さて、昨日の記事でも少し取り上げておりますが
10周年を迎えました当サイト、最初に扱った大会はもちろん全米オープンでした。
今大会も非常に気合を持って注目していきたいと思います。
ドローが発表されましたので早速追って行きたいと思います。
まだ予選の勝ち上がりが決定していないのでいくつか空欄がありますが
シード勢やおおよその選手は決まっております。
まずトップハーフ。
第1シードのジョコビッチの山です。
ドロー発表の注目の1つが第8シードのナダルがどこに入るかということであったわけですが、
全仏に続いてまたもジョコビッチの山に入ることになりました。
ナダルとジョコビッチの引きの強さは一体どうしたわけでしょう。
両者はオープン化後、最も多く戦っている選手です。
今ナダルは本調子ではなく今大会でも決して「準々決勝で早くもジョコビッチに脅威が発生する」
というわけではなく、むしろ「果たしてナダルはジョコビッチと当たるまで勝ち上がれるか」
という懸念の方が強いわけですが、それでも歴史的な顔合わせには違いないのでいやが上にも注目は集まります。
ジョコビッチとしては、変にバブリンカなんかが来るよりもナダルの方が与し易いといえるかもしれません。
今の状態のナダルは上位シード同士の対戦には中々勝てない雰囲気を感じさせます。
こうした中で何とも残念なのはフェデラーなんですよね。
歴史を作りまくっているフェデラーにとって、ほぼ揺るぎない史上最強選手という評価に
唯一つ水をつけられているのがナダルという選手の存在です。
今ならナダルに勝つチャンスもあるのですが、なんとも対戦が組まれることなく時が過ぎています。
去年の全豪が最後の対戦なので実に1年半対戦していません。
ひたすら頂上決戦を繰り返していた両者からはいつになく長いブランクが空いていることになります。
いつからか頂上決戦といえばフェデラーvsナダルからナダルvsジョコビッチに代わっていきました。
対戦数も後者が抜き去っていったわけですが、実のところ3者の年齢を考えればこれは自然な事といえます。
前者は5歳差、後者は1歳差ですから。
フェデラーとしては今更一回二回勝ったくらいでナダルへの苦手が克服されたという評価にはならないとは思うのですが、
どんな状況であれ勝たずにいるよりも一度勝っておくことの意味は大きいように感じます。
もっともナダルからすれば、今この状態で得意としているフェデラーと戦えば
上位に勝つ意識を取り戻せるかもしれないという気持ちはあるかもしれません。
今のナダルにはベルディフやツォンガなどよりもフェデラーの方が戦いやすい相手と言えます。
ここまでランクを下げてしまったナダルにとって、今なら負けてもともとの相手ですし
そもそも得意としていたという面で気持ちの余裕もあるでしょうから。
ここでフェデラーに勝てた、というようなことがあればナダルにとっては大きなプラスでしょうし
フェデラーにとってはもはや取り戻せないほどの苦手意識が植えつけられることになります。
もっとも、仮にこれが、ナダルがジョコビッチを下して決勝にまで出てきた状態で
フェデラーに勝ったというのならばまあ状況は違うとは思うんですけど。
ちょっと脱線しました。ドローの方に戻りましょう。
ジョコビッチの初戦の相手はソウザです。ジョアン・ソウザ。
まあ名前は知っている選手・・・と思ったら違いました。
知っているのはポルトガルのジョアン・ソウザ(Joao Sousa)、
ジョコビッチの相手はブラジルのジョアン・ソウザ(Joao Souza)。
これは分かりにくい。
因みにポルトガルのソウザも割と近くにいて、
4回戦まで勝ち上がればジョコビッチと対戦することになります。
まあこれまでグランドスラム3回戦に進んだことのない選手ですし、
シード選手2人を撃破しないといけないので可能性は高くはないかもしれませんが。
参考までに、ソウザとソウザは一度対戦したことがあります。
今年の5月にジェノバで行われたクレーの大会で対戦しました。
その時にはソウザがソウザを下しています。
ナダルの初戦の相手はクロアチアのコリッチです。
これは少し興味がありますね。
4回戦でナダルと当たる位置には第10シードのラオニッチが入りました。
ラオニッチの近くでは初戦でベルダスコとハースが当たります。
少しランクを落としているラオニッチですが今ならばナダルと互角以上に戦えるかもしれません。
トップシードのもう一つの山には第4シードの錦織が入りました。
第4シードですよ。グランドスラムで第4シード。
錦織の初戦の相手はペール、最初に当たるシード選手はロブレド、
次にツォンガとモンフィスの勝者ということになります。
ツォンガには全仏でやられてますからね、ここは倍返しでしょう。
錦織と4回戦で当たるの位置には第7シードのフェレールが入りました。
順当にいけば錦織vsフェレールということになるのですが、
実はフェレールの山には第9シードのチリッチも入っています。
チリッチが勝ち上がってくるようなことがあると、これはもう、更に更に倍返しです。
錦織、倍返し倍返しで勝ち上がっていきましょう。
仮に錦織vsチリッチが実現し、ジョコビッチvsナダルも実現するようなことがあると
去年と一昨年の決勝の組み合わせが準々決勝で組まれるということになります。
いずれも準優勝者の方が上位シードというのが時の移り変わりの速さを感じさせますね。
ボトムハーフの方に行きましょう。
まずは第3シードマレーの山です。
ここはいきなりマレーとキリオスの初戦が組まれています。
多くの人が最も楽しみな初戦と考えるのではないでしょうか。
まあ間違ってないと思いますけど、個人的には
キリオスもグランドスラムでの活躍があって話題としても結構取り上げられているというのに
ノーシードってどういうことよと、そっちの方がびっくりでした。
今、16シードの時代じゃないですからね、32シードまでありますから。それでノーシードって。
なんだかキリオスって、ヤノヴィッツ級のはったり野郎なんじゃないですか?
もうマレーさん、あんな奴やっちゃってくださいよ(フラグ立ててるわけじゃないです)。
マレーと準々決勝で当たる位置にはバブリンカが入りました。
今回、第5~第8までのシードのうち、一番ビッグネームなのはもちろんナダルですが
実際に入ってきて今一番嫌なのはバブリンカでしょう。
その意味じゃマレーは悪いくじを引いちゃいました。初戦の相手もあんなヤローですし。
この山には第15シードのアンダーソンやグルビスといった個人的に注目したい選手が入っています。
最後に、ボトムハーフの一番下、フェデラーの山です。
フェデラーが3回戦で最初に対戦することになるシード選手が、第29シードのコールシュライバーです。
今年、当ブログからの注目を一身に浴びながらグランドスラムでは一向に振るわないコールシュライバー氏ですが
全米ではこのところ3年連続で4回戦に進出しています。
フェデラーは続く4回戦ではイズナーかカルロビッチと対戦する可能性があります。
あの衝撃のリターンがこれらテニス界を代表するビッグサーバーに通用するのか期待でいっぱいです。
既にシンシナティではF・ロペス戦で実証済みで、ロペスも充分ビッグサーバーですから
ある程度通用するのは間違いないと思いますが、
更に上行くビッグサーバーにも挑んでほしいという思いがあります。
いかに皆が愛してやまないコールシュライバー氏であっても
こういうのがありますからフェデラーの進撃を3回戦で止めてしまってはいけないですよね。
フェデラーと準々決勝で当たる山には
第6シードのベルディフと第12シードのガスケが入りました。
今年前半にかなりのペースで勝ちを重ねていたベルディフは
夏場以降少し勢いがセーブされている感がありますがそれでも安定度は充分です。
キャリアの長い選手で、早くから上位に食い込んできていましたが安定度が備わったのは最近です。
2013年までは上位進出がありつつも、毎年グランドスラム1回戦敗退も喫していました。
去年になって見事にそれを克服し、そして今年は全豪以降、準決勝、4回戦、4回戦と上々の成績を収めています。
しかも、ベルディフであれば4回戦では物足りないぞ、思わせるほどの評価にすらなっています。
今年の4回戦の相手は順当にいけばミスター4回戦のガスケですから、更に上目指していいんじゃないでしょうか。
そのガスケ、こちらもキャリアは長く、上位進出もある選手ですが4回戦敗退の多さで有名です。
ただ、今年のウィンブルドンでのベスト4進出の記憶も新しいように、
4回戦突破をしてしまえば準々決勝での勝率は100%で、確実に準決勝にまで進出できる力を持っています。
過去のデータだけでいえば、4回戦でベルディフが勝つ公算が高いですが、
仮にガスケが勝ってしまえば準々決勝でフェデラーを下すということになります。
因みにベルディフvsガスケの対戦成績は6勝6敗です。
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テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2015/08/28(金) 11:01:42|
- 2015年7月~9月
-
| トラックバック:0
-
| コメント:9
>Federer LOVE LOVE様
>mamehei様
コメントありがとうございます。
お二人のコメントを拝見し、ふと昔の記事を読んでみました。
ん~口調は変わりませんが、今ほどふざけてないですね。
あとデータが多い。我ながらこうでなくっちゃと思いました。
最近はコメント欄に色々とデータを書き込んでいただいたりもしていますが
中々自分からこれだ、という情報の提示ができておりませんで恐縮です。
それと誤字、変換ミスが多いですね。これは今も変わらずですが。
後から読み直すと結構見つかるもんです。
最近のならば直しますが、今更昔の記事は直さずそのままにしておきます。
また昔の記事には懐かしい名前がバシバシ出てくるのもいいですね。
それとモンフィス→ツォンガの訂正ありがとうございました。
早速記事の方(こちらは最近ですので)修正しました。
- URL |
- 2015/08/28(金) 14:45:01 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
- [ 編集]
こんばんは。
ついに全米のドローが決まりました。
TOP4シードの中ではマレーが1番タフな序盤になりそうですね。
何より一回戦からいきなりキリオス戦。
あれだけ目立っておきながら37位ですよこの人。どうして32位以内にいないんですかね本当に。
そして2回戦はマンナリノと当たる可能性があります。マンナリノは34位。ノーシードで2番目にランキングが高い選手です。
そう考えると序盤のくじ運としては最悪に近い部類ではないでしょうか。
3回戦の対抗は第30シードのベルッシなので、そう悪いとはいえないですが。
一方フェデラーも初戦は33位、つまりノーシード最上位のマイェール(メイヤー?)です。
まあかといってフェデラーが負けるとは思いませんが、初戦から当たるには少々面倒なところです。
2回戦は迷惑ノーシード・・・というほど最近はパッとしてませんがバグダティスと当たる可能性があります。
あるいはナダルをウィンブルドン1回戦で破ったこともあるダルシス。彼がナダルを破った時はフェデラーも2回戦敗退を喫した波乱の大会でしたね。
3回戦の対抗はコールシュライバー、長く上位を維持しているベテランではありますが、フェデラーから見ると悪くないでしょう。
ジョコビッチの初戦はソウザ、SouzaとSousaですが、自分はむしろポルトガルのSousaのほうが印象が薄いです。なぜでしょうか。
これ、現地ポルトガル語だと発音はどうなるんでしょうか。
ポルトガル語なんてわからないですし、ましてポルトガル本土とブラジルでどう違うかなんてもっとわかりません。
発音も似てるんでしょうかね。
話はそれましたが、2回戦ではウィンブルドンベスト8のポスピシルと対戦の可能性があります。
勢いのある若手ですが、どこまで食い下がれるか楽しみですね。
3回戦の対抗はセッピ。まあフルセッピとは言いますが、ジョコビッチ相手だとさすがにそこまではいかないでしょう。
しかし全豪ではフェデラーを相手に自分が4セットで勝ってフルセットを回避した実績もあります。油断は禁物です。
そして第4シード錦織の初戦はペイル。
まあキリオスと当たったマレーなんかに比べたらまだマシなほうでしょう。
次はイルハンとステパネクのいずれか。んーイルハンってよく分からないんですよね。ステパネクはなかなかの曲者ですね。
3回戦の対抗はロブレドですが、グロスやらドルゴポロフやらもいます。
ドルゴポロフがもし上がってきたら、最近勢いがあるだけに少し嫌かもしれません。
その他個人的に注目したいのは今全米限りで引退するマーディー・フィッシュです。
初戦の相手はもうすぐ23歳になるCeccinato。どう読んだらいいんでしょう。
もし勝てたら次はフェリシアーノ・ロペスとのベテラン対決の可能性があります。
隣のブロックにはハースやベルダスコもいて、この辺のドローにはおじさんが豊富にいますね。
あと、ナダルvsコリッチ。コリッチも勢いのある若手ですがもう35位ですよ。シード予備軍です。
ナダル自身1度負けています。初戦からタフな全米になりそうです。
3回戦の対抗のフォニーニにも今季2敗していますから、楽ではありません。
とまあざっくり序盤を見ていきました。
他はまあ、ワウリンカとソックが順当に上がったら面白そうだな、とかイズナーとカルロビッチの巨人対決も見てみたいな、とかガスケは最近やたら若手とばかり当たってる気がするな、とかヒューイットvsトミッチが実現したらいいなとかですね。
今回の全米、アメリカの若手がたくさんワイルドカードもらってるのもありますが、22,3歳くらいまでの若手がかなりドローに多くいる気がします。
いや、ボーダーが22,3歳というのが高すぎるんですかね。
それでも10代の選手もコキナキス、コリッチ、チュン・ヒョンに加えてワイルドカードをもらったアメリカ勢にもまだいますから、まあ近年では多いほうなんじゃないですかね。あと予選で何人あがってくるか。予選の3回戦を見るとアレクサンドル・ズベレフ(ミーシャ・ズベレフの弟ですね)やアンドレイ・ルブレフ、そして9月中に20歳の誕生を迎えるんですが西岡やエリアス・エミールが勝ち残っています。
30代のベテランと10代の若手、果たしてどっちが多いんでしょうね。
ここからは余談です。
自分がテニスを見るようになったのは2008年ごろからですね。
新聞のスポーツ欄で少なくとも全豪準決勝の結果を目撃した記憶が多分1番古いです。
その後ウィンブルドンまでにはフェデラーやナダルの名前は覚えていたと思います。起きて早々ウィンブルドンの決勝の経過を確認した覚えがあるので少なくともテニス365は見てました。おかげであまりメジャーとは言えないシュットラーやクレマンを覚えたり、アンチッチやサフィンもフェデラー絡みで覚えました。
そんなこんなでテニスを見るようになって、2009年も全豪のベルダスコ、全仏のソデルリングの活躍に簡単として見たり、ウィンブルドン決勝をリアルタイムで観戦してみたり(第4セット終わった時点でギブアップしましたが)、全米ではデル=ポトロが驚かせてくれました。
そして書き込んだのはたしかに2010年が最初のようなんですが、どうもそれ以前から管理人様には連絡を取っていたようです。実のところ何を話していたのかは全く覚えていません。
おそらくデータ関連だと思いますが。2010年当時はまだ高校生でしたからよくそんな暇があったものだと思います。
ところでHead to Headですが、コート種別、確認できました。
ただ、いちいちクリックしないといけないので少々面倒ですが。
- URL |
- 2015/08/28(金) 18:32:55 |
- 2R #2mo2qD.Q
- [ 編集]
こんばんは。
全米はついに予選が終わりました。
予選突破したのはP・H・マチュー、A・ズベレフ、G・ペラ、M・ベレー、N・バシラシビリ、西岡、J・メルツァー、M・エブデン、E・ドンスコイ、A・ルブレフ、T・ポール、J・P・スミス、E・エミール、K・クラフチュク・A・ゴンザレス、I・マルチェンコの16人。
年齢は
1980年生 ベレー
1981年生 メルツァー
1982年生 マチュー
1985年生 クラフチュク
1987年生 エブデン・マルチェンコ
1989年生 スミス・ゴンザレス
1990年生 ペラ・ドンスコイ
1992年生 バシラシビリ
1995年生 西岡
1996年生 エミール
1997年生 ズベレフ・ルブレフ・ポール
30代はベレー、メルツァー、マチュー、クラフチュクの4人。
10代は西岡・エミール・ズベレフ・ルブレフ、そして430位で予選ワイルドカードでの参戦から突破を決めた地元アメリカのポールの5人。
他の選手はジョコビッチやマレーと同年代のエブデン・マルチェンコ、錦織やラオニッチと同年代のスミス・ゴンザレス・ペラ・ドンスコイ、そしてディミトロフやソックと同年代のバシラシビリとなっています。
本戦WC組ではティアフォーとドナルドソンが10代です。
予選勝者の5人とこの2人とチュン・ヒョン、コキナキス、コリッチを加えて10人の10代選手が本戦にいることになりますね。
128分の10を多いととるか少ないととるかは人それぞれでしょう。
一方30代は予選勝者4人に加えガバシュビリ、セッピ、ベルダスコ、T・ハース、フィッシュ、F・ロペス、セラ、ステパネク、ロブレド、ツォンガ、ニエミネン、ルー・イェンスン、F・メイヤー、フェレール、ワウリンカ、ミュラー、エストレーリャ・ブルゴス、R・ラム、シモン、Be・ベッカー、ヒメノ・トラバー、マウー、ティプサレビッチ、ガルシア・ロペス、ヒューイット、ブラウン、イズナー、ジャジーリ、ユーズニー、ロレンジ、カルロビッチ、コールシュライバー、ロソル、バグダティス、ダルシス、フェデラーまでいます。
実に合計40人。128分の40が30代選手。
残る78人が20代の選手ということになります。
だいたい4:8:1くらいですか。
近年はやはり30代選手や20代後半の選手にやはり勢いがありますね。
- URL |
- 2015/08/29(土) 22:01:17 |
- 2R #2mo2qD.Q
- [ 編集]