfI
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皆さま、コメントありがとうございます。
準決勝のメドベージェフvsアルカラスは現在の3強同士の対戦にふさわしい内容でした。
5セットにもつれ込む凄い試合も観たかったですが、
そこまでしてしまうと決勝は簡単になってしまう恐れもあるのでまあこのくらいが良かったでしょうか。
シェルトンは、頑張ったけどまあさすがに差がありましたね。強打で押し切らないスタイルに好感を持っていましたが
更に老獪で技術のあるジョコビッチとしてはそれが逆に戦いやすかったようにも感じました。
決勝は総合的にジョコビッチが有利と感じますが、
もちろんやってみないとわかりませんので楽しみにしたいと思います。
(一方的な試合だけはやめて・・・)
- URL |
- 2023/09/10(日) 10:26:25 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
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