上海マスターズはジョコビッチの欠場があったものの
その他のシード勢は比較的揃った状態でスタートしました。
ATPツアーは年末が近づくにつれ欠場者も多くなる傾向にあるのですが
今年はそれほど怪我人が出てないというのは良い知らせと考えていいでしょう。
さて、大会の方ですが結構乱れた展開となり、
上位シードも早いラウンドでバタバタと倒れていきました。
最終的にはホルカチvsルブレフの決勝となり、ホルカチが優勝しました。
この両者はどちらもマスターズのタイトルホルダーなので
伏兵的な決勝の顔合わせではなく、準本命レベルの勝ち上がりではあったと言えましょう。
但し、年初からマスターズ大本命の地位を確立していたメドベージェフとアルカラスが
年末に来て少し調子を落としているのもあり、勢力図にも変化が出ているといえます。
もっとも選手の力関係そのものが変化しているというよりは年末特有の傾向という気はします。
決勝戦はファイナルセットタイブレークにまでもつれる接戦となりました。
さすがに力のある両者ですので好調同士でぶつかればここまでの試合を披露してくれます。
優勝したホルカチは元々好不調の波が激しいものの当たった時のプレーは見事というタイプで、
一方のルブレフはそれほど大きな波はないというタイプに属します。
違うタイプのプレイヤーが激戦を行うと試合が面白くなる好例でした。
今大会はコルダとシェルトンのアメリカ若手2人が上位に進出したり
ベテランのディミトロフがアルカラスを下したりとトピックもいろいろありました。
中ではやはりディミトロフが印象的でしたか。
彼ももう32歳、若きフェデラー2世も今やすっかり「ベテラン」です。
意外にも2017年以来、6年間タイトルがありません。これは少々意外でした。
最後にタイトルを獲得した2017年というのはディミトロフにとってキャリアハイの年で
春に初めてマスターズを獲得し、年末にはATP最終戦も制しました。
この年はあのフェデラー、ナダルが劇的な復活を遂げた年でもあるわけですが
ディミトロフは年末ランクでナダル、フェデラーに次ぐ3位という成績を収めたのです(なんとジョコビッチよりも上!!)。
そこから急に全盛期が終わるを告げる形となったわけです。
まあ6年と言えば一般に2~3世代入れ替わってもおかしくない年月ですから
その間に全盛期ディミトロフが渋いベテランになっていてもおかしくはありません。
それ以前に10年間テニス界を支配していたフェデラー、ナダルがランクを落とした後に復活をし、
さらにその後ジョコビッチも同じように復活をして今もなおテニス界を支配している
という状況が異常なだけでありましょう。
このビッグ3時代ですが、ちょうど世代を同じくしたフェレールやチリッチなど
何人かの選手がやはり異様なベテランとしての活躍を見せたのもあって
一時はテニス界の選手寿命自体が大きく変更されと解釈したものですが
この世代の人たちがビッグ3との相乗効果で特例的に選手寿命を延ばしていたのであって
結局は例外的な事象だったのかもしれません。
当サイトでかねてから提唱していた25歳ピーク説は、
実はまだ活きているのではないかと思い直せます。
ディミトロフは6年前、年末時点では26歳になってましたが
最初にマスターズを制した3月時点ではまだ25歳でしたしね。
今、ランキング上位15人を見てみると、
ジョコビッチ(36歳)、シナー(22歳)、アルカラス、ルーネ(20歳)の4人を除いて
他の全ての選手が24歳から27歳の間に入っています。
1~2年も経つと想像以上に顔ぶれががらりと変わっているかもしれません。
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- 2023/10/16(月) 12:00:00|
- 2023年10月~12月
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ラオニッチもこないだ似たようなこと言ってて「ビッグ3はみんなが期待する"普通"を狂わせた」ってコメントしてました。
- URL |
- 2023/10/17(火) 00:11:43 |
- フェレールのくわえタオル #-
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ホルカチは何気に2回目のマスターズ優勝ということで、これはすごいことですね!
今年はナダルがトップ10から外れるという歴史的な年になりましたが、そのせいかトップ10の顔触れが一気に若返った印象ですよね。
今大会のディミトロフなどベテランも頑張っていますが、ランキングはコンスタントな活躍が表れるので、やはり年間通すと25歳くらいの選手が強いですね。
- URL |
- 2023/10/17(火) 16:03:31 |
- おスミ #-
- [ 編集]
>フェレールのくわえタオル様
ありがとうございます。
ラオニッチも直接そのことを実感してきた選手だけに発言にも重みが感じられます。
本人も十分に凄い選手なのですが、ビッグ3時代なだけに普通の凄い選手と判断されているのでしょう。
>おスミ様
そうですね、ナダルの18年間守ったトップ10からの陥落というの大ニュースでした。
フェデラー、ジョコビッチでも一旦はキャリアの中でトップ10から落ちているのですが
ナダルに関してはあれだけ怪我があったのにも関わらずずっとトップ10に入っていたわけで、
そこは脅威だったといえます。
- URL |
- 2023/10/20(金) 13:45:07 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
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